大都会 PARTIII』(だいとかい パートスリー)は、1978年(昭和53年)10月3日 - 1979年(昭和54年)9月11日まで日本テレビ系列で毎週火曜日21:00 - 21:54に全49話が放送された、石原プロモーション制作の刑事ドラマである。『大都会』シリーズ第3作。

大都会 PARTIII
ジャンル 刑事ドラマ
企画 小林正彦
加藤教夫(日本テレビ)
脚本 永原秀一
監督 村川透
出演者 渡哲也
寺尾聰
星正人
高品格
小野武彦
峰竜太
苅谷俊介
大森不二香
高城淳一
金沢碧
石原裕次郎
ナレーター 小林清志
オープニング 高橋達也と東京ユニオン
『大都会 PARTIIIのテーマ』
エンディング 高橋達也と東京ユニオン
『大都会 PARTIIIのテーマ』
製作
製作総指揮 石原裕次郎
プロデューサー 山口剛
制作 石原プロモーション
日本テレビ
放送
音声形式モノラル
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1978年10月3日
- 1979年9月11日
放送時間火曜 21:00 - 21:54
放送枠日本テレビ
火曜9時枠連続ドラマ
放送分54分
回数49
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概要 編集

前作『大都会 PARTII』終了から半年を経て製作されたシリーズ第3弾。舞台は前作と同じく城西署捜査課[1]であるが、人物設定に大きな変更が見られ、続篇ではなく独立した作品として位置付けられている。黒岩部長刑事を中心とする捜査課チームは新たに「黒岩軍団」という呼称が設定され、タイトルロゴのデザインも前2作で使われた賀茂牛道人による毛筆体からゴシック体に変更されている[2]

作風はシリーズ第1作『大都会 闘いの日々』の人間ドラマ要素はほぼ廃され、登場する犯人は劇中で黒岩軍団との戦闘の末に死亡するパターンが定番化するなど、バイオレンス色が大幅に強められた。アクションシーンもバズーカ砲をはじめとする火器を用いた大掛かりな爆破や自動小銃によるガンプレイなどスケールアップが図られ、さらに車両協力に日産自動車が参入したことで、主にカースタント用として大量の劇用車が投入・破壊された[3]

全49話の視聴率も平均20%の大台に乗るなど好評のうちに終了し、シリーズのフォーマットは1979年10月にテレビ朝日系でスタートする『西部警察』へと引き継がれた(詳細は後述)。

