酒石酸カルシウム(しゅせきさんカルシウム、Calcium tartrate)は、ワイン生産の副産物であり、ワインの発酵屑から得られる。熟したブドウに最も多く含まれる酒石酸カルシウム塩である。低温では溶解度が低下し、その結果、沈殿物として、白色(赤ワインではしばしば赤色)結晶塊が形成される。保存料や酸調整剤としても用いられる。酒石酸と同様に、酒石酸カルシウムは2つの非対称炭素を持つため、2つのキラル異性体と非キラル異性体(メソ体)を持つ。生物起源の酒石酸カルシウムの多くは、左旋性の(-)異性体である。

酒石酸カルシウム
識別情報
CAS登録番号 3164-34-9 チェック,  (無水物)
5892-21-7] (四水和物)
PubChem 3083790
ChemSpider 10606089 チェック
E番号 E354 (酸化防止剤およびpH調整剤)
特性
化学式 CaC4H4O6
モル質量 190.16484 g/mol (無水物)
260.21 g/mol (四水和物)
外観 吸湿性の白色粉末
または無色結晶
密度 1.817 g/cm3 (四水和物)
融点

160 °Cで四水和物が分解
650 °Cで無水物が分解

への溶解度 0.037 g/100 ml (0 °C)
構造
結晶構造 d or l 斜方晶
dl 三斜晶
危険性
安全データシート(外部リンク) Calcium tartrate
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。