ハイネの和公式(ハイネのわこうしき、Heine's summation formula)はガウスの超幾何定理q-類似である[1]。ドイツの数学者エドゥアルト・ハイネに因む。ハイネは19世紀中頃に超幾何級数q-類似の研究を行った[2]

内容 編集

ガウスの超幾何級数

 

に対し、その q-類似は

 

で定義される。但し、ポッホハマー記号

 

q-ポッホハマー記号

 

を用いた。 このとき、次の関係式をハイネの和公式と呼ぶ。

 

これはガウスの超幾何定理

 

q-類似となっている。

ハイネの和公式は、次のハイネの変換式(Heine's transformation)から導くことができる。

 

証明 編集

ハイネの変換式はq二項定理から導かれる。

 

ハイネの和公式はハイネの変換式に を代入することにより得られる。

 

出典 編集

  1. ^ Wolfram Mathworld: q-Hypergeometric Function
  2. ^ G. E. Andrews (1986), chapter 2

参考文献 編集

書籍 編集

  • Andrews, George E. (1986). q -Series: Their Development and Application in Analysis, Number Theory, Combinatorics, Physics and Computer Algebra. CBMS. American Mathematical Society. ISBN 978-0821807163