前作や後継作品となった『西部警察』と異なり、本作ではレギュラーの殉職や交替は行われていない。

登場人物 編集

城西署捜査課 編集

黒岩 頼介 -くろいわ らいすけ-(演 渡哲也
部長刑事。人物設定は基本的に前作を踏襲しているが、より寡黙かつ非情な性格がクローズアップされ、抵抗する凶悪犯に対しては射殺さえも辞さない。捜査中は常にサングラスを着用。拳銃は主にスナッブノーズタイプのリボルバーを使用しているが、16話より状況に応じてレミントンショットガンも使用。このサングラスにショットガンというスタイルは、後の『西部警察』の大門圭介へとそのまま受け継がれた。
32歳のA+B型。愛称は「クロさん」「デカ長」。現住所は“東京都渋谷区代官山3-7-20フジマンション”。
『大都会』シリーズでは唯一、本作のみ妹が登場しない[4]。前作では「理屈抜きの面白さ」を志向していたが結果的に多少の理屈が残ってしまいドラマのテンポやトーンが乱れた感があったことから、縛りとなる人生背景や家庭像をカットしたことによるもの[5]
牧野 次郎 -まきの じろう-(演 寺尾聰
刑事。メカや重火器に関する知識に長け、狙撃の名手でもある。普段は比較的物静かで、女性に優しくウィットに富んだ理性派。しかし、卑劣な犯罪者に対しては拷問まがいの尋問や暴力的捜査も行うなど激情家の一面も持つ。愛銃はS&W M29(通称44マグナム)。愛称は「ジロー」、虎田、上条からは「ジローさん」。
企画段階での役名は「牧野長太」。1・2話の脚本では「牧野丈」という名前であり、愛称は「ジョー」であった[6]
虎田 功 -とらだ いさお-(演 星正人
刑事。捜査課では最年少の若手刑事。美青年で、強面揃いの軍団では異色の存在である。愛称は「トラ」。前半期はパーマ・サングラスというチンピラ的な風貌であったが、後半期は長髪・パンタロンスーツというファッショナブルなキャラになった。ルックスに似合わぬ武闘派で権威や権力を嫌い、加川には真っ向から反発する事もあったが、後半からは二枚目半的性格が強調される様になる。また、黒岩、丸山以外の先輩刑事には平然とタメ口で話すのが定番だった。女好きであり、美女が容疑者と分かった時は捜査を張り切る描写が見られた(ただし、一度だけ逮捕した女から「坊や」呼ばわりされ、逆上した事がある)。拳銃はコルト M1911ガバメントを使用。「教職を取っておけばよかった」とぼやく描写がある事(第41話)から大卒である模様。
企画段階では「村田功」という役名であり、愛称は「ムラ」だった[6]
丸山 米三 -まるやま よねぞう-(演 高品格
刑事。現場叩き上げの大ベテランで、長年の経験で培われた勘の鋭さは捜査課随一。愛称は「マルさん」。普段は落ち着いた性格だが格闘能力も高く、第24話ではボクサー崩れの凶悪犯(演:ガッツ石松)と互角に渡り合った。一人娘の扶美子(演:工藤美奈子)と二人暮らし。第49話で敵が投げた手榴弾の爆発を受け重傷を負ってしまうが、一命は取り留めた。拳銃はチーフスペシャルを使用[7]
大内 正 -おおうち ただし-(演 小野武彦
刑事。軍団の中では最も刑事らしい佇まいを持つが、黒岩と加川との間でしばしば板挟みにあい苦悩する事も多い。愛称は「坊さん」「坊主」。独身。都内の2階建てボロアパートに一人住まい。4話から頭をスキンヘッドに近い状態にするも、中盤から元に戻している[8]
上条 巌 -かみじょう いわお-(演 峰竜太
刑事。捜査課では虎田に次ぐ年少者。愛称は「サル」。『…PARTII』からの続投組の中ではキャラクター変化が特に顕著であり、前作での2枚目半的な雰囲気は影を潜め、タフな肉体派としてのカラーが強まっている。服装は夏場が黒か濃紺の繋ぎ服、冬場は黒のスラックスに白セーター(黒セーターの時もあり)、黒い革ジャンと年中黒で統一されている。常に筋力トレーニングには余念が無く、蹴り技を駆使する格闘技の心得もあり、柔道有段者でもある。
宮本 兵助 -みやもと ひょうすけ-(演 苅谷俊介
刑事。九州出身で、愛称は「弁慶」。柔道の有段者であり怪力・石頭が自慢。前作同様捜査中「ワシが城西署のベンケイじゃっ!!」と啖呵を切る。その一方水泳と頭脳プレーは苦手。AB型。愛国主義者らしく、署のロッカーには日の丸を掲げている。後述する事故のため、第40話から48話には未登場。
清水 英子 -しみず えいこ-(演 大森不二香
捜査課事務員。愛称は英子ちゃん。憤慨する加川にお茶を渡しながら「課長、怒ると血圧が上がりますよ」と一言添えるシーンが定番。第45話では自ら囮を志願し、捜査に直接協力した。第23話及び第45話の言動から、虎田に気がある節がみられる
加川 乙吉 -かがわ おときち-[9](演 高城淳一
捜査課長。肩書上は捜査課の最高責任者だが、実際は自らの意見を差し置いて黒岩たちが全てを処理してしまっており、その捜査手法に激しい不満と嫉妬心を抱いている。部下のミスには露骨な嫌味や皮肉を吐く毒舌家であり、虎田と宮本からは特に嫌われている。その一方、いざという時は自ら現場に出向いて危険に身を晒すなど、刑事魂はまだ失っていない。黒岩不在時には直接の捜査指揮を執る場合も多い。

渋谷病院 編集

宗方 悟郎 -むなかた ごろう-(演 石原裕次郎
救急指定の渋谷病院外科医師。かつては大学病院でエリートコースを歩んでいた。人望が厚く腕は抜群で、ヤクザや凶悪犯にも分け隔てがない。第40話では、インベーダーゲームをプレイしている場面が見受けられる。40歳。
白井 智子 -しらい ともこ-(演 青木英美
渋谷病院の看護婦。第10話迄と第20話にて出演。
三田 典子 -みた のりこ-(演 舛田紀子
渋谷病院の看護婦。前作と同様「ノンちゃん」や「チビ」と呼ばれている。
佐藤 リエ -さとう りえ-(演 美田麻紗子[10]
渋谷病院の看護婦。

その他 編集

戸倉 綾子-とくら あやこ-(演 金沢碧
東都日報の若手記者。城西署記者クラブに所属していたが、第3話で記者クラブを批判する記事を書いたため除名処分を受けている。スクープを狙い、捜査課としばしば張り合うものの協力的な面を持ち、黒岩が特ダネを流したこともある。第13話までの出演。
新聞記者(演 武藤章生下之坊正道片岡五郎
城西署記者クラブ新聞記者。乱暴な捜査を行う上、マスコミに対して非協力的な黒岩軍団を目の敵にしている。
原田 源二-はらだ げんじ-(演 森正親
刑事たちの溜まり場となっている小料理屋「五万石」の板前。愛称は「源さん」、「源公」。
みっちゃん(演 志麻いづみ
小料理「五万石」店員。
バーの女性歌手(演 牧村三枝子
劇中のバーで『みちづれ』などを歌う女性歌手。役名もセリフもなく、ストーリーと直接関係することはないが、捜査の途中、黒岩が束の間の安息を得る描写などでたびたび登場した。第11話から数話登場。

