鉄の星(てつのほし、: iron star: Eisenstern: étoile de fer: железная звезда[1]は、非常に遠い未来に出現が可能視される仮説上の天体。これが出現し得る前提として、陽子崩壊が存在しないことが必要(2020年2月現在、陽子崩壊の確たる証拠は得られていない。理論予測に反し、陽子は安定な粒子である可能性を否定できない[1])。高エネルギー加速器研究機構教授の松原隆彦によると、陽子崩壊が存在しないと仮定すると、あらゆる原子はいつか必ず鉄に変化する[1]。鉄よりも原子番号が小さい元素は、トンネル効果により低温核融合を起こし、最終的に最も安定な鉄56に変換される。鉄よりも原子番号が大きい元素は、核分裂アルファ崩壊によりやはり鉄に変換され、最終的に恒星質量の冷たい鉄の塊が生成する。フリーマン・ダイソンは、鉄の星が出現するのは101500年後であろうと計算している[2]。なお、ダイソンは、年後には鉄の星もさらに安定な中性子星またはブラックホールに変化するであろうとする[2]

出典編集

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  1. ^ a b c 髙嶋秀行、永原和聡、中野太郎「原子でできた天体は、すべて“鉄の星”になるという可能性も」『Newton』第40巻第2号、ニュートンプレス、2020年2月7日、 56-57頁。
  2. ^ a b Freeman J. Dyson (1979-07-01). “Time without end: Physics and biology in an open universe”. Rev. Mod. Phys. (American Physical Society) 51: 447–460. doi:10.1103/RevModPhys.51.447.