CALDIC(California Digital Computer)は、1951年から1955年にかけて Office of Naval Research の協力を得てカリフォルニア大学バークレー校で開発されたデジタルコンピュータ。同大学の高速情報処理の研究プラットフォームとすべく開発されたものである。

CALDIC はコスト低減と操作の容易性を基本理念として設計製作された。直径 8 インチの10,000ワードの磁気ドラムメモリ装置を備える直列型十進マシンである(CALDICのワードは十進10桁であり、メモリ容量は約 400,000 ビットに相当する)。1300本の真空管、1000本のダイオード、100個の磁気部品(磁気ドラムメモリのヘッド部)、12個の継電器(電源供給に使用)から構成される。1秒間に50回命令を実行できる性能であった。プログラム内蔵型コンピュータであり、命令形式は十進6桁(命令コードは2桁、アドレス指定部が4桁)である。

当初の計画を立案したのは、Paul Morton、Leland Cunningham、Dick H. Lehmer である。後者2名はペンシルベニア大学でのENIAC開発に参加しており、特に Lehmer は有名なムーアスクール・レクチャーも受講している。Morton は設計製作を監督し、電気工学の学生 35名以上を参加させた。その中にはダグラス・エンゲルバートマウスの発明者)や Al Hoagland(ハードディスク産業の先駆者)がいたのである。

マシンは1954年にはほぼ動作するようになった。1955年7月までにかかった費用はおよそ 15万ドルであった。

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