各話リスト 編集

話数 放送日      サブタイトル                 脚本     監督      ゲスト 視聴率
1 1978年
10月3日
帰って来た黒岩軍団 永原秀一 村川透 内田良平早川雄三今井健二片桐竜次福本清三団巌清水国雄赤穂善計大宮幸悦宮内彰星野晃岡本麗 21.8%
2 10月10日 白昼のパニック 山本英明 長谷部安春 八城夏子中西良太樋口のり子堀礼文岩城力也今井和子川口裕子宮田光沢柳迪子片桐広隆大谷進石川弦志西朱実 17.9%
3 10月17日 捜査中止命令 永原秀一 田中浩井上博一綾川香船水俊宏壇喧太小寺大介麿のぼる南部純三斎藤光男荻原紀鳥井助國戸塚孝北川レミ野村京子 22.2%
4 10月24日 吠えるショットガン 柏原寛司 渡辺拓也 森次晃嗣石山雄大鶴岡修若杉透加藤寿加藤善博山岡甲升元泰造依田智細野輝利金子広己大島光幸前島良行水橋和夫町田幸夫酒井郷博美田麻紗子二家本辰巳 22.6%
5 10月31日 野良猫の牙 永原秀一
浅井達也
根岸とし江北村晃一内藤杏子多宮健二影山英俊外野村晋田口政則祝伊沢口清三郎松本重利小坂生男石川弦志猪野剛太郎五味よし子小杉容子川畔美之唐寿由利子 23.0%
6 11月7日 東京・クライシス 柏原寛司 村川透 三上寛飯山弘章峰のぼる三浦浩一天野博也小林重四郎弘松三郎稲川善一相原巨典相沢治夫福岡正剛 21.1%
7 11月14日 逃亡の滑走路 峯尾基三 澤田幸弘 椎谷建治土方鉄人飯島洋一和田瑞穂西本裕行大矢兼臣深野秀文国安薫守田幸隆大竹義夫藤原升二浅野浩子篠原大介 22.7%
8 11月21日 野獣の叛乱 永原秀一 本郷直樹八名信夫黒部進堀田真三沢田情児姿鐵太郎庄司三郎新井一夫有馬明良大内巌河内美幸玉田知子和久井節緒(レインジャー指導:岩田直樹 19.0%
9 11月28日 高層の狙撃者 大野武雄 渡辺拓也 田口計中田博久青木卓草薙良一、小坂生男、星野晃、久本昇、荻原紀、大島光幸、池松隆介香川治郎斉藤英雄花城隆村木勲鎌形敏雄村上幹夫 22.3%
10 12月5日 狙われた部長刑事 金子成人 小宮守三角八郎福岡正剛大東梁佶石川敏北原寛三北山年夫大木史朗刀原章光別所立木三上剛 20.4%
11 12月12日 白の恐怖 永原秀一 澤田幸弘 石橋蓮司岡田可愛仙波和之榊ひろみ柚木悦子冨田雅美渡辺さと子、戸塚孝、新井一夫、大刀隆三入江浩三、西内彰 20.6%
12 12月19日 狂犬 柏原寛司 谷啓、早川雄三、田中浩、小林稔侍榎木兵衛晴海勇三日野道夫相川圭子花原照子、村木勲、吉田丈弘渡辺清子伊藤信行若林篤松尾悟永野明彦神林由香 22.1%
13 12月26日 脱出路 永原秀一 櫻井一孝 町田朱実川合伸旺林ゆたか北島マヤ、樋口のり子、小寺大介、刀原彰光桑原一人 20.2%
14 1979年
1月9日
刑事が消えた 峯尾基三 渡辺拓也 志賀勝市川好朗潮建志鳥巣哲生ひろ新子、庄司三郎、堀礼文、戸塚孝、石川弦志村上幹夫小池修一 19.4%
15 1月16日 報復 金子成人 室田日出男近藤宏笹木俊志川崎あかね達純一高橋義治山本武、相沢治夫、町田幸夫、猪野剛太郎、三倉一徳井内潔重、斉藤光男、荻原紀、稲川善一、木瓜みらい大石はるみ篠田よし子、渡辺さと子、林孝一森岡隆見、大竹義夫、武田倫一星野昇岡田勝花城隆、草薙良一 20.1%
16 1月23日 殺人犯奪回要求 浅井達也 櫻井一孝 葉山良二、片桐竜次、佐藤晟也沢美鶴、新井一夫、平賀百合恵岸本功、小坂生男、永野明彦、宇乃壬麻、二家本辰巳、君塚正純石崎洋光、大島光幸 23.7%
17 1月30日 誘拐 峯尾基三 渡辺拓也 小池雄介成瀬正佐原健二松木路子、玉田知子、田中加奈子五十嵐美鈴、二家本辰巳 20.2%
