コンゴウリキシオー(欧字名:Kongo Rikishio2002年3月27日 - 不明)は、アイルランドで生産された日本競走馬[1] 。主な勝ち鞍に2005年きさらぎ賞2006年金鯱賞2007年マイラーズカップ2008年かきつばた記念

コンゴウリキシオー
2007年10月7日 東京競馬場
欧字表記 Kongo Rikishio[1][2]
香港表記 金剛力王[3]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2002年3月27日[1]
死没 不明(2018年11月30日死亡取扱)
抹消日 2009年10月28日[4]
Stravinsky[1]
Principium[1]
母の父 ハンセル[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド[1]
生産者 Pacello S. A. and A. Swersky
and Associates
[1]
馬主 金岡久夫[1]
調教師 山内研二栗東[1]
競走成績
生涯成績 36戦7勝
中央競馬:29戦6勝
地方競馬:6戦1勝
海外:1戦0勝
[1]
獲得賞金 3億5208万3000円
中央競馬:3億1558万3000円
地方競馬:3650万円
[1]
勝ち鞍
GII 金鯱賞 2006年
GII マイラーズC 2007年
GIII きさらぎ賞 2005年
JpnIII かきつばた記念 2008年
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馬名の意味は冠名「コンゴウ」に最強の力士になるようにという「力士王」、または「金剛力士」から[注釈 1]

経歴 編集

競走馬時代 編集

2004年12月19日阪神競馬場での2歳新馬戦でデビュー。この競走にはディープインパクトも出走しており同馬に次ぐ2番人気に支持され、人気どおりの2着でレースを終えた。

2005年1月8日、2戦目の3歳未勝利戦で初勝利を挙げ、続く500万下条件戦くすのき賞でも1番人気の支持に応え2連勝、初の重賞挑戦となったきさらぎ賞では2番人気で、アドマイヤフジシックスセンスらを相手に勝利し、3連勝で重賞初制覇を成し遂げた。毎日杯3着を経てディープインパクトとの再戦となった皐月賞では、10番人気と低評価で、結果も16着と大敗。1戦を挟んで挑んだ東京優駿(日本ダービー)も16番人気で11着と再び大敗。これがディープインパクトとの最後の対戦になり雪辱を果たせなかった。この後地方のダートグレード競走を2戦するもいずれも勝利は挙げられず、3歳シーズンを終えた。

2006年、復帰2戦を2着、6着として迎えた金鯱賞では岩田康誠が騎乗し、逃げ切りできさらぎ賞以来の重賞2勝目を挙げた[注釈 2]。その後重賞を2着、5着、2着と安定した走りをみせ、ポートアイランドステークスでは和田竜二が騎乗し1番人気に応え勝利を挙げた。

2007年、緒戦の中京記念では2番人気に支持されるも12着と大敗するが、次走のマイラーズカップで9番人気の低評価ながらスイープトウショウなどを抑えて逃げ切り、1分32秒2のコースレコードタイムで重賞3勝目を挙げた。次走の安田記念では前走同様軽快に逃げたが、ゴール直前にダイワメジャーにクビ差捕らえられ2着に終わった。しかしこの2着は世界的に評価され、8月11日に発表されたIFHA(国際競馬統括機関連盟)による『トップ50ワールドリーディングホース』において、マイル区分119ポンドで最高38位タイ[注釈 3]にランクされた。

 
第10回かきつばた記念

休養を経て迎えた秋緒戦の毎日王冠ではハイペースとなり6着に敗れ、その後香港マイルに予備登録を行ったが、馬インフルエンザの影響で検疫期間が1ヶ月かかることから、日本から香港国際競走に参戦する予定だった他の有力馬の多くが相次いで回避を表明していた。しかし香港政府と日本国政府の調整の結果検疫期間が14日間に短縮されることとなり、香港マイルへの出走が正式に決定した。その後阪神競馬場で2週間の検疫を受けた後、香港カップに出走するシャドウゲイトと共に香港シャティン競馬場に移動した。12月9日に迎えたレースでは4番人気に支持され、スタートから果敢に逃げたものの、落鉄の影響もあり最後まで粘れず9着だった。レース後は12月12日にシャドウゲイトと共に帰国している。

2008年1月22日に締め切られたアジアマイルチャレンジのシリーズ登録を行った。レースでは、中山記念から始動するが13着、続いて昨年制したマイラーズカップに出走するが7着だった。しかし、5月6日に行われたかきつばた記念では、リミットレスビッドメイショウバトラーらを抑え久々の重賞4勝目を挙げた。続けて、5月28日さきたま杯に出走、1番人気に推されたものの、出遅れが大きく響き9着に敗れた。

