メソポタミアハナスッポン

メソポタミアハナスッポンRafetus euphraticus)は、爬虫綱カメ目スッポン科ハナスッポン属に分類されるカメ。

メソポタミアハナスッポン
メソポタミアハナスッポン
メソポタミアハナスッポン Rafetus euphraticus
保全状況評価[a 1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : スッポン上科 Trionychoidea
: スッポン科 Trionychidae
亜科 : スッポン亜科 Trionychinae
: ハナスッポン属 Rafetus
: メソポタミアハナスッポン
R. euphraticus
学名
Rafetus euphraticus (Daudin, 1802)
シノニム

Testudo euphratica Daudin, 1802
Trionyx euphraticus

和名
メソポタミアハナスッポン
英名
Euphrates soft-shelled turtle

分布 編集

イラクイランシリアトルコ南部のチグリス川ユーフラテス川水系[1][2]

形態 編集

最大甲長68センチメートル[2]。背甲は上から見ると円形や卵型[1]。背甲の色彩は緑褐色で、黒い斑紋が入る[1]

頸部から背甲前端にかけて疣状の突起が並ぶ[1]。頭部背面や四肢の色彩は緑色[1]

幼体は背甲の表面に粒状の突起があり、成長に伴い消失するが成体でも残る個体もいる[1]。背甲に黄色や淡黄色、白の細かい斑紋が入るが、成長に伴い消失する[1]

生態 編集

底質黒土で水深の浅い流れの緩やかな河川の支流やその周辺にある水たまり、氾濫原内の湿原などに生息する[2]昼行性で、日光浴を行う事を好む[2]。水温20℃以上の環境下でのみ活動する[2]

食性は雑食で、魚類両生類昆虫甲殻類貝類、植物質などを食べる[2]

繁殖形態は卵生。河川の周辺にある草原や砂地に、4-9月に1回に19-30個の卵を産む[2]

人間との関係 編集

ダム開発による生息地の破壊および水温の低下、土砂採取による産卵地の破壊、水質汚染などにより、生息数は激減していると考えられている[2]

参考文献 編集

  1. ^ a b c d e f g 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2 ユーラシア・オセアニア・アフリカのミズガメ』、誠文堂新光社2005年、77頁。
  2. ^ a b c d e f g h 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、224頁。

関連項目 編集

外部リンク 編集

  1. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • European Reptile & Amphibian Specialist Group 1996. Rafetus euphraticus. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1.