tcpdumpとは、コマンドライン上で利用する一般的な計算機ネットワーク調査ツールである。 tcpdumpにより、利用者はコマンドを実行した計算機がつながっているネットワーク上を流れるTCP/IPなどのパケットを横取って、表示させることが出来る。 このプログラムは開発当時にローレンス・バークリー研究所ネットワーク研究グループに所属していたバン・ジェイコブソン、Craig Leres、Steven McCanneによって書かれた。

tcpdump
tcpdump console output
tcpdump console output
開発元 The Tcpdump team
最新版
4.99.0 / 2020年12月30日 (3年前) (2020-12-30)[1]
リポジトリ ウィキデータを編集
対応OS Linux, Solaris, FreeBSD, NetBSD, OpenBSD, macOS, Android, and additional *NIX systems, Windows
種別 LANアナライザ
ライセンス BSDライセンス[2]
公式サイト www.tcpdump.org
テンプレートを表示

tcpdumpはほとんどのUnix系オペレーティングシステム上で動作する。 たとえば、BSD系UnixSolarisLinuxHP-UXAIXmacOSなどで動作する。 これらのシステムでは、tcpdumpはpcapライブラリ上に構築されている。

Windowsにも、WinDumpというソフトウェアがある。 これは、tcpdumpをWindows上で動くようにしたものである。

Unix系オペレーティングシステムやその他の多くのオペレーティングシステムでは、 tcpdumpを使うにはスーパーユーザーになる必要がある。 なぜなら、tcpdumpはプロミスキャス・モードを利用するからである。 -Z オプションを使うことで、キャプチャをセットアップした後でスーパーユーザー権限を破棄することができる。 また別のUnix系オペレーティングシステムではスーパーユーザー権限なしでパケットキャプチャのメカニズムを利用できるように設定できる。

tcpdumpを使うときには、 いくつかのフィルターを出力に適応して見ることが出来る。 こうすることで、大量の通信が行われているようなネットワークでもより簡単にパケットの調査をすることができるようになる。

tcpdumpの主な利用目的

編集
  • ネットワーク通信を行うプログラムのデバッグを行うため。
  • ネットワーク設定の確認のため。具体的には、必要なルーティングが正確に行われているかを調べ、問題を特定するのに使うことができる。
  • 他の利用者や計算機の通信を横取り、表示するため。telnetHTTPのようなプロトコルはネットワークに平文で情報を流すため、ルーターゲートウェイの管理者はtcpdumpを用いてログインIDやパスワード、URLなどの様々な情報を得ることが出来る。

参考

編集
  • WiresharkとはGUIのフロントエンドを持った同様のツールであり、様々なフォーマット、ソート、表示方法に対応している
  • tsharkはWiresharkのCLIフロントエンドである
  • EtherealはWiresharkの元になったプログラムである
  • snoopSolaris上で利用できる同様のプログラムである
  • LANアナライザ

脚注

編集
  1. ^ tcpdump and libpcap latest release”. tcpdump & libpcap. 2021年1月5日閲覧。
  2. ^ tcpdump and libpcap license”. tcpdump & libpcap. 2012年4月13日閲覧。

外部リンク

編集