アダム・ウォーカー

アメリカ合衆国のプロ野球選手

アダム・ブレット・ウォーカー2世(Adam Brett Walker II、1991年10月18日 - )は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。福岡ソフトバンクホークス所属。

アダム・ウォーカー
Adam Walker
福岡ソフトバンクホークス #28
2024年3月29日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ウィスコンシン州ミルウォーキー
生年月日 (1991-10-18) 1991年10月18日(32歳)
身長
体重
196 cm
104 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2012年 MLBドラフト3巡目(全体97位)
初出場 NPB / 2022年3月26日
年俸 1億円(2024年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入りとツインズ傘下時代 編集

2012年MLBドラフト3巡目(全体97位)でミネソタ・ツインズから指名されプロ入り[1]

2013年はA級シーダーラピッズ・カーネルズで27本塁打、2014年はA+級フォートマイヤーズ・ミラクルで25本塁打を記録した[1]

2015年はAA級チャタヌーガ・ルックアウツで31本塁打と、長距離打者として更に結果を残し、11月20日にルール・ファイブ・ドラフトでの流出を防ぐために40人枠入りした[1]

2016年はAAA級ロチェスター・レッドウイングスで132試合に出場し、打率.243、27本塁打、75打点を記録した[1]

ブレーブス傘下時代 編集

2016年オフの11月18日にウェイバー公示を経てミルウォーキー・ブルワーズへ移籍したが、28日にDFAとなり、12月2日にウェイバー公示を経てボルチモア・オリオールズへ移籍したが、2017年1月20日に再びDFAとなり、26日にウェイバー公示を経てアトランタ・ブレーブスへ移籍した[1]

2017年5月9日に自由契約となった[1]

オリオールズ傘下時代 編集

2017年6月10日にオリオールズとマイナー契約を結んだが、7月23日に自由契約となった[1]

レッズ傘下時代 編集

2017年8月4日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結んだ[1]。オフの11月6日にFAとなった[1]。2017年はマイナー5球団(AA級、AAA級)合計で79試合に出場して、打率.190、15本塁打、46打点という成績だった[1]

アメリカン・アソシエーション時代 編集

2018年アメリカン・アソシエーションカンザスシティ・ティーボーンズで開幕を迎え、3試合に出場した[2]

ナショナルズ傘下時代 編集

2018年5月23日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ[1]。傘下AA級ハリスバーグ・セネターズで41試合に出場して、打率.200、4本塁打、17打点という成績だった[1]。オフの11月2日にFAとなった[1]

アメリカン・アソシエーション復帰 編集

2019年にアメリカン・アソシエーションのミルウォーキー・ミルクメンと契約した。この年は98試合に出場して22本塁打を放った。

2020年新型コロナウイルスの影響で短縮シーズンとなったが、57試合で22本塁打を放って本塁打王を獲得し[3]、シーズンMVPを受賞した[4]

2021年は100試合に出場して、打率.320、リーグ新記録となる33本塁打、101打点、24盗塁の成績を残し、2年連続で本塁打王とシーズンMVPを獲得した[5][6]。またMLBと業務提携を結ぶMLBパートナーリーグ英語版として活動する4つの独立リーグ全体のMVPにも選出された[7]

巨人時代 編集

2021年12月15日に読売ジャイアンツと契約した[8][9]。登録名はアダム・ウォーカー、背番号は44で、推定年俸は30万ドル(約3400万円)[10]

直近の所属がアメリカ独立リーグで尚且つ外野手であったため当時の守備力を見極めるための映像資料はほとんどなく、球団は事前にウォーカーの守備力が分からなかったという話もある[11]

 
巨人時代
(2022年5月5日 マツダスタジアム

2022年は、規定打席不足ながら打率.271、23本塁打、52打点と上々の成績を残し、岡本和真(30本、リーグ2位)、丸佳浩(27本、リーグ3位)中田翔(24本)、グレゴリー・ポランコ(24本)と20本塁打以上を5人輩出、2007年以来15年ぶりの記録となった[12]。その一方でその拙守からシーズン中は中盤に早々と守備固めに交代させられる試合もあり[11]、外野手リーグワーストとなる5失策と守備に課題を残した。そのため、アメリカへの帰国を遅らせる形で秋季キャンプに参加した。東京ドームで侍ジャパンとの強化試合で唯一の外国人選手として出場、與座海人から本塁打を放った。シーズンオフに大幅アップとなる推定年俸1億円で新たに2年契約を結んだ[13]

2023年の開幕は二軍スタートとなった。二軍でも打率1割台であったがチームの打力をテコ入れするため4月14日に一軍昇格した[14]。4月16日の中日戦に先発出場すると、第1打席で左中間に本塁打を記録した[14]。その後はルイス・ブリンソンと併用されたために出場機会を減らし[15][16]、57試合出場、打率.263、6本塁打、20打点と前年の記録を下回った[17]

