行け、怒りにかられて
アリア『行け、怒りにかられて』(ゆけ(いけ)、いかりにかられて、伊:Va, dal furor portata )K.21(19c) は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したテノールと管弦楽のためのアリア。モーツァルトが生まれて初めて作ったアリアでもある。『怒りにかられて行け』などとも訳される。
概要
編集モーツァルトの時代には、いろいろな作曲家が他のオペラのために作曲したレチタティーヴォやアリアの作品を寄せ集めて一つの劇音楽(あるいはオペラ)として上演するというものがあった。このような方法を「パスティッチョ」と呼んでいた。
このアリアは、モーツァルトがロンドンに滞在していた1765年に作曲され、ピエトロ・メタスタージオのリブレットによるオペラ「エツィオ」から採られたテキストに基づいている。楽譜には「1765年ロンドンにて」と書かれていることから、9歳で作曲された作品であることがわかる。オペラ「エツィオ」は1765年にロンドンのヘイマーケットの王立劇場で上演されたが、このアリアがその中の一つとして使われたどうかは不明である。ロンドンでの別の演奏会のために作曲したという説もある。
9歳で作曲したとは思えない閃きで書かれており、モーツァルトの劇音楽への天分のありかを思わせている。
編成
編集構成
編集ダ・カーポ形式によって書かれている。演奏時間は約6分。