Libranet

Linuxディストリビューション

LibranetDebian GNU / Linuxにもとづくオペレーティングシステムであった。

Libranet Linux
開発者 Libra Computer Systems Ltd
OSの系統 Unix系
開発状況 開発終了
最新安定版 3.0 / 2005年4月25日
カーネル種別 2.6.11
既定のUI IceWM
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2005年4月25日時点でリリースされた最後のバージョンはLibranet 3.0で、新規ユーザーの場合は米ドルで約90ドル、既存のLibranetユーザーの場合は65ドルで使用できた。以前のバージョンであるLibranet2.8.1は、無償で使用できるようになった。

Libranetはもはや開発されていない。

歴史 編集

LibranetのLibraは、"Libra Computer Systems"(創業者の所有していた会社の名称)と、"libra.com"というドメインが取得できたことに由来する。

Libranetは1999年に最初の版がリリースされた[1]。この時期のほとんどのLinuxディストリビューションはインストールが非常に難しく、またLinuxディストリビューションをインストールする人々は、プログラマーもしくは低コストのサーバが必要な人だと考えられていた。 Libranetは、インストールが簡単で、デスクトップでの使用を目的としたディストリビューションを出し販売しようとした。コーレルは,同様にこれをCorel Linuxで試みたが、結局これを放棄し、Microsoft WindowsMac OS X向けのソフトウェアに焦点を再び定めた。対して、Libranetは継続し、デスクトップユーザーに適したLinuxディストリビューションであると評価されるようになった[2] 。コーレルは、Linuxオペレーティングシステムの権利をXandrosに売却し、Xandrosは後にLinuxデスクトップの独自の製品をリリースした。

1999年から2003年にかけて、Libranetと同様のデスクトップ環境が使用できたLinuxディストリビューションは、Libranetと同様の値付けをされていた。しかし、この状況は2004年に変化し始めた。 Linuxは全体として進歩し、多くのディストリビューションで比較的ユーザーフレンドリーなデスクトップ環境を使用できるようになり、インストールがとても簡単になった。 MEPISなどの一部のディストリビューションは競争力があり、またはるかに安価だった。 Knoppixなどの他のものは無料で提供された。

Libranetは,すべてのデスクトップディストリビューションの中で、当時のDebianリリース(Woody)と最も互換性のある広範なサポート(「稼働中のサポート」と呼ばれる)を使用して、ユーザーフレンドリーなLinuxディストリビューションとしてニッチを切り開こうとした。提供されたサポートは本当に広範だった。創設者のJon Danzigは、だいたい人々の問い合わせに個人的に答えていた。このことは、Libranetを選択した人々がLibranetにさらに忠実になるのに役立った。

しかし2005年にDebian Sarge がリリースされ、Ubuntu (無償で提供されているDebianベースのディストリビューションで,サポートを購入する選択肢も用意されている)が登場したことで、Libranetはあまり注目されなくなった。 Debian自体がインストーラーを改良して使いやすくしたのである (DebianベースのOSを使用する主な動機はDebian自体のインストーラがユーザに親切でなかったということにあった)。

Libranetはバージョン3.0をリリースし、好評を博したが,市場はデスクトップディストリビューションの方向性へ変化した。 OpenSUSEをリリースしたSUSEFedoraをリリースしたRedHatなど、他のさまざまな商用ベンダーがディストリビューションの無料バージョンをリリースした。 Libranetは独自のディストリビューションを販売していたが、その後無料で広範なサポートを提供した。これに対し多くのディストリビューターはディストリビューションを無償で提供してサポートを販売したり、プロプライエタリソフトウェアの拡張機能を販売したりした。

Libranetの創設者であるJon Danzigは、2005年6月1日に亡くなった[3]。彼の息子のTalが開発チームのリーダーシップを引き継いだが、その後、Libranetの維持をやめると宣言した[4]。もう1人の残りの従業員であるDaniel de Kok [5]は、CentOSの開発者となった。

OpenLibranet 3.1の中止 編集

Libranetに興味を持った多くのユーザーがいたため、LibranetAdminmenuソフトウェアは引き続き利用できていた。 Adminmenuは、オペレーティングシステムのセットアップおよび構成ツールだった。ユーザーフレンドリーなカーネルコンパイルツールも含まれているという点で新規性があった[6]。そこで、Daniel de Kokを含む開発チームは、Libranetをオープンソース化し、OpenLibranet3.1をリリースすることを提案した。しかし、所有者であるTal Danzigがこの計画の決定的な許可をしなかったため、計画は取り下げられた[7]

参考文献 編集

  1. ^ [1]
  2. ^ [2]
  3. ^ [3]
  4. ^ [4]
  5. ^ [5]
  6. ^ [6]
  7. ^ [7]

外部リンク 編集