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肛門脱(こうもん・だつ)とは、肛門管が肛門を超えて、体外へ脱出する疾患のこと。脱肛(だっこう)ともいう。
肛門管は元来体内にあり、肛門を超えて体外へ出ることはない。体外への脱出は異常であり、程度の軽重により治療が必要となることがある。
通常、肛門管は周囲の支持組織により固定されているが、これが緩むことにより、当初は腹圧と共に、進行すると常時肛門管が体外に脱出してしまう。
- 視診、触診が主となる。
- 肛門鏡、大腸内視鏡などで、鑑別診断を除外していく(特にMPS:muco-prolapse syndrome)。
軽症であれば、当帰建中湯の服薬や生活習慣の指導を行い、腹圧を上げないようにする。重症例では手術が必要となることもある。
- 岩垂純一 著:実地医家のための肛門疾患診療プラクティス、永井書店 2007
- 幕内雅敏 監修、杉原健一 編集:大腸・肛門外科の要点と盲点 第2版 Knack & Pitfalls、文光堂 2005