Bacula
概要
編集BaculaはGPL2の改訂版の下で発表された[1]。スローガンは「闇夜に来たりてコンピュータから命の髄を吸う」(It comes by night and sucks the vital essence from your computers.)。Baculaという名前は「Backup」(バックアップ)と「Dracula」(ドラキュラ)を合わせた造語であり、Baculaのマスコットであるコウモリやスローガンは吸血鬼ドラキュラを思わせる物である。
Baculaは、Linux、Solaris、FreeBSD、NetBSD、Windows、macOS、OpenBSD、HP-UX、Tru64およびIRIXに挙げられる、多数のオペレーティングシステムでの遠隔バックアップに対応できるBacula.org。
バックアップ・データは、磁気テープ、DVDまたはネットワーク・ドライブなど、様々な媒体に保存できる。他の高機能なバックアップ・ソフトと比較しても、Baculaはファイアウォールにまつわる問題がほとんどない上、性能面でもひけをとらない。
構造
編集Baculaの構造は、バックアップ処理を制御するクライアント(バックアップ対象のファイルが有る機械)、ストレージ(バックアップ・データを保存する媒体が有る機械)、およびサーバ上で稼動する三種のデーモンを中心に展開される。三種のデーモンは以下のとおりである。
- Director
- 全てのバックアップ管理作業の制御、データベース・アクセスの制御、バックアップの初期化
- Storageデーモン
- バックアップ媒体の処理とバックアップ・データの受信
- Fileデーモン
- データ・アクセスの処理、クライアント側の暗号処理と圧縮処理、および実際のデータ読み込みまたは復旧
肝心な点は、どの作業を稼動させるか、いつ作業を稼動させるか、およびどのファイルをバックアップするか、という事に関する全ての情報は、Directorによって制御されるという事である。StorageおよびFileデーモンは、Directorが使うために資源へのアクセスを提供するだけである。それらはバックアップ処理の詳細な制御はしない。
この構造では、三種のデーモンは三台の別々のマシン上で稼動すべきという事を意味する一方で、等しく有効な構成は、バックアップ処理を制御するマシンで三種のデーモン全てを稼動し、FileやStorageデーモンがアクセスするため、どんな遠隔ファイルやストレージ資源も、smbやnfs上のファイル・システムにマウントする。