エノシタビン(Enocitabine)は、ピリミジン塩基アナログ抗がん剤の一つである。シタラビンにベヘノイル基(CH3-(CH2)20-CO-)がアミド結合している。白血病の治療に用いられる。2009年3月に日本で承認された[1]:表紙

エノシタビン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
法的規制
  • (Prescription only)
投与経路 IV
識別
CAS番号
55726-47-1 チェック
ATCコード none
PubChem CID: 71734
ChemSpider 64778 ×
UNII 9YVR68W306 チェック
KEGG D01633  チェック
ChEMBL CHEMBL2106589 ×
別名 BH-AC
化学的データ
化学式C31H55N3O6
分子量565.80 g·mol−1
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効能・効果 編集

  • 急性白血病
  • 慢性白血病の急性転化

副作用 編集

重大な副作用は[2]

胸部圧迫感、発疹、皮膚の潮紅等
  • 血液障害
汎血球減少白血球減少血小板減少貧血巨赤芽球様細胞

とされている。

10%以上に、食欲不振、悪心嘔吐ビリルビン上昇、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、発熱が現れる。

作用機序 編集

肝臓脾臓腎臓、白血病細胞でシタラビンに代謝されてDNA合成を阻害する[2]

薬物動態 編集

血管内投与後の血漿中エノシタビンの半減期は二相性を示し、第一相で0.37±0.25時間、第二相で5.3±4.8時間であり[2]、シタラビンの第一相:10~20分、第二相:2~3時間[3]の2倍程度に延長されている。また、血球中エノシタビン濃度の半減期は血漿中よりも長く、24時間後の血球中濃度は血漿中濃度の約10倍となった[1]:15

シタラビンを分解するシチジン脱アミノ酵素で分解されない[1]:13

参考資料 編集

  1. ^ a b c サンラビン点滴静注用150mg/ サンラビン点滴静注用200mg/ サンラビン点滴静注用250mg インタビューフォーム”. www.info.pmda.go.jp. 2022年1月10日閲覧。
  2. ^ a b c サンラビン点滴静注用150mg/ サンラビン点滴静注用200mg/ サンラビン点滴静注用250mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2022年1月10日閲覧。
  3. ^ キロサイド注20mg/キロサイド注40mg/キロサイド注60mg/キロサイド注100mg/キロサイド注200mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2022年1月10日閲覧。