ソフトバンク時代 編集

2023年11月6日に高橋礼泉圭輔との交換トレードで福岡ソフトバンクホークスに移籍することが発表された[18][19]。背番号は28

選手としての特徴・人物 編集

2013年から2016年まで4年連続で25本塁打以上を記録するなど、2018年までのマイナー通算で143本塁打を放ち[1]、独立リーグでも本塁打王に輝いている長距離砲。一方、三振率が非常に高く、2016年には2.37打数に1回(42.3%)となる202三振を喫するなど[1]、2016年から2018年までの3年連続で35.0%を超えている[20]

父のアダム・ウォーカー・シニア英語版は1987年にNFLミネソタ・バイキングスに所属した元プロアメリカンフットボール選手(RB)であり[21]、いとこにデトロイト・タイガースなどで活躍しMLB通算1386安打を放った元プロ野球選手のダミオン・イーズリーがいる[22]

独立リーグ時代の2019年にドレッドヘアにしたことでMVPを2回取ったために験担ぎでドレッドヘアを維持していたという[23][24]。長髪禁止とされる巨人時代もドレッドヘアを維持していた[23][25]。ソフトバンク移籍にあたり、「リセットする意味」でドレッドヘアをやめ短髪にした[26]。また巨人では禁止されていた髭を生やし外観は大きく変わっている。

来日当初から守備力、特に送球が課題とされており[27][28][29]、指名打者制を採用するパシフィック・リーグに所属するソフトバンクへの移籍は大きなメリットと考えられている[16]。ソフトバンクのチームメイトである柳田悠岐も「ウォーカーも来るので守備も増えると思う」と話している[30]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2022 巨人 124 428 406 58 110 28 1 23 209 52 5 0 0 1 18 1 3 98 11 .271 .306 .515 .821
2023 57 120 118 15 31 4 2 6 57 20 1 1 0 0 2 0 0 39 1 .263 .275 .483 .758
NPB:2年 181 548 524 73 141 32 3 29 266 72 6 1 0 1 20 1 3 137 12 .269 .299 .508 .807
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績 編集



外野












2022 巨人 96 130 3 5 1 .964
2023 22 33 0 0 0 1.000
NPB 118 163 3 5 1 .971
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最多

タイトル 編集

アメリカン・アソシエーション
  • 本塁打王:2回(2020年、2021年)

表彰 編集

アメリカン・アソシエーション
  • シーズンMVP:2回(2020年、2021年)

記録 編集

NPB 編集

初記録
その他の記録

背番号 編集

  • 44(2022年 - 2023年)
  • 28(2024年 - )

登場曲 編集

  • 「NARUTO OST Main Theme(Trap Remix)」Drop the Bassline(2022年)
  • 「departure!」小野正利(2022年途中)
  • 「Gurenge(Demon Slayer)[Remix]」NSZX(2022年途中)
  • 「Tokyo Heat」C.H.A.Y.(2023年 - )
  • 「Just Wanna Rock(Josh Bracy Mix)」Lil Uzi Vert(2023年 - )
  • 「冥土の鈴か、地獄花」平尾昌晃(2023年 - )

