F型コネクタは一般的に「無線地上波放送、ケーブルテレビ衛星放送RG-6英語版あるいはより古い実装ではRG-59英語版を使用したケーブルモデムなどで使用されるRF端子の一つである。現在のテレビにおいてF型コネクタのケーブルや端子は、「アンテナ線」「アンテナ入力」「アンテナ端子」とも呼ばれている。

F型コネクタ(ネジ切りあり)
F型コネクタ(ネジ切りなし)
メスのF型コネクタを持つ分配器

概要

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一般的に、テレビとアンテナを接続するためのコネクタとして使われている。テレビやレコーダーはメスのF型コネクタを備え、屋内の壁面にはアンテナへと繋がるメスのF型コネクタが設けられている。オスのF型コネクタを両端に持つ同軸ケーブルを用いて、テレビと壁面のコネクタ、もしくはテレビにアンテナを直接繋ぐと、テレビ放送を受信できる。

1950年代初頭、Jerrold Electronics社におけるケーブルテレビの研究中に、Eric E. Winstonによって開発された。VHFテレビのアンテナ接続がフィーダー線から同軸ケーブルに切り替えられた1970年代に普及し、のちにUHFSHF衛星放送)でも普及した。

F型コネクタは安価であり、最高1GHzまでの75Ωのインピーダンス整合を持ち、数GHzまでの使用可能な帯域幅を持つ。低価格のひとつの理由は、オスのコネクタのピンとして、同軸ケーブルの中心導体をそのまま使用しているためである[注 1]。このデザインにより、コネクタの特性は内部導体の表面状態に左右され、また耐腐食性がないため、屋外(たとえばアンテナ上)で使用するためには防水処理が必要である。オスのコネクタは外部導体(編組線)を剥き出したケーブルに押し込むか、時にはねじ止めすることでケーブルに接続される。現在、ケーブル業界の標準では、圧着工具を使用することになっている。メスのコネクタの外周部には、3/8-32の極細目のユニファイねじのねじ山が切ってある。ほとんどのオスのコネクタも、これに対応して接続リングの内側にめねじが切ってある。めねじの無い差し込み式のオスも使用可能であるが、差し込み式のF型コネクタは無線に対するシールドが貧弱なため、テレビジョン送信機が近隣のCATV局を流合雑音で妨害する可能性がある。

このコネクタは家庭用の地上波、ケーブル、および衛星放送などのテレビ設備に適当であり、ヨーロッパの地上波受信機で使用されたPALコネクタ英語版(Belling-Lee connector)と比較してかなり特性が改善されている。

同軸ケーブルの中心導体をコネクタのピンとして使用する場合、銅線が酸化して酸化銅となり接触不良を起こす場合がある。高い信頼性を求める場合は、コンタクトピンを使用する『C15形コネクタ』を使用する[1]

脚注

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注釈

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  1. ^ ただし、市販のケーブルに装着されたコネクタの場合はコンタクトピンを使用するものが殆どである。

出典

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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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