18 2月6日 マフィア・ジャパン・スタイル 永原秀一 長谷部安春 深江章喜中庸介、市村昌治、山口あきら金子研三志賀圭二郎上田耕一、檀喧太、谷口永伍、村木勲、池松隆介、大竹義夫、久本昇 24.3%
19 2月13日 警官ギャング 柏原寛司 中田博久、剛達人、沢田情児、友金敏雄鈴木卓弘、草薙良一、晴海勇三、小杉容子滝川龍之介、西内彰、花城隆土屋伊久代 25.6%
20 2月20日 爆走・金塊トレーラー 浅井達也 渡辺拓也 睦五郎石橋雅史、八名信夫、伊豆肇弘松三郎不知火艶戸沢佑介、影山英俊、戸塚孝、小坂生男、加地健太郎大羽吾朗落合吉彦、星野晃、森岡隆見、有馬明良、石崎洋光、永野明彦 20.4%
21 2月27日 東京私設警察 小野竜之助 澤田幸弘 青木義朗浜田晃山谷初男内田昌弘、綾川香、川崎あかね、若松和子、岩城力也、福原秀雄、森下明高村良井内潔重赤出川浩道、永野明彦、西内彰 20.2%
22 3月6日 横須賀ストーリー 柏原寛司 福本清三、山口美也子土山登士幸、岩田直樹、団巌、波すずめ清水圭一郎、庄司三郎、西山健二マイクスズキピーター・シェンファー、猪野剛太郎、山中康司、新井一夫、中林由香、大竹義夫、荻原紀、森健太郎 22.6%
23 3月13日 女豹と刑事野郎 佐治乾 渡辺拓也 早乙女愛、堀田真三、戸塚孝、細野輝利、夏倉健二高橋俊一大東梁吉日巻ちはる鈴木泰明 23.8%
24 3月20日 冷血 永原秀一 ガッツ石松鹿沼エリ藤山律子あきじゅん梨沙ゆり横田陽子入江正徳金子勝美佐藤陽子殿塚喜久子有目ゆう子山口麻美 24.1%
25 3月27日 通り魔 峯尾基三 小澤啓一 岩尾正隆、岡田可愛、浅野理恵八木景子浅香久美子小村絵美竹尾登美、岸本功、小見山玉樹賀川修嗣、小坂生男、森直樹高村良三重街恒二、大竹義夫、戸塚孝、井下栄 23.2%
26 4月3日 殺人予告 柏原寛司 綿引洪吉田豊明、今井健二、相原巨典、清水石あけみ、稲川善一、新井一夫、西内彰、大島光幸、森岡隆見、奈良いづみ 17.7%
27 4月10日 奪われたポリススペシャル 小野竜之助 長谷部安春 早川雄三、大下哲矢、中庸介、沢田情児、榎木兵衛、原田力久地明工藤美奈子辻田矢道郷内栄喜高橋義治、石崎洋光、潮建志(ノンクレジット) 20.7%
28 4月17日 ブラックホール 大野武雄 林ゆたか、真家宏満、岡本麗、江見俊太郎、山口あきら、安西拓人松坂隆子吉川隆、武田倫一、中橋昌美有村孝弘神井一也柴田雅彦小野茂加藤勝細沼茂 23.0%
29 4月24日 爆殺のプレリュード 新井光 渡辺拓也 白井滋郎水原麻記、片桐竜次、畑中猛重、高月忠、影山英俊、山田禅二、猪野剛太郎、小池幸次、小坂生男、岡田舞、檀喧太(ノンクレジット) 17.2%
30 5月1日 けもの道 永原秀一
浅井達也
葉山良二、田中浩、井上博一、不知火艶北九州男柿沼大介大坂憲小林悦子龍のり子 21.4%
31 5月8日 マイナス18度の恐怖 峯尾基三 長谷部安春 香山浩介、小池雄介、花原照子賀川修嗣川村和子 23.7%
32 5月15日 城西市街戦 大野武雄 黒部進、江角英明、和久井節緒、藤山浩二大前田武北野清治辰馬伸、庄司三郎、佐藤了一中平哲仟、森下明、柚木悦子、西山健司、荻原紀、高橋義治、室伏高藤原益二中田勉、大竹義夫、有馬明良、西内彰、岡田勝、福井一也関本晴加々良一和輝小林師史 22.5%
33 5月22日 最後通告 新井光 渡辺拓也 本田博太郎、椎谷建治、小林重四郎、多宮健二、晴海勇三、戸塚孝、小坂生男、原のり子浅香久美子、細野輝利、中林義明佐藤昇、宮田光、高橋広美、細沼茂、小野茂、加藤勝、中山辰夫、星野昇、大竹義夫、西内彰、北斗太郎清水忠一 22.8%
