ヒレアシ科(ヒレアシか、ヒレアシ科、Heliornithidae)は、鳥綱ツル目に属する科。

ヒレアシ科
アメリカヒレアシ
アメリカヒレアシ Heliornis fulica
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ツル目 Gruiformes
: ヒレアシ科
Heliornithidae Gray, 1840

分布 編集

アフリカ大陸北アメリカ大陸南部、南アメリカ大陸ユーラシア大陸南部、インドネシアスマトラ島[1][2][3]

形態 編集

全長30-60センチメートル[3]。メスよりもオスの方がやや大型になる[3]。頭部は小型[3]。頸部や胴体はやや長い[3]。尾羽は幅広い上に長く、硬い[3]。翼は短く、丸みを帯びる[3]

嘴は長い[3]。後肢は短く、胴体後方に位置する[3]。趾には葉状の水かきと、鋭い爪がある[3]

卵の殻は淡黄色や淡褐色、赤褐色で[2]、褐色や紫色の斑紋が入る[3]

分類 編集

ツル目内ではクイナ科に近縁だと考えられている[2][3]

マレーヒレアシ属 Heliopais

アメリカヒレアシ属 Heliornis

アフリカヒレアシ属 Podica

生態 編集

湿原河川干潟、浸水林などに生息し、水辺が樹木で覆われた暗く開けていない環境を好む[3]。渡りは行わないが、アジアヒレアシは季節的な移動を行う[2][3]。夜間は水面に張り出した樹上で休む[3]。単独やペア、家族群で生活する[3]。飛翔するときは水面を助走してから飛翔する[2]。危険を感じると水面を走って、水辺の茂みに隠れる[2][3]

食性は雑食で、魚類カエル昆虫甲殻類貝類ミミズ、植物の葉、種子などを食べる[3]。水辺や浅瀬を徘徊しながら採食を行う[3]

繁殖形態は卵生。水面に張り出した樹上、倒木、流木の上などに木の枝を組み合わせた巣を作り、2個(アジアヒレアシは5-7個)の卵を産む[1][2][3]

人間との関係 編集

開発による生息地の破壊などにより生息数は減少している種もいる[1]

画像 編集

参考文献 編集

  1. ^ a b c 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社2000年、92、176頁。
  2. ^ a b c d e f g 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥類I』、平凡社1986年、174-175頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育10-II (ツル目)』、東京動物園協会、1989年、88-89、167頁。

関連項目 編集