アルファロメオ・147(Alfa Romeo 147)は、イタリアの自動車会社アルファロメオ2000年から2010年にかけて製造、販売したハッチバック型の乗用車である。

アルファロメオ・147
AP1/2型
Alfa Romeo 147(後期型)
Alfa Romeo 147(前期型)
1.6L ツインスパークエンジン
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
パワートレイン
エンジン 1.6L I4 ツインスパークエンジン
2.0L I4 ツインスパークエンジン
3.2L V6
最高出力 100 - 150 PS
GTA: 250 PS @ 6,200 rpm
最大トルク 140 - 330 N·m
GTA: 300 N·m @ 4,800 rpm
変速機 5速MT/5速セミAT/6MT(GTA)
サスペンション
ダブルウィッシュボーン
マクファーソンストラット
車両寸法
ホイールベース 2,546 mm
全長 4,223 mm
GTA: 4,200 mm
全幅 1,729 mm
GTA: 1,765 mm
全高 1,442 mm
車両重量 1,200–1,360 kg
系譜
先代 145/146
後継 3代目ジュリエッタ
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アルファロメオ・147, リア

概要 編集

145/146の後継車種で、2000年モンディアル・ド・ロトモビルでデビューし、2001年ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。スタイリングは当時アルファロメオ・デザインセンターに在籍していたワルテル・デ・シルヴァアンドレアス・ザパティナスヴォルフガング・エッガーの共同作業による。2004年に行なわれたフェイスリフトジョルジェット・ジウジアーロが担当し、ヘッドライト、テールライト、フロントグリルの意匠を大きく変更、内装アップグレードの他、新型ディーゼルエンジン追加、サスペンション改良なども行なわれた。2010年に後継車種のジュリエッタが発表された。

エンジンは全て直列4気筒で、ガソリンが4種類、ディーゼルは6種類が展開された。駆動方式は、全グレードFFである。 トランスミッションは、5速マニュアルの他「セレスピード」と呼ばれるセミオートマチックトランスミッションも用意され、156で初めて採用されたセレスピードは、その後、細部の改良が進み格段に故障が少なくなったばかりか、変速時のタイムラグも若干ながら改善された。またステアリングの表側に設置されていた変速ボタンは、ステアリングホイール裏側のコラムにパドルの形で移設された。

サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン、リヤにマクファーソンストラットを採用し、前後ともにコイルばねである。

因みに前期型のテールランプはASL・ガライヤに流用されている。

ボディサイズ 編集

  • 全長4,170 mm×全幅1,730 mm×全高1,420 mm、ホイールベース2,545 mm。
  • フェイスリフト後は、全長4,225 mm×全幅1,730 mm×全高1450 mm、ホイールベース2,545 mm。
  • GTAは、全長4,200 mm×全幅1,765 mm×全高1,460 mm、ホイールベース2,545 mm。

日本での販売 編集

日本では2001年10月から「フィアットオートジャパン株式会社」が輸入を開始。「2002年度インポートカーオブザイヤー」や「2002-2003グッドデザイン賞」を受賞している。2007年に輸入元の社名変更に伴い「フィアットグループオートモービルズジャパン株式会社」となる。

6エアバッグや高級オーディオ、各種の走行安全装置を搭載することから価格は200万円台後半~400万円台後半となり、コンパクトカーとしては非常に高価な部類になる。しかし、各社も追随して同様の車種を販売していることから、プレミアムコンパクトという乗用車の中のカテゴリーを築くことに貢献したと言える。

日本に導入されたのは下記のガソリンエンジンのみで、ディーゼルエンジンの輸入はなかった。

  • 1.6TSは1,600ccの直列4気筒ツインスパークエンジンを搭載した、下位グレードである。2.0TSから一部の安全装置と、BOSE製のサラウンドシステムを省略したものとなっている。トランスミッションはマニュアルのみ。グレード名の「TS」は、1シリンダーに2本のスパークプラグを配したツインスパークエンジンから来ている。2.0TSも同様。
  • 2.0TSは2,000ccの直列4気筒ツインスパークエンジンを搭載した、標準グレードである。VDC(横滑り防止機構)、MSR(エンジンブレーキ・トルクコントロール)、アンチロック・ブレーキ・システム等の安全装置とBOSE社製のサラウンドシステムを搭載している。トランスミッションはマニュアルと5速セレスピードの2つが選べる。ドア枚数は3枚/5枚。2008年にはドゥカティとのコラボレーションモデル「アルファ147 ドゥカティ コルセ」が限定販売された[1]
  • 2.0TIは2.0TSにディスチャージヘッドランプと17インチアロイホイール、革製の内装を装備したグレード。特別仕様であったが、継続して販売されている。TIは Turismo Internazionaleの頭文字を取ったものである。
  • GTAはボディサイズを横に拡大し、3,200ccのV型6気筒エンジンをフロントに横置きに搭載した最上級グレード。アルファロメオ・GTと並び、アルファロメオ伝統のV6エンジン“6(セイ)”最後の搭載車となる。次期モデルからはGM社製ブロックにアルファロメオ製ヘッドを組み合わせる予定となっている。
    フロントグリル脇にエアインテークを追加。専用バンバーはターンシグナルの位置を変更し、GTA専用の意匠となっている。車幅は他のグレードよりワイド化。全長約4.2mのコンパクトカーらしからぬ大排気量、高出力エンジンを搭載したことで、ドライバーの理性と運転技術を問う車となっている。トランスミッションはマニュアル(左ハンドルのみ)と6速セレスピード(右ハンドルのみ)の2つが選べる。3ドアのみ。内装にGTAのロゴマークを配置し、インストルメンタルパネルも濃い灰色を基調にデザインされており、他の147とは差別化が図られている。ホイールはスピードライン製17インチGTA専用アロイホイール。フロントブレーキキャリパーはブレンボ製(ブレーキローター径が年式により大型化されている)。147カップではチューンナップした2.0でもノーマルGTAにはかなわないというまさに現在のスーパーホットハッチ。ライバル車にフォルクスワーゲン・ゴルフR32BMW130iM-Sport等がある。

2009年10月からは「Speciale」「Speciale Premium」「Speciale Sport」の3グレードで2,000ccエンジンに5速セレスピードの組み合わせのみとなった。

2011年3月に完売の発表がフィアットグループオートモービルズジャパン公式サイト上で発表された。

出典 編集

外部リンク 編集