34 5月29日 ストリート・ガール 柏原寛司 櫻井一孝 長谷直美、中田博久、山口あきら、森大河滝沢双星純夫、石山雄大、辰馬伸、鶴岡修、岡崎夏子吉岡達造高山千草高山良一 20.9%
35 6月5日 野獣狩り 小野竜之助 今井健二、草薙良一、藤山律子、関戸純姿鉄太郎茂木裕治、有馬明良、武田倫一、森岡隆見、花原照子、中井徹番場恵介、大木史朗、宮本明 19.4%
36 6月12日 密告屋 峯尾基三 村川透 早川雄三、風間杜夫、江角英明、小宮守、下馬二五七大辻慎吾広田正光、鶴岡修、川口裕子、新山真弓、新井一夫、原のり子、瀬川涼子、加藤勝、星野晃 22.0%
37 6月19日 頭取集団誘拐 浅井達也 渡辺拓也 山本昌平、小林稔侍、伊豆肇、長島隆一、外野村晋、吉良冬太鈴木和夫湯川勉、西山健司、桐島好文、小見山玉樹、山本武、近松敏夫、稲川善一、伴藤武入江正徳久遠利三竹下江里子 20.2%
38 6月26日 国際密輸ルート 村川透 ジェリー伊藤、弘松三郎、兼松隆、浅野理恵、大山豊、水橋和夫、小寺大介、奈良いづみ、白井美樹殿塚喜久子、大宮幸悦 16.6%
39 7月3日 警官殺し 新井光 小澤啓一 藤木敬士、八名信夫、大川ひろし、檀喧太、山田禅二、晴海勇三、三重街恒二、名川貞郎遠山牛、金子勝美、篠原靖夫海狼健一遠藤孝子、二家本辰巳、中瀬明、柚木悦子、高橋義治、小坂生男、郷内栄喜、城野勝己小林師史、小野茂 23.8%
40 7月10日 ドクター宗方の証言 大野武雄 深江章喜、中庸介、岡本麗、佐藤晟也、福岡正剛、堀礼文、広京子湊俊一、加地健太郎、西内彰、大竹義夫、森健太郎、岡田勝、町田幸夫 16.2%
41 7月17日 アメリカン・ポリス 柏原寛司 渡辺拓也 小野進也高品正広尾木まゆみ細野照利側見民雄、村上幹夫、伊藤弘美、荻原紀、中瀬博文、森健太郎 20.3%
42 7月24日 シージャック強盗団 新井光 石橋蓮司、山口あきら、影山英俊、相原巨典、鳥巣哲生、大山清志、畑中猛重、永野明彦、久遠利三、戸沢佑介、石崎洋光、大島光幸、大貫幸夫、岡田勝、戸塚孝、細沼茂、加藤勝、小寺大介 19.5%
43 7月31日 自動車泥棒 金子成人 櫻井一孝 中西良太、中村好男栗田よう子奥村公延、榎木兵衛、吉宮慎一秦幸志、石川敏、今井久、名川貞郎、荻原紀、津山栄一 20.5%
44 8月7日 テロルの仮面 浅井達也 蟹江敬三アニタ・ロココ佐々木孝丸朝日奈尚行土山登志幸信実一徳三浦伸林家源平、西山健司、小坂生男、エリザベス・ストーンフィールドベッティー・フォード、晴海勇三、山崎之也、森下明、大竹義夫、星野晃、西内彰、福井一也、新井恵己 16.5%
45 8月14日 深夜の殺人者 新井光 渡辺拓也 青木卓、池田鴻、吉宮慎一、川口裕子、堀礼文、土門峻山崎左起子、戸塚孝、山本武、米津高明落合広道田中順二 21.9%
46 8月21日 反逆の殺し屋 和久田正明 成瀬正、香山浩介、藤山浩二、あきじゅん、大辻慎吾、波すずめ、村上幹夫、高村良、岡田勝、新井一夫、根本泰明、森健太郎、佐田洋子須川尋貴山口誠一郎 24.8%
47 8月28日 脅迫者を消せ 那須真知子 小澤啓一 木村元杉江廣太郎関川慎二、鶴岡修、滝沢双相馬剛三藤川隆吾桐芳雄高山彰丘知子、三上剛、大島光幸、有馬潔山田博行、遠藤孝子、ジェリー・ククルスキー 20.0%
48 9月4日 囮作戦 峯尾基三 田中浩、井上博一、山口あきら、草薙良一、畑中猛重、柿沼大介、吉中六、荻原紀、大竹義夫、二家本辰巳、郷内栄喜、中瀬博文、西内彰 19.6%
49 9月11日 黒岩軍団抹殺指令 大野武雄 鹿内孝谷本一、姿鐵太郎、城野勝己、石川敏、高橋義治、松尾悟、新井一夫、藤田康之、町田幸夫、芳沢洋三、西山健司、矢野泰子、新井恵己、加々良一和輝、蒲生郁恵 25.0%


