アクロス多摩境(アクロスたまさかい、ACROSS Tamasakai)は、かつて東京都町田市に存在したショッピングセンター[1]大和ハウスグループ大和情報サービス株式会社(当時、現:大和ハウスリアルティマネジメント)が運営するショッピングセンター「アクロス」のひとつで、京王相模原線多摩境駅西口に位置していた[1]。閉鎖後に建物は解体されて現存しない[2][3]

アクロス多摩境
ACROSS Tamasakai
店舗概要
所在地 194-0215
東京都町田市小山ヶ丘2丁目・4丁目・5丁目[1]
(住所は店舗により異なる)[1]
開業日 1999年平成11年)12月[1]
閉業日 2012年(平成24年)3月[2]
後身 高層マンションコンビニエンスストア飲食店など
最寄駅 多摩境駅
最寄バス停 多摩境駅(西口バスロータリー)
最寄IC 鑓水IC・相原IC
Daiwa House
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概要 編集

「ショッピングタウン・アクロス多摩境」として、敷地内にそれぞれの店舗が別棟として立地するオープンモール形式を採っていた[1]。そのため各店舗により住所は異なり、町田市小山ヶ丘2丁目・4丁目・5丁目にまたがっていた[1]。敷地南側と北側は多摩ニュータウン通りで分断されていたため、歩道橋「アクロス連絡橋」が架けられていたが、施設解体に伴い連絡橋も解体された[3]

施設開業から閉鎖まで(1999年 - 2012年) 編集

多摩境駅周辺は、多摩ニュータウンでは最も新しく開発された地域であるが、1991年平成3年)の駅開業時には駅前には大規模商業施設はなかった。その後、1999年(平成11年)12月にアクロス多摩境が開業した[1]

アクロス多摩境には、オートバックスAGスクエアアカチャンホンポ、地元町田市の書店久美堂」、マツモトキヨシチヨダが運営する靴店「シュープラザ」などが出店していた[1]

2000年(平成12年)1月には、神奈川県相模原市本社を置く家電量販店ノジマが出店し、多摩境店を開店[1]。同年2月には、東京都八王子市に本社を置く食品スーパースーパーアルプスが出店し、多摩境店(21号店)を開店した[1][4]

さらに2001年(平成13年)9月には、ファミリーレストランジョイフル」町田多摩境店がオープンした[1][3]

しかし2005年(平成17年)7月には、スーパーアルプス多摩境店が、自社経営のショッピングセンター「コピオ多摩境」(小山ヶ丘4丁目5-2)へ移転した[4]。翌2006年(平成18年)10月にはノジマも閉店し、同年11月に大和ハウスグループが八王子みなみ野駅前(みなみ野シティ)に開業したショッピングセンター「アクロスモール八王子みなみ野」へ移転した[1](ノジマ八王子みなみ野店として現存[5])。

さらに2007年(平成19年)1月28日にはマツモトキヨシが[注釈 1]、同年2月13日にはシュープラザが閉店[1]。アクロス多摩境開業直後に出店していたテナントの多くが撤退するという事態となった[1]

大和ハウスグループでは2011年(平成23年)、翌2012年(平成24年)3月をもって用地の借地契約期間が満了することから、借地契約を更新せずアクロス多摩境を閉鎖する方針としたため、残りのテナントも2011年から2012年にかけて順次撤退した[1]

開業時からのテナントも順次閉店し、同年2月にはオートバックスが移転(小山ヶ丘2丁目3-4、オートバックス多摩境店として現存[6])する形で閉店[1]。同年10月にはAGスクエア多摩境店、11月にはアカチャンホンポ多摩境店と久美堂多摩境店が相次いで閉店した[1]。また、スーパーアルプスの跡地に出店した会員制キッズパーク「アメイジングワールド」も同年10月に閉店している[1]

同年11月時点では、ヤマハ音楽教室スガナミ楽器 多摩境センター、ジョイフル町田多摩境店の2つのテナントが残存していた[3][2]。しかし同年12月26日をもってジョイフルが閉店、これによりジョイフルは町田市から撤退した[3]

