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原始宗教と古代天皇制における祭政一致について編集、出典を追加しておきました。
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構成を変更。以前の記述は原始宗教の記述から、アニミズムから祭政一致につなげ、そこから天皇や日本における祭政一致の記述につなげているが、原始宗教の出典とされるところに日本の明治以後やその直前の記述はなく、さらに祭政一致の記述にもアニミズムを取り立てて書いているわけでもない。私が言っていることは陰謀論でもなんでもない。
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多くの日本国民が[[仏教]]と神道の習慣と信仰を両立させているように、皇室も神道の祭祀と仏教の行事をともに行っていた。他方で、『貞観儀式』『儀式』などの規定によって、大嘗祭の期間は中央及び五畿の官吏が仏事を行うことが禁じられ、中祀および内裏の斎戒を伴う小祀には、僧尼の代理への参内を禁じ、内裏の仏事が禁じられたほか、平安時代中期以降には、新嘗祭、月次祭、神嘗祭などの天皇自らが斎戒を行う祭においては、斎戒の期間中内裏の仏事をやめ、官人も仏法を忌避することとなるなど、神道儀礼と仏教儀礼は、朝廷においては明確に区分されていた<ref name="佐藤眞人「神道と仏教」『神道事典』弘文堂(1999),24-26p">佐藤眞人「神道と仏教」『神道事典』弘文堂(1999),24-26p</ref>。朝廷の復権を志向した[[光格天皇]]以降は、朝廷の儀礼における神道の要素が高まった。[[明治天皇]]の代で行われた神仏分離や神道国教化に伴い、仏教と皇室の直接的な関係は薄れたが、皇室菩提寺であった[[泉涌寺]]と宮内省の特別な関係は日本国憲法施行時まで続いた{{要出典|date=2020年10月}}。
 
原始・未開社会の宗教の超自然観はアニミズム的であり、霊的存在に対して[[呪術]]的にかかわる。特定の開祖がなく、儀礼が公的に行われる。法・政治・経済・道徳・慣習などと密接にかかわり、[[祭政一致]]し、祭と経済的活動が同一の場で行われ、[[タブー]](禁忌)が法的または道徳的観念・行動と重なる{{sfn|小学館|2021b|p=「原始宗教」}}{{sfn|小学館|2021c|p=「原始宗教」}}。祭政一致は主として古代天皇制の文脈において言及されてきた{{sfn|平凡社|2021d|p=「祭政一致」}}。古代天皇制国家の形成において[[大嘗祭]]の祭式と密接に結びついて成立した王権神話に象徴されるように、政治主権者は原始・未開社会に遡り宗教祭祀者の機能とは未分化であり{{sfn|平凡社|2021d|p=「祭政一致」}}{{sfn|平凡社|2021c|p=「祭政一致」}}、天皇家が諸部族の首長の祭祀権、祖神とその神話を血縁的系譜関係の神話的設定を通して奪い取り政治的統合を実現した{{sfn|平凡社|2021d|p=「祭政一致」}}。原始・古代社会では風雨雷地震などの自然現象、狩猟・農耕の収穫にいたるまですべて神意と考えられていたが、この思想は古代天皇制国家統一の支柱となり、[[律令制]]において[[神祇官]]を設置、中世の神道思想から[[江戸時代]]の[[国学]]へと受け継がれ、[[明治維新]]以後は神道国家観によって天皇の「まつりごと」を強調する傾向が生じ、[[昭和]]に入ると天皇を[[現人神]]とするようになった{{sfn|ブリタニカ・ジャパン|2021f|p=「祭政一致」}}。
 
[[明治維新]]後の新政府は「[[太政官布達]]」で[[王政復古]]・祭政一致し[[神祇官]]を再興すると布告した<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787948/80 明治元年太政官布告第153] 『法令全書. 慶応3年』 p.63、内閣官報局(国立国会図書館)</ref><ref>「此度王政復古,神武創業ノ始ニ被為基,諸事御一新,祭政一致之御制度ニ御復被遊候ニ付テハ,先第一神祇官御再興御造立ノ上……(後略)」[[安丸良夫]]・[[宮地正人]]編『日本近代思想大系5 宗教と国家』425ページ</ref>。日本でも[[巫]]更に明治3年告げる[[神託大教宣布]]が政治的な権威をもった[<ref>『[ヤマト王権]]https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1110074/38 歴代統治体制に遡ることができる{{sfn|山上|1989|pages=84-100}}。詔勅]』 p.66
河野省三 内閣印刷局、1940年(国立国会図書館)</ref>で「惟神の大道」を教化する事になった。
 