スタッフ 編集

音楽 編集

『…闘いの日々』『…PARTII』では複数の作編曲家ないしバンドによる競作というスタイルだったが、本作の音楽は挿入歌を除いた全曲を荒川達彦が担当。演奏は高橋達也と東京ユニオンが務め、シリーズ中最も大掛かりな編成で録音された。なお、シリーズ開始当初より『PARTII』のBGMも多数流用されている。

演奏 編集

  • 高橋達也と東京ユニオン
    • サクソフォン:高橋達也(リーダー、テナー、フルート)、井上誠二(テナー、ソプラノ、フルート)、堀恵二(アルト、フルート)、柳沼寛(アルト、フルート)、石兼武美(バリトン)
    • トランペット、フリューゲルホーン:多田善文、安孫子浩、鈴木基治、斉尾知一
    • テナー・トロンボーン:早川隆章、内田清高、藤林潤
    • ベース・トロンボーン:簾健一
    • ピアノ:金山正浩
    • ドラム:中村秀樹
    • ベース:石田良典
  • トランペット:中沢健二
  • キーボード:宮浦章景
  • ギター:幾見雅博、三畑貞二
  • パーカッション:鳴島英治

テーマ曲 編集

『大都会PARTIII テーマ』作曲・編曲:荒川達彦
トランペットによるメロディとリズムセクションを個別に録音しており、初回録音時のTV用音源とサントラレコード用音源は、それぞれ別テイクのメロディがミックスされている。その後、第31回以降のオープニングはレコード用音源に差し替えられている。TV用テイクはバップより発売の『伝説のアクションドラマ音楽全集 大都会PARTIIIミュージックファイル』に収録された。

主題歌・挿入歌 編集

主題歌
『日暮れ坂』作詞:水木かおる、作曲:遠藤実、編曲:斉藤恒夫、歌:渡哲也
全話で事件解決直後の黒岩ないし黒岩軍団を描くエンディングのBGMに使われた。
挿入歌
みちづれ』作詞:水木かおる、作曲:遠藤実、編曲:斉藤恒夫、歌:牧村三枝子
元々は渡の持ち歌だったものを当時同じレコード会社(ポリドール)に所属していた牧村がカバーしてミリオンセラーを記録、彼女の代表曲ともなった。
『それから先はあんたしだい』作詞:永山和雄、作曲:馬飼野俊一、編曲:高田弘、歌:牧村三枝子
第11話のみ使用。

「エンディングに主演俳優の歌を使う」「刑事の行きつけの店で若手歌手が歌う」というフォーマットは『西部警察』にも受け継がれる。

ノベライゼーション 編集

  • 原作 - 大都会脚本グループ
  • 編著 - 新樹瞳志
  • 編・発行元 - 日本テレビ放送網
  • 発売元 - 読売新聞社
書名 収録タイトル 発行日
大都会III 帰ってきた黒岩軍団 / 東京・クライシス / 白昼のパニック / 捜査中止命令 / 人質爆殺[11] / 野獣の叛乱 / 高層の狙撃者 / 狙われた部長刑事 昭和53年11月24日
大都会IV 白い恐怖[12] / 報復 / 脱出路 / 警官ギャング / 誘拐 / 女豹と刑事野郎 / 通り魔 / 殺人予告 / 奪われたポリス スペシャル 昭和54年4月23日

撮影中の事故 編集

第36話「密告屋」の撮影中、宮本刑事役の苅谷俊介が転倒して頭部を強打するという事故が発生した。苅谷は番組でロケ地として使用されていた渋谷病院へ救急搬送されたが、一時は意識不明の危篤状態に陥った。第39話までは撮影済みだった聞き込みなどの一部シーンに出演しているものの、続く第40話からの撮影は苅谷を外した状態で続行された。その間もオープニング映像には登場していたが、クレジットは削除されていた。苅谷は後に回復し、最終話「黒岩軍団抹殺指令」で復帰した[13]

再放送・ソフト化 編集

関東地区での再放送は1979年11月~80年1月に月~金16時(青春アクションシリーズ枠)、再々放送は1981年10月~12月に月~金15時に行われた。現時点での地上波における最後の再放送は、1986年10月27日から1987年10月19日にかけ、毎週月曜25時15分(火曜未明)の「ナイトスクリーン」枠で行われた。

