身分(みぶん)は、人の社会状態の中で外形的なもののことである。身分の例としては、地位職業などがある。

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社会上の身分編集

社会上の身分の例としては、職業の別、国籍の有無、住民であるかそうでないかなどがある。主に職業欄に記すものが多い。公務員従業員法人社員個人事業主(職業欄は自営業などと記す場合が多い)・学生などがその例である。的な身分としては、皇族の身分、公務員の身分、法人・結社役員、従業員等の身分がある。以下に例示する。

君主及び皇室・王室編集

  • 公人(特に皇族及び選挙により選出された政治家、選出された特別職を公人という)
    • 皇族(男子皇族、女子皇族、皇族と婚姻した女性)

公務員の身分編集

一部の公務員については、その地位およびその地位に伴う権利義務の不利益変更が制限されており、このことを身分保障と呼ぶ。日本においては裁判官が憲法上の身分保障を受け(日本国憲法第78条第79条第80条)、職務上の独立性が求められる公務員に関しては法律で強い身分保障の制度を定めているほか、一般職の公務員についても不利益処分の基準・審査手続を法定する(例: 国家公務員法第74条~第75条・第89条以下)など身分保障が図られている。

法人の社員及び従業員としての身分編集

会社等の社団における構成員を社員雇用契約等を結び労働に従事する者を従業員という。

教育訓練上の身分編集

学校教育法第1条に定める学校教育上の在学者としての籍を学籍といい、身分は、園児幼稚園)、児童(小学校)、生徒(中学校高等学校)、学生(高等専門学校大学大学院短期大学)と称する[1]専修学校各種学校の在学者の身分は、生徒である[1]。学生の身分には正科生本科生の他に、科目等履修生聴講生研究生などがある。

職業能力開発促進法に定める職業訓練あるいは指導員訓練において訓練を受ける者は、訓練生と称される。但し、職業能力開発短期大学校職業能力開発大学校、および職業能力開発総合大学校の訓練生は、学生と称される場合もある。

親族上の身分編集

親族上の身分については、日本では民法に定めがある。民法における身分とは、親族法上の特定の地位をいう。例として嫡出子非嫡出子などがある。

犯罪上の身分編集

犯罪上の身分については、日本では刑法に定めがある。刑法において身分とは、特定の犯罪の主体となるのに必要とされる特殊な地位または状態をいう。行為の主体にかかる身分が要求される犯罪を身分犯 ( Sonderdelikt ) とよぶ。

例として、強姦罪における男性女性を姦淫し得るのは男性のみ)、堕胎罪における女性(妊娠し得るのは女性のみ)、収賄罪における公務員(公務員という地位を有することが構成要件)などがあげられるが、これらに限られず「男女の性別、内外国人の別、親族の関係、公務員たるの資格のような関係のみに限らず、すべて一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊の地位又は状態」をいうとするのが、判例(最判昭和27年9月19日刑集6巻8号1083頁)である。

すなわち、犯人が犯罪行為との関係で他の一般人が有しない特殊の地位又は状態を有する場合の、その地位や状態を身分という。(男女の別も「身分」とされていることから理解されるとおり、「特殊」といっても「そのような地位又は状態を有しない人が相当多い」という程度の意味にすぎず、希少な地位又は状態に限るわけではない。)

なお、ドイツの刑法学者クラウス・ロクシンドイツ語版は「義務犯 ( Pflichtdelikt )」という概念をもってこれにかえるべきだと主張しているが、日本では消極視されている。

真正身分犯と不真正身分犯編集

身分犯は、真正身分犯 ( echtes Sonderdelikt ) (構成的身分犯)と不真正身分犯 ( unechtes Sonderdelikt ) (加減的身分犯)とに分けられる。

犯人の身分によって構成すべき犯罪行為(刑法65条1項)、すなわち、犯人が一定の身分を有することが構成要件となっている犯罪行為を、真正身分犯という。例として、収賄罪、強姦罪がある。

身分によって特にの軽重があるとき(刑法65条2項)、すなわち、犯人が一定の身分を有することで法定刑が加重され又は減軽されている犯罪行為を、不真正身分犯という。例として、常習賭博罪(犯人が常習者であることで通常の賭博罪よりも法定刑が加重されている)がある。

封建社会の身分編集

いわゆる家柄門地世襲する地位、役職などを指した(士農工商など)。民主主義が定着した国では、もはや過去のものとなったが、現実にはカーストなど封建主義的な身分制度文化を維持している国・社会も少なくない。

関連項目編集

脚注編集