MH符号(MHふごう、Modified Huffman coding: 修正ハフマン符号)とは、ファクシミリ(FAX)などで使われる、二値画像ビットマップ)の圧縮法である。ハフマン符号連長圧縮を組み合わせた形になっている。

1ラインごとに画像データを処理してデータを圧縮する符号化方式である。一般の文書の画素データ (pel) は黒または白の連続が多いことを利用したデータの圧縮方法である。

ビットマップの1ライン毎に、黒(または白)画素の連続した数(ランレングスといい、それぞれ白ラン・黒ランと呼ばれる)をコードに変換して送信し、受信側で元の画素に復元する。連続画素数が64以上の場合はメイクアップ符号とターミネイティング符号を組み合わせて使用する。出現頻度の高いランレングスから順番に短いコードに変換して、画像データを符号化することにより、送信データを短く(圧縮)することができ、送信時間を短縮することができる。FAXでは従来の6分の1になりA4原稿を約1分で電送できる。コードは通常のハフマン符号のように動的に作成するのではなく、あらかじめ固定的に作られている[1][2]

MH 方式などに対応し二値画像データの圧縮/伸長を行う専用チップとして、μPD72186がある[3]

歴史 編集

1980年CCITTにおいて、G3規格の中でMH (Modified Hoffman) 符号化方式としてランレングスに対するコードが標準化され、「1次元符号化方式」として制定された[4]

出典 編集

  1. ^ MH符号 - NTT 情報通信用語集”. 2016年1月26日閲覧。
  2. ^ MH符号 ‐ 通信用語の基礎知識”. 2016年1月26日閲覧。
  3. ^ “3.機能 3.1機能概要”, アドバンスト・コンプレッション・エクスパンション・エンジン, pp. 11, https://www.renesas.com/us/ja/document/dst/706621 2021年8月2日閲覧。 
  4. ^ ITU-T Recommendation T-4 Standardization of Group 3 facsimile terminals for document transmission http://www.itu.int/rec/T-REC-T.4-200307-I/en

外部リンク 編集