上記の再放送終了以来、地上波、衛星放送でも再放送の機会もなく、ビデオやDVD等のソフト化も一切行われなかったため視聴が困難な状態であったが、2009年より、前2作に続いてCS放送局の日テレプラスで再放送が行われた。チャンネル銀河では、HDリマスター版が2013年4月15日から、BS11では2016年11月30日からそれぞれ再放送された。

DVD-BOXは2012年10月、11月にポニーキャニオンから発売された。BOX1には第1話~第26話。BOX2には第27話~第49話が収録されている。

そのほか、トーラスレコードから発売された『日暮れ坂』のレーザーディスクカラオケなどで、第8話と第13話の本編一部とメイキング映像をBGVとして見ることが出来る。

『西部警察』への移行 編集

  • 本作の当初の予定終了後に、放送延長もしくは新シリーズ(『新大都会』『大都会IV』『にっぽんFBI』などの仮題)の制作が日本テレビ側から希望されていた[14]。しかし石原プロがテレビ朝日系で放映された『浮浪雲』を制作したことをきっかけに、テレビ朝日から石原プロに対し破格の条件(広告代理店を介しない、テレビ朝日との直接契約)で『西部警察』の制作を打診されたことで『大都会』シリーズは終了した。この時は円満な“移籍”であり、日本テレビ側も気持ち良く送り出したといい、第1制作部長になった井原高忠からも「ダメだったら半年後でも1年後でもすぐ戻って来い」とも言われたという[15]。車両スポンサーもそのまま日産自動車が引き継ぎ、『西部警察』からは特殊車両の製作を担当することになる。
  • ちなみに『西部警察』第1話時点で本作からスライドして出演しているのは石原・渡・寺尾・苅谷・武藤の5人であり、後に峰と高城も出演することとなる。このうち石原は医者から軍団をサポートする捜査課長に、武藤は新聞記者から鑑識課員に役柄が変わる。峰は同じ刑事ながら、本作とは大きく異なる三枚目キャラクターで登場している。これ以外のメンバーでは、星と小野もゲスト出演を果たしている。
  • 日本テレビでは本作終了の翌週から、『…PARTII』で徳吉刑事を演じた松田優作の主演による『探偵物語』を放送。この作品では、監督の村川透を筆頭に『大都会』『西部警察』と共通のスタッフが多く起用されている。その第3話では、松田演じる工藤俊作と倍賞美津子演じる女弁護士が乗る車が、大型トラックとヘリコプターに狙われる大掛かりなカーチェイスシーンがあるが、この境遇について工藤が「おいおい、まるで『大都会 PARTIII』じゃねえか!」と突っ込むセリフがある[16]

その他 編集

  • 企画段階では、牧野役に郷鍈治、虎田役に沖雅也永島敏行の名が上がっていた。そして前作『PARTII』で人気を博した松田優作に本作にもと出演交渉していたが、1978年8月にクランクインする東映映画出演もあり「器用ではないので掛け持ちは出来ない。今年いっぱいは映画に専念したい」との本人の意向により断念した[17]。また、舘ひろしのレギュラー出演が検討されたが、音楽活動に専念するという理由で本人が辞退している(後に『西部警察』に出演し、『…PARTI』の初回から第30話で一旦降板したが、第109話から『…PARTIII』の最終回まで別の役で再出演した)[18]
  • 30数台のパトカーが坂を上り下りし、ヘリコプターが飛ぶという本作のオープニング映像は、現・横浜市青葉区あざみ野の幅の広い道路で撮影された[19]
  • 第19話「警官ギャング」は当初、第17話として1979年1月30日に放送される予定だったが、銀行強盗を扱った内容が同年1月26日大阪で発生した三菱銀行人質事件の影響を受け、「誘拐」と差し替えられた。「警官ギャング」は2週間後の2月13日に放送された。
  • 銀行強盗が立てこもるシーンを撮影するために、調布市内にある石原プロの取引先の銀行にロケ協力を申し込んだが、銀行の上層部はこのストーリーの内容に難色を示して協力を渋った。これを受けて制作の陣頭指揮を執っていた小林正彦は石原プロの預金をすべて引き揚げ、これが支店長の進退問題になるほどの騒ぎに発展した。銀行上層部が丁重に謝罪し、この銀行でのロケが実現したという[20]
  • 動画配信サイト「hulu」では、権利上の理由(詳細は不明)により第27話が配信されていない。
  • 第37話「頭取集団誘拐」のプロットは、後に1996年の映画『あぶない刑事リターンズ』(脚本:柏原寛司、大川俊道 / 監督:村川透)へ流用された[21]
  • 第41話「アメリカン・ポリス」において、クレジットはないが「村山モータース[22]」での撮影が数カットあり、当該場面その他で、ドゥカティ・ダーマSS[23](シルバーに青のストロボライン)、900SS(黒に金の細ライン)、MVアグスタ・125S(赤)、BMW・R100RS(赤)、ドゥカティ・GTL(赤、350or500)、その他が写り込んでいる。
  • 週刊文春』2020年8月27日号にて渡哲也の追悼グラビアが組まれ、そこに本作のスチール写真が掲載されていたが、キャプションの誤り(作品名が「西部警察」、星正人が「松田優作」)を複数の読者から指摘され、翌9月3日号の読者投稿ページにて謝罪文を掲載することとなった。

