長男

長男(ちょうなん)とは、親から見て最も年長の男子をいう。長男についで親から二番目、三番目の男子を二男(次男)、三男という。

長子(ちょうし)ともいい、史的には「はじめに生まれた男子、総領」を長子と呼ぶ。

長男とは編集

長男とは、親から見た最年長の男子のことをいう。およそ封建時代やその習俗の色濃く残った時代においては、長幼の序の観念から原則として長男は家系、家財の継承者と目されてきた。但し、民法施行以前、特に江戸時代以前の日本では特権階級を中心に一夫多妻制が踏襲されていたこともあり、正室の生んだ最年長の男子たる嫡男が家の後継者とされ、たとえ長男であっても母が側室の場合は、嫡男とはされずに庶長子とされ、跡取りとはされなかった場合が多い(例外もある。例:北条泰時など)。

長男とは、およそ家系家業の後継者としての位置付けが強く、今日においても未だその傾向は社会通念として、強く残る。今日の民法においては、明治憲法下における民法と違い、長男とそれ以外の子の財産分与をはじめとする諸権利において法的な差別はないが、戸籍法上では、続柄の掲載については、嫡出の男子を長男として記載されることから、一応の法律用語として存在し続けていることも確かである。尤も、昨今では非嫡出子差別が問題となり、嫡出子を長男、長女と記載する今日の方式は次第に改めつつあり、法的な見地における長男とは実質的にも名義的にもその意味を失いつつある。

但し、現民法施行後70年近く経った今日でも継ぐべき家系、家財、家業の有無に関わらず、社会通念や家庭内の慣習では、事実上、長男はおよそ祭祀を継承する位置付けが強く、家庭内の冠婚葬祭では親に次いで施主喪主含む)を務める場合が多い。

また、民法上は他の兄弟と平等となった今日においても、慣習的には長男は家と祭祀を継承し、さらに親と同居して老後の面倒を見る代わりに、兄弟に財産相続分を放棄させるという慣習も残っている場合が多い。故に、女性からの立場としては、後継者である長男の配偶者になることは、夫の家庭の財産を承継できる代わりに、夫の両親と同居し、また老後の世話をするという場合もあり、何かと気苦労の多い立場となりやすいことから「長男の嫁」と称して敬遠する例も見られる。TBS系のテレビドラマ「長男の嫁」もこうした社会的な慣習を風刺したものといってよい。但し、今日では法的にも社会的にも生まれた順や男女の性差による立場、役割の不平等は認められる時代ではなく、長男の配偶者=気苦労の多い立場あるいは重荷とする見方は、やや固定観念であり、例外も多く存在する。あくまでも一般論であり、少子化が進んだ今日は意義も薄れているが、傾向としては長男は我を出さずに黒子に徹するタイプが多いとされている。そのためか、スポーツ選手や芸能人等で大物になった人間で長兄は稀である(詳細は畑田国男の著作等も参照されたい)。また、親のプレッシャーが最も大きいためか引きこもりの率が高いという調査結果が精神科医の斎藤環により報告されている。沢口靖子が「でも長男じゃないわよね。」と囁く富士フイルムのCMが一部で話題を呼び、長男族の抗議で打ち切られたのではと憶測を呼んだこともあるが、メーカー側はこれを否定している。

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