その後、中一週の間隔で安田記念に出走。スタート直後から激しく押してハナを奪うも、直線半ばで後続にかわされ6着に敗退した。その後、札幌記念に出走。前走通りハナを奪うが、4コーナーに差し掛かったところで失速し、ブービーの10着と大敗した。次走、エルムステークスでも逃げるものの、ここでも失速しまたもやブービーの11着に敗れた。その後、マイルチャンピオンシップ南部杯に出走するが、ここでもブービーの13着に終わる。続く富士ステークスでは12着だった。本番のマイルチャンピオンシップではクリストフ・ルメール騎手に乗り替わったがスタートでもハナをきれず、結局ブービーの17着に敗れた。その後、12月25日兵庫ゴールドトロフィーに出走、人気通りの4着に終わった。

2009年、中10日の強行ローテーションで挑んだ京都金杯では逃げるものの、失速し13着に敗れた。その後、休養を挟んで5月10日の都大路ステークスに出走。10番人気と低評価だったが、逃げ粘って4着となった。続く6月7日の安田記念ではスタートからハナを奪うも直線で失速してブービーの17着と大敗した。このレースを最後に引退となり、2009年10月28日付で競走馬登録を抹消された[6]

引退後 編集

引退後は韓国へ寄贈され、京畿道・競馬教育院で騎手候補生の訓練馬となっていたが、2010年5月に退厩。その後、飼養地の調査をした結果、所有の確認が取れなかったため、2018年11月30日付で死亡したものとみなされた[7]。ただし、行方が分からなかったことから死亡として処理されたに過ぎず、確実に死亡したとは断言できない。

競走成績 編集

年月日 競馬場 競走名 人気 倍率 着順 距離 タイム 3F 騎手 勝ち馬 / (2着馬)
2004 12. 19 阪神 2歳新馬 2人 8.0 02着 芝2000m(良) 02:04.5 (34.1) 佐藤哲三 ディープインパクト
2005 1. 8 京都 3歳未勝利 2人 2.7 01着 芝2000m(良) 02:02.8 (36.0) 藤田伸二 (ブロードキャスター)
1. 30 小倉 くすのき賞 500万下 1人 1.3 01着 芝1800m(良) 01:48.2 (35.3) 中舘英二 (バトルフエルテ)
2. 13 京都 きさらぎ賞 GIII 2人 3.7 01着 芝1800m(良) 01:48.5 (34.5) 藤田伸二 (マキハタサーメット)
3. 26 阪神 毎日杯 GIII 1人 2.3 03着 芝2000m(良) 02:02.4 (34.6) 藤田伸二 ローゼンクロイツ
4. 17 中山 皐月賞 GI 10人 55.6 16着 芝2000m(良) 02:01.0 (36.2) 藤田伸二 ディープインパクト
5. 7 京都 京都新聞杯 GII 4人 12.3 05着 芝2200m(稍) 02:13.7 (36.9) 池添謙一 インティライミ
5. 7 東京 東京優駿 GI 16人 146.5 11着 芝2400m(良) 02:25.6 (35.3) 池添謙一 ディープインパクト
7. 13 大井 ジャパンDダービー GI 3人 07着 ダ2000m(良) 02:06.7 (39.5) 藤田伸二 カネヒキリ
9. 19 盛岡 ダービーグランプリ GI 5人 04着 ダ2000m(良) 02:06.5 藤田伸二 カネヒキリ
2006 4. 9 中山 エイプリルS OP 5人 15.2 02着 芝2000m(良) 02:00.0 (37.4) 後藤浩輝 マチカネキララ
5. 6 新潟 新潟大賞典 GIII 7人 12.7 06着 芝2000m(良) 01:59.7 (35.6) 中舘英二 オースミグラスワン
5. 27 中京 金鯱賞 GII 3人 6.0 01着 芝2000m(良) 01:58.8 (35.3) 岩田康誠 (ローゼンクロイツ)
7. 9 福島 七夕賞 GIII 1人 3.5 02着 芝2000m(良) 01:59.5 (37.0) 岩田康誠 メイショウカイドウ
7. 30 小倉 小倉記念 GIII 2人 2.8 05着 芝2000m(良) 01:58.3 (35.8) 岩田康誠 スウィフトカレント
9. 9 中京 朝日チャレンジC GIII 1人 2.2 02着 芝2000m(良) 01:57.4 (35.0) 岩田康誠 トリリオンカット
10. 1 中京 ポートアイランドS OP 1人 2.5 01着 芝1800m(稍) 01:47.3 (37.1) 和田竜二 (イースター)
2007 3. 4 中京 中京記念 GIII 2人 4.0 12着 芝2000m(良) 01:47.3 (37.0) 熊沢重文 ローゼンクロイツ
4. 14 阪神 マイラーズカップ GII 9人 25.5 01着 芝1600m(良) R1:32.2 (34.0) 藤田伸二 スイープトウショウ
6. 3 東京 安田記念 GI 3人 8.5 02着 芝1600m(良) 01:32.3 (34.8) 藤田伸二 ダイワメジャー
10. 7 東京 毎日王冠 GII 3人 6.0 06着 芝1800m(良) 01:44.8 (35.1) 藤田伸二 チョウサン
12. 9 沙田 香港マイル G1 4人 09着 芝1600m(良) 01:35.6 藤田伸二 Good Ba Ba
2008 3. 2 中山 中山記念 GII 3人 5.3 13着 芝1800m(良) 01:48.7 (36.7) 藤田伸二 カンパニー
4. 19 阪神 マイラーズカップ GII 4人 7.3 07着 芝1600m(良) 01:34.0 (35.2) 藤田伸二 カンパニー
5. 6 名古屋 かきつばた記念 JpnIII 3人 4.7 01着 ダ1400m(良) 01:27.1 (38.4) 藤田伸二 リミットレスビッド
5. 28 浦和 さきたま杯 JpnIII 1人 2.2 09着 ダ1400m(良) 01:27.7 (38.4) 藤田伸二 リミットレスビッド
6. 9 東京 安田記念 GI 7人 23.0 06着 芝1600m(良) 01:33.5 (35.6) 藤田伸二 ウオッカ
8. 24 札幌 札幌記念 JpnII 4人 9.4 10着 芝2000m(良) 02:00.4 (37.6) 藤田伸二 タスカータソルテ
9. 13 札幌 エルムS JpnIII 6人 13.7 11着 ダ1700m(良) 01:45.0 (38.0) 和田竜二 フェラーリピサ
10. 13 盛岡 マイルCS南部杯 JpnI 3人 8.4 13着 ダ1600m(良) 01:42.5 藤田伸二 ブルーコンコルド
10. 25 東京 富士S GIII 9人 25.3 12着 芝1600m(良) 01:33.5 (35.6) 柴田善臣 サイレントプライド
11. 23 京都 マイルCS GI 16人 76.1 17着 芝1600m(良) 01:33.9 (35.8) C.ルメール ブルーメンブラット
2009 1. 5 京都 京都金杯 GIII 9人 27.6 13着 芝1600m(良) 01:35.1 (36.2) 藤田伸二 タマモサポート
5. 10 京都 都大路S OP 10人 32.0 04着 芝1600m(良) 01:33.3 (35.1) 木村健 ライブコンサート
6. 7 東京 安田記念 GI 14人 138.8 17着 芝1600m(良) 01:35.5 (38.1) 戸崎圭太 ウオッカ

※タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

血統表 編集

コンゴウリキシオー血統ヌレイエフ系 / Northern Dancer 3×5×4=21.88%、Mr. Prospector 4×4=12.50%、Native Dancer 5×5=6.25%、Almahmoud 5×5=6.25% (血統表の出典)

* ストラヴィンスキー
Stravinsky
1996年 鹿毛
父の父
Nureyev
1977 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Special Forli
Thong
父の母
Fire the Groom
1987年 黒鹿毛
Blushing Groom Red God
Runaway Bride
Prospector's Fire Mr. Prospector
Native Street

Principium
1995年 栗毛
Hansel
1988年 鹿毛
Woodman Mr. Prospector
*Playmate
Count On Bonnie Dancing Count
Buena Notte
母の母
Nazoo
1988年 鹿毛
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
La Dame Du Lac Round Table
Cosmah F-No.2-d


脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ なお、同馬主の所有馬に「コンゴウリキシオウ(1993年生、父ダイイチボーイ)」という馬もおり、こちらは地方中央合わせて9勝を挙げている[5]
  2. ^ この勝利で管理する山内研二調教師は史上2人目となるJRA全10場重賞勝利を達成した。
  3. ^ その後47位タイまでランクを落としている

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o コンゴウリキシオー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年10月7日閲覧。
  2. ^ KONGO RIKISHIO (J606) - Racing Information” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年2月24日閲覧。
  3. ^ 金剛力王 (J606) - 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年2月24日閲覧。
  4. ^ コンゴウリキシオーが引退、韓国へ”. netkeiba.com. 2022年4月23日閲覧。
  5. ^ コンゴウリキシオウ”. JBISサーチ. 2017年8月25日閲覧。
  6. ^ コンゴウリキシオー登録抹消 韓国へ寄贈”. サンケイスポーツ (2009年10月29日). 2009年10月29日閲覧。
  7. ^ “[http://studbook.kra.co.kr/html/info/ind/s_majuck.jsp?mabun=025793 �����Ű�ÿ� (KONGO RIKISHIO)�� �������� < ������������ȸ < ������]”. studbook.kra.co.kr. 2018年12月5日閲覧。

外部リンク 編集