脚注 編集

  1. ^ シナリオ上は「捜査1課」。作中では「捜査課」だが、24話「冷血」での丸山の名刺では「刑事課 捜査係」と表記されており、渋谷区並木橋3-7-7が所在地となっている。
  2. ^ 番宣資料やサウンドトラック盤などで用いられたロゴタイプではゴナ、タイトルコールでは逆台形構造に立体処理を加えた手書きロゴを使用している。
  3. ^ 但し、大型車は当時傘下に日産ディーゼル工業があったにもかかわらず、いすゞふそうといった他社の車両も頻繁に使われており、乗用車でも初期の作品では、ホンダ・アコードいすゞ・フローリアン、『PARTII』で使用されていたトヨタ・クラウン等が登場していた。
  4. ^ 『…闘いの日々』『…PARTII』では仁科明子演ずる「黒岩恵子」という妹が登場していたが、松方弘樹との不倫騒動を受けてPARTII途中で降板、そのまま芸能活動を休止→一時引退となった。『西部警察』では妹の設定が復活しており、妹役は新たに古手川祐子が起用されている。
  5. ^ 青志社刊『大都会PARTⅢ SUPERBOOK』「プロローグ」内企画意図(P5)
  6. ^ a b DVD-BOX付属の解説書より
  7. ^ 劇中ではポリススペシャルと名称されている(第27話)。
  8. ^ 当時、小野は映画『天平の甍』の出演が重なりスキンヘッドにしていたが、撮影スケジュールの都合から、スキンヘッド状態から急に髪が伸びていたり、またその逆といった不思議な現象が起こっていた。
  9. ^ ネーミングは前々作『…闘いの日々』で中条静夫が演じた加賀見乙吉に由来しているが、これは企画当初、中条のキャスティングを想定して加賀見の再登場が予定されていたため。なお、『…PARTII』での企画時も捜査課長役として、加賀見=中条のスピンオフが予定されていた。
  10. ^ 前作のPARTII初期では渋谷病院看護婦・加山洋子を演じていたが、9話より捜査課事務員・千田幸子を演じた。本作で「佐藤リエ」と役名を変えつつも渋谷病院看護婦役に戻っている。
  11. ^ 第7話「逃亡の滑走路」に相当
  12. ^ 第11話「白の恐怖」に相当
  13. ^ 『NTV火曜9時 アクションドラマの世界 「大都会」から「プロハンター」まで』(2015年、DU BOOKS)第4章「大都会 PARTIII」(p.247 - 248)
  14. ^ 『NTV火曜9時 アクションドラマの世界 「大都会」から「プロハンター」まで』第4章「大都会 PARTIII」(p.253 - 254)。ただし、この中ではこれについては「今回取材した限りでは、そういった事実は一切確認できなかった」とある。
  15. ^ 『NTV火曜9時 アクションドラマの世界 「大都会」から「プロハンター」まで』第4章「大都会 PARTIII」(p.254。元記事は『シネアルバム 石原裕次郎…そしてその仲間 』(1983年、芳賀書店)より)
  16. ^ 当初はこの話が第1話としてオンエアされる予定であった。
  17. ^ 週刊TVガイド 1978年7月28日号 26頁「レポート・松田優作が『大都会』をおりる」
  18. ^ 『NTV火曜9時 アクションドラマの世界 「大都会」から「プロハンター」まで』第4章「大都会 PARTIII」(p.215 - 216)
  19. ^ 『NTV火曜9時 アクションドラマの世界 「大都会」から「プロハンター」まで』第4章「大都会 PARTIII」(p.210)
  20. ^ 『NTV火曜9時 アクションドラマの世界 「大都会」から「プロハンター」まで』第4章「大都会 PARTIII」(p.228)
  21. ^ 洋泉社映画秘宝』2012年11月号
  22. ^ レスポンス(Response.jp)、2018年7月25日 [1]より、ハーレー老舗ディーラー、村山モータース破産開始決定 負債総額1億4000万円
  23. ^ 900SDダーマに900SS風のカウル装着でSSに寄せたモデル