自由の村(じゆうのむら)は、大韓民国京畿道坡州市郡内面造山里にある宣伝村。韓国と北朝鮮の間に位置する板門店軍事境界線から約500メートル韓国側にある。正式名称は台城洞[1](テソンドン、대성동)。

自由の村
自由の村の位置(大韓民国内)
自由の村
各種表記
ハングル 자유의 마을
漢字 自由의마을
発音 チャユエ マウル
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台城洞自由の村。中央に、北朝鮮側の機井洞(平和の村)と高さ競争を繰り広げた国旗掲揚塔がある

軍事境界線から2kmの範囲内は非武装中立地帯(DMZ)であり、国連軍が管理しており原則として居住や立ち入りはできない。一方、協定では南北双方ともDMZ内に1か所だけ村を残せることになっており、台城洞はこれにより残された。南側のDMZの中で唯一民間人が居住している。

住民のほとんどは農業を営んでおり、村内には農業施設のほか、初等学校等が備わっている。休戦当時の住人の直系子孫だけ居住することができ、例えば女性は村外の人と婚姻すると居住資格を失う。ただし、婿養子は可能である。また、年間8か月以上村内に居住することが求められ、満たない場合は居住資格が消滅する。

立地の特性上、生活には様々な制約があり、毎日世帯ごとに人員チェックを受けなればならず、夜間0時から5時までは外出が禁止される。農作業も2-3日前までに活動時間を事前に軍に申告しなければならず、軍事境界線付近で農作業をする際には、軍の同行が必要となる。また、耕作権は認められているが、所有権は認められていない。そのため、土地の売買は不可能で、耕作権の譲渡のみ可能である。その代わり、村民は韓国人の三大義務中の納税と徴兵を免除される。そのため、韓国の平均的な農家より所得が高いといわれている。

民間人出入統制区域内にあるため、住民や許可を受けた者、指定されたツアー参加者以外は域内に入る事は出来ない。市街地から域内へ向かう路線バスがあるが、統一大橋より先の民統線以北へは、出入証所持者以外は乗車できない。

村からほど近い北朝鮮側(開城特別市)の非武装中立地帯内には、これも同様の経緯で残された機井洞(平和の村)がある。同村にはコンクリート製アパートが立ち並び、保育所や病院も完備していると謳われる北側の宣伝村であるが、実際は無人とみられている。台城洞との間では1980年代に国旗掲揚塔の高さ競争を繰り広げた。台城洞は98.4メートルの掲揚塔を建て、これに対して機井洞は高さ160メートルの掲揚塔を建てている。太極旗は2か月に1回交換され、交換費用約140万ウォンは坡州市が負担している。

脚注

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外部リンク

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座標: 北緯37度56分30秒 東経126度40分48秒 / 北緯37.9417度 東経126.68度 / 37.9417; 126.68