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o MLB公式プロフィール参照。2022年4月24日閲覧。
  2. ^ 2018 Kansas City T-Bones Statistics」(英語)、Baseball-Reference.com。2022年4月30日閲覧
  3. ^ 2020 American Association Batting Leaders」(英語)、Baseball-Reference.com。2021年12月30日閲覧
  4. ^ ADAM BRETT WALKER II NAMED AMERICAN ASSOCIATION PLAYER OF THE YEAR」『www.milwaukeemilkmen.com』(英語)。2021年12月15日閲覧
  5. ^ 2021 American Association Batting Leaders」(英語)、Baseball-Reference.com。2021年12月30日閲覧
  6. ^ 巨人が米独立リーグ2年連続MVPの右の大砲、アダム・ウォーカー外野手を獲得」『スポニチ Sponichi Annex』2021年12月15日。2021年12月15日閲覧
  7. ^ J.J. Cooper「Adam Brett Walker Named 2021 MLB Partner Leagues Player Of The Year」(英語)、Baseball America、2021年11月29日。2021年12月30日閲覧
  8. ^ 巨人が米独立Lで2年連続MVPウォーカーと契約合意 右打ちの大型外野手」『日刊スポーツ』2021年12月14日。2021年12月15日閲覧
  9. ^ 新外国人選手との契約合意について」『読売巨人軍公式サイト』2021年12月15日。2021年12月15日閲覧
  10. ^ 2年連続V逸の巨人 20本塁打クインテット誕生も、「得点力が上がらない理由」は」週刊ベースボールONLINE、2022年9月22日。2023年4月4日閲覧
  11. ^ a b 【野球】拙守続きのポランコ、ウォーカーの存在 巨人助っ人獲得に微妙な影を落とすのか」『デイリースポーツ』2022年5月13日。2024年5月3日閲覧
  12. ^ 2年連続V逸の巨人 20本塁打クインテット誕生も、「得点力が上がらない理由」は」週刊ベースボールONLINE、2022年9月22日。2023年4月13日閲覧
  13. ^ 【巨人】ウォーカー、年俸1億円の2年契約結んでいた 昨年は3400万円…まさにジャパニーズドリーム」『スポーツ報知』2023年1月30日。2023年1月30日閲覧
  14. ^ a b 巨人ウォーカー「頑張るよ」 今季初スタメン第1打席で即、反撃2ラン 原監督の起用に応える」『スポーツニッポン』2023年4月16日。2024年1月30日閲覧
  15. ^ 【巨人2023ストーブリーグ考察】「現役ドラフト」で馬場皐輔を獲得、「巨人ブランドの現在地」を象徴する中田翔の中日移籍」『BASEBALL KING』2023年12月15日。2024年1月30日閲覧
  16. ^ a b 巨人から電撃移籍の助っ人が"切り札"に V奪回へ…泣きどころを埋める大砲」『Full-Count』2024年2月2日。2024年2月17日閲覧
  17. ^ ソフトバンクに移籍のウォーカー ロッテ・ポランコのような打撃を披露できるか?」『BASEBALL KING』2024年1月3日。2024年1月30日閲覧
  18. ^ 読売ジャイアンツとの交換トレードについて」『福岡ソフトバンクホークス』2023年11月6日。2023年11月6日閲覧
  19. ^ 【巨人】ソフトバンクとのトレード正式発表 背番号は高橋礼28、泉63 ウォーカー「これからも頑張ります」」『スポーツ報知』2023年11月6日。2023年11月6日閲覧
  20. ^ 宇根夏樹「読売に入団したウォーカーはNPBでも打てるのか。2021年は独立リーグで打率.320と33本塁打」『Yahoo!ニュース個人』2021年12月15日。2021年12月30日閲覧
  21. ^ Adam Walker Stats」(英語)、Pro-Football-Reference.com。2021年12月30日閲覧
  22. ^ 【巨人】新助っ人・ウォーカー、父は元NFL選手、いとこは大リーガー「日本でプレーすることは夢でした」スポーツ報知、2021年12月16日。2021年12月30日閲覧
  23. ^ a b 巨人・ウォーカーの髪形にG戦士クギ付け「すげえ」「俺もやってみたい」」『東スポWEB』2022年3月8日。2024年1月30日閲覧
  24. ^ 【こんな人】ソフトバンク移籍の巨人ウォーカーはアニメ、日本食を愛する助っ人 夢は富士登山」『日刊スポーツ』2023年11月6日。2024年1月30日閲覧
  25. ^ アダム・ウォーカーの髪型とヘアバンドがもたらす今季のジャイアンツへの影響」『文春オンライン』2022年7月23日。2024年1月30日閲覧
  26. ^ 鷹ウォーカーが衝撃のイメチェン ドレッドヘア→超短髪で入団会見「リセット」」『Full-Count』2024年1月30日。2024年1月30日閲覧
  27. ^ 5連敗の巨人「頭が痛い」ウォーカーの守備「一歩目が遅く肩も弱い」評論家の視点」『デイリースポーツ』。2024年2月17日閲覧
  28. ^ 大活躍の格安“巨人・助っ人” 守備に課題の残るウォーカーを原監督が重用する理由 | ショウアップナイター」『BASEBALL KING』2022年6月24日。2024年2月17日閲覧
  29. ^ ソフトバンク「大丈夫?」と不安になったウォーカーの守備力以上に懸念されること」『西日本スポーツ』2024年2月6日。2024年2月17日閲覧
  30. ^ 【ソフトバンク】柳田悠岐 攻守でフル回転誓う「ウォーカーも来るので守備も増える」」『東スポWEB』2023年12月9日。2024年2月17日閲覧
  31. ^ 【巨人】新外国人ウォーカー初打席初安打初打点デビュー 代打で登場しフェンス直撃の適時二塁打」日刊スポーツ、2022年3月26日。2022年4月17日閲覧
  32. ^ 【巨人】新外国人ウォーカー特大の来日初アーチ、丸らとともに「丸ポーズ」を披露して喜ぶ」日刊スポーツ、2022年4月17日。2022年4月17日閲覧

関連項目 編集

外部リンク 編集