TRYラーメン大賞とは、講談社が発行する日本のラーメン情報雑誌で発表されるアワード。またTRYとは「Tokyo Ramen of the Year」の略称。

「東京で一番旨いラーメンを決めようじゃないか」を合い言葉に、2000年に情報誌『TOKYO★1 週間』(現在は休刊)誌上にて味のジャンルごとにラーメン店のランキングを発表。その後、毎年秋に各賞のランキングを発表。2010年の休刊を機にMOOKとして独立し企画を継続。2022年で23年目を迎える。

審査対象は、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)にある「ラーメン専門店」で、中華料理店などは除く。

各賞の種類と審査員の選考方法 編集

TRY新店大賞 編集

審査期間の1年以内にオープンした新店の中から、最も優れた店に贈られる最高の賞。第23回より、名称を「新人大賞」から「新店大賞」に改めた。

味60:ホスピタリティ20:活躍度20を評価の基準とし、総合的に評価。本賞の1位受賞店には、特注のシルバーの丼トロフィーが贈呈される。

TRY新店部門 編集

味の各ジャンル各賞ごとに優れた新店に対して贈られる。味別にしょう油・しお・みそ・とんこつ・MIX・にぼし・つけ麺・汁なし・特別賞(トレンド)の9種類に分類。各審査員が「旨い!」と評価したラーメンを上位から1位10点、2位9点というように、味の点数を付けて投票し、その総合点で順位を決定する。

特別賞(トレンド)は、これらのどのジャンルにも該当しないものを対象とし、審査員の投票数により選出する。ただしランキング付けはしない。

TRY大賞 編集

1都3県の既存店の中から最も優れた店に贈られる最高の賞。味のクオリティだけでなく、ホスピタリティやラーメン業界への貢献度も含めて総合的に評価を行う。

評価の基準は、味60:ホスピタリティ20:活躍度20。受賞店には特注のゴールドの丼トロフィーが進呈される。

TRY名店部門各賞 編集

味のジャンル別に、しょう油・しお・みそ・とんこつ・MIX・にぼし・鶏白湯・つけ麺清湯・つけ麺濃厚・汁なしの10種類の部門別にランキングを発表。

各審査員が「旨い!」と評価したラーメンに上位から、1位15点、2位14点、3位13点……と投票し、その総合点で順位を決定する。なお、しょう油・しおの定番2部門に関しては、提供している店の数が他部門に比べて圧倒的に多いことから、それぞれ20点満点(満票は120点)で投票を行っている。

TRY殿堂入り 編集

TRY大賞の殿堂 編集

2017年に新設された制度。TRY大賞を4連覇した店は「TRY大賞の殿堂」入りとし、翌年以降は審査対象から外れることとなる。殿堂入りした店には、特別仕様のクリスタルのトロフィーが進呈される。

TRY名店部門の殿堂 編集

2017年に新設された制度。名店部門の各ジャンルで5連覇を達成した店は「名店部門の殿堂」入りとし、翌年以降は審査の対象にならない。殿堂入りした店には、特別仕様のクリスタルのトロフィーを進呈。

沿革 編集

  • 1997年12月、情報雑誌『TOKYO★1週間』でTRYの前身となる初めてのラーメン特集「ラーメン四天王推薦 超旨ラーメン48杯」を掲載。
  • 1998年4月、情報雑誌『TOKYO★1週間』で二回目のラーメン特集「うますぎるラーメンBEST100」を掲載。
  • 1998年8月、情報雑誌『TOKYO★1週間』誌面で史上最強のラーメンフリーク集団としてTRYの名称が誕生し、連載企画「ラーメンof the WEEK」が始まる。この時点では、TRYはT1ラーメンof the YEAR選定委員会の略称とされている。
  • 1999年12月、関連本『本当にうまい! ラーメン200店』を刊行。
  • 2000年6月、『TOKYO★1週間』6月20日号の特集企画として「TRYラーメン大賞」がスタート。
  • 2010年11月、MOOK『魂の一杯』の誌上で第11回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2011年11月、第12回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2012年11月、第13回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2013年11月、第14回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2014年11月、第15回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2015年10月、第16回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2016年10月、第17回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2017年10月、第18回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2018年10月、第19回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2019年10月、第20回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2020年10月、第21回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2021年10月、第22回TRYラーメン大賞を発表。
  • 2022年9月、書籍『TRYラーメン大賞全国版』が発売。
  • 2022年10月、第23回TRYラーメン大賞を発表。