施設閉鎖後の跡地利用(2012年 - ) 編集

 
アクロス多摩境跡地に建設された大型マンション群

ヤマハ音楽教室以外のテナントが撤去してから、空きテナントとなった施設の解体が順次開始され、2012年(平成24年)1月には「アクロス連絡橋」も撤去された[3]。最後まで残っていたヤマハ音楽教室も借地契約満了に伴い、同年3月にイトーヨーカドー南大沢店の店舗に統合される形で移転し、すべてのテナントが撤退完了した[2]。その後にアクロス多摩境の建物はすべて解体されて更地となった[2][3][7]

駅前の好立地ということもあり、2012年5月にはジョイフル跡地にファミリーマート町田多摩境店(小山ヶ丘5丁目1-4)が開店[7]、12月には久美堂跡地に西松屋町田多摩境店(小山ヶ丘5丁目1-1)が開店した[8]。またその他の店舗跡地にも飲食店などが出店したり[9]マンションが続々と建設されるなどして[10]、跡地の再利用が進んでいった。

周辺での動き 編集

駅前では施設閉鎖以降、食品スーパーやドラッグストアといった業態が長らく進出することはなかったが、2022年令和4年)5月12日京王グループは「中期3カ年経営計画(22-24年度)」を策定。京王沿線での大規模再開発に加え、鉄道駅を核とした拠点開発、沿線のエリアマネジメントなど、魅力的な「まちづくり」に注力する方針を示した[11]

これに基づき、京王電鉄は「多摩境駅前開発計画」を発表し、旧アクロス多摩境とは反対側の駅東口の空き地(小山ヶ丘3丁目22)で複合商業施設(地上5階建て)の建設に2023年(令和5年)6月から着手し[11]、同年12月に「京王多摩境駅前ビル」として京王ストアスギ薬局などが入居する商業施設がオープンした[12]。翌2024年(令和6年)1月には富澤商店が同施設に本社・倉庫を移転した[13]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ なおマツモトキヨシは、2007年7月19日に開業した「MrMax多摩境ショッピングセンター」(小山ヶ丘6丁目1-10)へ再出店した[1]

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t アクロス多摩境の「久美堂」と「アカチャンホンポ」が、11/6(土)閉店 東京都町田市の地域情報サイト 変わりゆく町田の街並み、2011年11月15日、2022年9月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e アクロス多摩境、最後まで残った「ヤマハ音楽教室」も3月初旬で撤退へ 東京都町田市の地域情報サイト 変わりゆく町田の街並み、2012年2月17日、2022年9月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g ファミレス「ジョイフル町田多摩境店」も閉店し、アクロスの施設解体が進む 東京都町田市の地域情報サイト 変わりゆく町田の街並み、2012年1月2日、2022年9月10日閲覧。
  4. ^ a b 会社概要 スーパーアルプス、2022年9月10日閲覧。
  5. ^ ノジマ 八王子みなみ野店 ノジマ、2022年9月10日閲覧。
  6. ^ 多摩境店 オートバックス、2022年9月10日閲覧。
  7. ^ a b ジョイフル跡地に「ファミリーマート 町田多摩境店」5/11open! 東京都町田市の地域情報サイト 変わりゆく町田の街並み、2012年5月6日、2022年9月10日閲覧。
  8. ^ 久美堂多摩境店跡地に、ベビー用品店「西松屋」が出店決定! 東京都町田市の地域情報サイト 変わりゆく町田の街並み、2012年12月17日、2022年9月10日閲覧。
  9. ^ 「アカチャンホンポ多摩境店」駐車場跡地に、飲食店2店舗出店! 東京都町田市の地域情報サイト 変わりゆく町田の街並み、2012年5月11日、2022年9月10日閲覧。
  10. ^ アカチャンホンポ多摩境店跡地に、高層マンションが2014年春完成へ 東京都町田市の地域情報サイト 変わりゆく町田の街並み、2012年10月29日、2022年9月10日閲覧。
  11. ^ a b 多摩境駅前に複合施設/設計施工奥村組/23年末完成目指す/京王電鉄 建設通信新聞、2022年7月5日付4面、2022年9月10日閲覧。
  12. ^ 京王多摩境駅前ビル 2023年12月6日開業!! 京王電鉄、2023年11月29日付、2023年12月6日閲覧。
  13. ^ 富澤商店事業拡大に伴い、本社機能及び倉庫・物流拠点を「京王多摩境駅前ビル」へ移転 株式会社富澤商店、2023年10月13日付、2023年12月6日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集