MISD (Multiple Instruction stream, Single Data stream) は、並列コンピューティングアーキテクチャの一種であり、多数の機能ユニットが同じデータに対して異なる操作を同時に行う。パイプライン処理はその一例とされるが、パイプラインの各ステージでデータに操作が加えられているので、厳密にはMISDではないとも言われる。フォールトトレラントコンピュータは、障害を検出して対処するため、複数の機能ユニットが同じ操作を同時に行うが(レプリケーションの一種)、これをMISDの一種とする場合もある。MISDアーキテクチャの実例は滅多になく、MIMDSIMDの方が一般的な並列処理には適している。特に、MIMDやSIMDはMISDに比べてスケーラビリティが良く、計算リソースを効率的に利用できる。

フリンの分類におけるMISD

シストリックアレイをMISD構造の例に挙げる者もいる[1][2]

脚注 編集

  1. ^ Quinn, Michael J. Parallel Programming in C with MPI and OpenMP.Boston: McGraw Hill, 2004.
  2. ^ Ibaroudene, Djaffer. "Parallel Processing, EG6370G: Chapter 1, Motivation and History." St Mary's University, San Antonio, TX. Spring 2008.