1976年ポルトガル共和国大統領選挙

1976年ポルトガル共和国大統領選挙(1976ねんポルトガルきょうわこくだいとうりょうせんきょ、ポルトガル語: Eleições presidenciais portuguesas de 1976)は、ポルトガル共和国元首であるポルトガル共和国大統領(Presidente da República)を選出するため1976年6月27日に行われたポルトガル共和国の選挙である。

概要 編集

1974年4月25日カーネーション革命後、翌年4月25日に行われた制憲議会選挙で選ばれた議員によって発足した制憲議会で社会主義的色彩が濃い新憲法草案が1976年4月2日に採択され、同月25日に新憲法に基づいて実施された共和国議会選挙に引き続き、民政移管への最終関門として6月27日に行われた大統領選挙である。

選挙制度 編集

  • 選出方法:選挙権を有する18歳以上の国民による直接選挙。2回投票制
    • 第1回投票で有効投票数の過半数を得た候補がいない場合は上位2名で決選投票が行われる。
  • 任期:5年
  • 再任の是非:一回のみ再任容認
  • 被選挙権:35歳以上のポルトガル国民
  • 立候補に必要な推薦人数:7,500 - 15,000人

候補者 編集

本大統領選挙に立候補したのは以下の4人である。

候補者一覧
候補者名 支持党派 備考
アントニオ・ラマーリョ・エアネス
António dos Santos Ramalho Eanes
無所属 陸軍参謀総長。国軍運動英語版(MFA)穏健派
オテロ・デ・カルヴァーリョ
Otelo Nuno Romão Saraiva de Carvalho
無所属
  • 革命的統一戦線(FUR)など極左勢力が支援
前国土治安作戦司令部司令官、MFA左派
ジョゼ・ピニェイロ・デ・アゼヴェード
José Baptista Pinheiro de Azevedo
無所属 首相。元海軍参謀長
オクタヴィオ・パト
Octávio Floriano Rodrigues Pato
ポルトガル共産党 PCP PCP中央委員會政治局員

選挙結果 編集

e • d    1976年ポルトガル共和国大統領選挙 1976年6月27日施行)
候補者 所属政党 得票数 得票率
アントニオ・ラマーリョ・エアネス
António dos Santos Ramalho Eanes
無所属 2,967,137 61.59
オテロ・デ・カルヴァーリョ
Otelo Nuno Romão Saraiva de Carvalho
無所属 792,760 16.46
ジョゼ・ピニェイロ・デ・アゼヴェード
José Baptista Pinheiro de Azevedo
無所属 692,147 14.37
オクタヴィオ・パト
Octávio Floriano Rodrigues Pato
ポルトガル共産党 365,586 7.59
有効票 4,817,630 98.70
無効票 43,242 0.89
白票 20,253 0.41
投票総数 4,881,125 100.00
有権者(投票率) 6,467,480 75.47
出典:
CNE Resultados Elecitorais Presidência da República 27/06/1976
CNE Informação Detalhada - Resultados Nacionais

2か月前の議会選挙で上位を占めたPSとPPD、CSDが支持し、広範な支持を集めたアントニオ・エアネス陸軍参謀総長が極左勢力の支持を受けたオテロ前国土治安作戦部司令官、首相で独立候補のアゼヴェード、PCP中央政治局員のオクタヴィオ・パトを圧倒的な大差で抑えて、新生民主国家となったポルトガル共和国の初代大統領に当選した。

参考文献 編集