アントニオ・ルッソロ(Antonio Russolo, 1877年 - 1942年)は、イタリア未来派作曲家。より著名な画家・作曲家・音楽理論家ルイージの兄。アントニオが1921年に作成した録音は、現存する数少ないイントナルモーリの音源となっている。アントニオの《コラールとセレナータ》(Corale - Serenata)は、伝統的な管弦楽曲ではあるが、複数の騒音楽器を伴奏に使っている。

来歴

編集
 
イントナルモーリと管弦楽による演奏風景

ルッソロの父親は、ピアノやオルガンの調律師だった。父親を通して音楽を習ったルッソロは、兄のジョバンニとともに、ミラノ音楽院の試験に合格した[1]1913年から1920年代にかけて、一連のイントナルモーリを製作。そのうち1つを用いた最初の演奏会を、1913年にミラノで行なった結果、敵意に満ちた反撥を惹き起こした。 その後の試作品は、ラヴェルヴァレーズストラヴィンスキーミヨーらの共感を誘った[2]

イントナルモーリの響きについては、ルッソロが以下の6つのカテゴリーに分けている。即ち、

  • 轟音、爆発音、衝突音、破砕音(炸裂音)、衝撃音(破裂音)
  • 口笛、ヒス、鼻息
  • 囁き、呟き、口篭り、ぼやき
  • キーキー音、ガタガタ音、衣擦れの音、ブンブン音、ポキっと折れる音、軋み
  • 鋼鉄、木材、皮、石材、石膏を打つことによって得られる雑音
  • 金切り声、絶叫、呻き声、悲鳴、怒号、笑い声、喘ぎ声、啜り泣き

音源

編集

脚注

編集
  1. ^ Chessa, Luciano (2012). Luigi Russolo, Futurist: Noise, Visual Arts, and the Occult. Berkeley, CA: University of California Press. pp. 75. ISBN 978-0-520-27063-3 
  2. ^ The Ultimate Encyclopedia of Musical Instruments, ISBN 1-85868-185-5, p144

関連項目

編集