== アニミズムと神道 ==
{{See Also|アニミズム|トーテミズム|祭政一致}}
八百万の神々を信仰対象とする神道は、すべてのものが精神的な性質(人格があるか、擬人化された魂、霊等)を持つと信じる[[アニミズム]]の特徴を保持してきたと考えられている{{sfnm|1a1=Nelson|1y=1996|1p=7|2a1=Picken|2y=2011|2p=40}}。動植物やその他の事物に人格的な霊魂、霊神が宿るとするアニミズムは、非人格的な超常現象、超自然的な呪力を崇拝する[[マナ]]イズム(呪力崇拝)とは区別される{{sfn|ブリタニカ・ジャパン|2021d|p=「自然崇拝」}}{{sfn|ブリタニカ・ジャパン|2021e|p=「精霊崇拝」}}。[[アニミズム]]はすべてのものに魂があると主張するのに対し、物活論はすべてのものが生きていると主張する。<ref name="Skrbina-2005">Skrbina, David. (2005). ''Panpsychism in the West''. MIT Press. {{ISBN|0-262-19522-4}}</ref>{{rp|149}}<ref>Carus, Paul. (1893). "Panpsychism and Panbiotism." ''[[The Monist]]''. Vol. 3, No. 2. pp. 234–257. {{JSTOR|27897062}}</ref>
 
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未開社会において特定の氏族、部族が自然現象・自然物や動植物と超自然的関係で結ばれることをトーテムと呼ぶ{{sfn|平凡社|2021a|p=「トーテム」}}。[[南方熊楠]]は、[[大物主]]を[[蛇]]トーテムとした<ref>南方熊楠 『南方熊楠全集』第2巻 119頁</ref>。
 
原始・未開社会の宗教の超自然観はアニミズム的であり、霊的存在に対して[[呪術]]的にかかわる。特定の開祖がなく、儀礼が公的に行われる。法・政治・経済・道徳・慣習などと密接にかかわり、[[祭政一致]]し、祭と経済的活動が同一の場で行われ、[[タブー]](禁忌)が法的または道徳的観念・行動と重なる{{sfn|小学館|2021b|p=「原始宗教」}}{{sfn|小学館|2021c|p=「原始宗教」}}。祭政一致は主として古代天皇制の文脈において言及されてきた{{sfn|平凡社|2021d|p=「祭政一致」}}。古代天皇制国家の形成において[[大嘗祭]]の祭式と密接に結びついて成立した王権神話に象徴されるように、政治主権者は原始・未開社会に遡り宗教祭祀者の機能とは未分化であり{{sfn|平凡社|2021d|p=「祭政一致」}}{{sfn|平凡社|2021c|p=「祭政一致」}}、天皇家が諸部族の首長の祭祀権、祖神とその神話を血縁的系譜関係の神話的設定を通して奪い取り政治的統合を実現した{{sfn|平凡社|2021d|p=「祭政一致」}}。原始・古代社会では風雨雷地震などの自然現象、狩猟・農耕の収穫にいたるまですべて神意と考えられていたが、この思想は古代天皇制国家統一の支柱となり、[[律令制]]において[[神祇官]]を設置、中世の神道思想から[[江戸時代]]の[[国学]]へと受け継がれ、[[明治維新]]以後は神道国家観によって天皇の「まつりごと」を強調する傾向が生じ、[[昭和]]に入ると天皇を[[現人神]]とするようになった{{sfn|ブリタニカ・ジャパン|2021f|p=「祭政一致」}}。
 
[[明治維新]]後の新政府は「[[太政官布達]]」で祭政一致し[[神祇官]]を再興すると布告した<ref>「此度王政復古,神武創業ノ始ニ被為基,諸事御一新,祭政一致之御制度ニ御復被遊候ニ付テハ,先第一神祇官御再興御造立ノ上……(後略)」[[安丸良夫]]・[[宮地正人]]編『日本近代思想大系5 宗教と国家』425ページ</ref>。日本でも[[巫]]の告げる[[神託]]が政治的な権威をもった[[ヤマト王権]]の統治体制に遡ることができる{{sfn|山上|1989|pages=84-100}}。
 
== シャーマニズムと神道 ==