12AT7 (ヨーロッパではミュラード-フィリップス ECC81が相当) は中程度の増幅率(60μ)を得られる9ピンのミニチュア双三極真空管である。

ゼネラル・エレクトリック製で旧型の狭幅プレート型12AT7 (左側)と現行品でエレクトロ・ハーモニックス製の大型プレート型12AT7 (右側)

この真空管は、二つの6AB4/EC92s単三極管が2組封入されたものに相当する。

開発・性能 編集

 
12AT7のベース ピン配置図

この真空管は、同じピン配列(EIA 9A)を持つ双三極真空管ファミリーに属しており、特に低増幅率(μ)の12AU7と高増幅率(μ)の12AX7は非常によく使用されている。

12AT7は12AX7より電圧利得がやや低いが、相互コンダクタンスとプレート電流が大きいので、メーカーのデータシートでは、12AT7と6AB4は12AU76C4とは異なり、VHF周波数まで動作する無線周波数帯デバイスとして記載されている[1]

用途 編集

ギターアンプのようなオーディオ分野でよく使われているが、元々はテレビ、FMチューナーなどのVHF回路で発振器として使用されることを想定して設計されたので、高周波周波数帯域での用途に適している。フィラメントはセンター分岐形なので、6.3V 300mA(並列接続にした場合)、12.6V 150mA(センターを使用せずに直列にした場合)のいずれのヒーター回路にも使用可能である。

12AT7は、ロシア (エレクトロ・ハーモニックス ブランド)、スロヴァキア(JJエレクトロニック)、中国で製造されている。

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ Tung-sol data sheets for EC92 and 12AT7/ECC81 dated January 1969 and January 1952 respectively

外部リンク 編集