血染めの鍵』(ちぞめのかぎ、The Clue of the New Pin)は、1923年に発表されたエドガー・ウォーレスの長編推理小説

血染めの鍵
The Clue of the New Pin
著者 エドガー・ウォーレス
発行日 1923年
ジャンル 推理小説
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
形態 文学作品
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内容 編集

謎の中国系億万長者の密室殺人を描いた犯罪小説(スリラー)である。

日本では戦前に翻訳本[注 1]がでたが長らく絶版。2018年に新訳で翻訳が90年ぶりに出版された。

物語 編集

英国系中国人で資産家のトラスミアが、鍵のかけられた密室の中で殺害される。被害者に恨みを持っていた共同経営者のブラウンと、事件後行方知れずとなった使用人のウォルターズ、宝石や文書絡みで被害者といわくありげな女優ウルスラが怪しい。新聞記者のタブは、地元警察署の刑事カーヴァーと共に事件を追っていく。

登場人物 編集

  • タブ・ホランド - 主人公。雑誌「メガホン」のやり手記者。
  • ジャック - 主人公の上司。雑誌「メガホン」の編集長。
  • ジェセ(ジェシー)・トラスミア - 中国育ちの英国人富豪。密室で殺される。
  • ウォルターズ - トラスミアの使用人。前科者らしい。
  • レックス(ベイブ) - 主人公のルームメイトの建築家。トラスミアの甥。太っている。
  • ウェリントン(ウェリー)・ブラウン - トラスミアの中国での共同経営者。気品があるが、大酒飲みで阿片の常習者。
  • ジョン・ストット - トラスミアの隣人。気取った俗物で社交クラブの常連。
  • エレーヌ - ストット邸の女中。ゴシップ好きでおしゃべりとストットからは思われている。
  • ウルスラ・アドバーン - 女優。ベイブに求婚される。
  • イェー・リン - 中華レストランを経営する中国人。
  • カーヴァー警部 - トラスミア事件の捜査を担当する刑事。

特記事項 編集

本作の「密室」と「意外な犯人」は、古典的トリックとして複数のミステリで言及されている[1]

日本語訳書 編集

  • 『血染の鍵 / 反逆者の門』 松本泰訳、春陽堂 探偵小説全集8 1929年
  • 『血染めの鍵』 友田葉子訳、論創社、2018年 ISBN 978-4-8460-1686-9

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 『反逆者の門』との合本。

出典 編集

  1. ^ ヴァン・ダインの「ケンネル殺人事件」など