受賞店 編集

TRY大賞 編集

  • 麺屋武蔵 新宿店 2000年、2001年
  • らーめん天神下大喜(湯島)2002年、2008年
  • なんつッ亭(渋沢)2003年、2005年 - 2007年
  • 中村屋(無期限休業)2004年
  • 六厘舎(大崎)2009年
  • 博多一風堂(恵比寿など)2010年
  • ラァメン家69'N'ROLLONE(閉店)2011年
  • 凪GROUP(渋谷など)2012年
  • 中華蕎麦とみ田(松戸)2013年 - 2015年
  • Japanese Soba Noodles 蔦(閉店)2016年
  • らぁ麺飯田商店(湯河原)2017年 - 2020年
  • ラーメン屋トイ・ボックス(三ノ輪)2021年、2022年

TRY新店大賞 編集

  • ぜんや(新宿)2000年
  • 頑者(本川越)2001年
  • 渡なべ(高田馬場)2002年
  • 西麻布五行(閉店)2003年
  • ラーメンきら星(武蔵境)2004年
  • ら~めん雫(閉店)2005年
  • ラァメン家69'N'ROLLONE(閉店)2006年
  • 麺や七彩(都立家政)2007年
  • 麺処ほん田(東十条)2008年
  • らあめん元(蓮根)2009年
  • 無鉄砲(中野)2010年
  • 自家製麺ばくばく(閉店)2011年
  • らあめんHAJIME(閉店)2012年
  • らぁ麺やまぐち(西早稲田)2013年
  • 中華そばしば田(仙川)2014年
  • 地球の中華そば(伊勢佐木長者町)2015年
  • 真鯛らーめん麺魚(錦糸町)2016年
  • 麺LABOひろ(閉店)2017年
  • Tombo(吉祥寺)2018年
  • 穴道湖しじみ中華そば琥珀(雑色)2019年
  • らぁ麺や嶋(西新宿五丁目)2020年
  • RamenFeel(日向和田)2021年
  • らーめん藁(辻堂)2022年

殿堂店 編集

TRY大賞殿堂店 編集

  • 中華蕎麦とみ田
  • らぁ麺飯田商店

名店部門殿堂店 編集

  • 麺や福一
  • ajitoism
  • 大島

歴代TRY審査員 編集

自称「日本一ラーメンを食べた男」として活動歴20年以上。
飲食店経営を中心に、ラーメン職人養成塾塾長、評論家としても活動。
  • 一柳雅彦 2000 - 2010年
ビール関連会社の元営業マンで「孤高のラーメニスト」の異名を持つ。
  • 北島秀一 2000年、2006 - 2007年、2009 - 2012年
1998年に情報誌『TOKYO★1週間』でTRY(当時はT1ラーメンof the YEAR選定委員会)を創設したメンバーの一人。
  • 大沢朋絵 2001 - 2007年
1日5杯は楽勝!? 茨城のラーメン女帝
  • 佐々木晶 2001 - 2006年
惑星科学の研究をしながら、ラーメンを食べ歩く。
  • 立石憲司 2001 - 2003年
『TVチャンピオン』(テレビ東京)の「第5回ラーメン王選手権」で優勝。
  • 山本剛志 2001 - 2004年
ラーメン王・ラーメン評論家・ライター。また「日本ラーメン検定」運営。
  • 山内直人 2014 - 2016年
高校時代は「ラーメン高校生」として活躍。
  • 青木誠 2005年 -
年間700杯前後を精力的に食べ歩く、初代ラーメン検定王。
  • レイラ 2007年 -
ベリーダンスインストラクターの傍ら、ラーメン店を食べ歩くラーメンクイーン。
  • しらす(斉藤光輝)2008年 -
2008年「しらすのラーメン日記」がYahoo!ラーメンブログ大賞を受賞。
  • 吉本匠將 2013 - 2019年
「日本一ラーメン店に長く並んだ男 ※2019年時点」として名を馳せ、精力的に食べ歩きを続ける。
  • 田中一明 2020年 -
通称「ラーメン官僚かずあっきぃ」として数多くのメディアでラーメン情報を発信。
  • 尾瀬 2020年 -
ライブドアブログ「尾瀬のラーメン手帳」管理人。
  • まろ 2020年 -
おいしい食を求めて、ランボルギーニで日本中を食べ回る美容業経営者。

ゲスト審査員 編集

  • いけ麺 2017年 -
ライブドアブログ「麺好い(めんこい)ブログ」を管理する人気ブロガー。
  • しらけん 2018年 -
ライブドアブログ「しらけんの日記」の管理人。
  • 青木健 2017 - 2018年
ラーメン業界を中心にイラストレーター・デザイナー・コラムニストとして活躍。

脚注 編集

外部リンク 編集