押川 善文(おしかわ よしふみ、1977年9月5日[1][2] - )は、日本俳優スタントマン宮崎県出身。ジャパンアクションエンタープライズ(JAE)、株式会社悪の秘密結社[3]を経てフリー。本名:古家 善文ふるや よしふみ[要出典]。身長182cm、血液型A型。

おしかわ よしふみ
押川 善文
本名 古家 善文
生年月日 (1977-09-05) 1977年9月5日(46歳)
出生地 日本の旗 日本宮崎県
身長 182 cm
血液型 A型
職業 スーツアクタースタントマン
活動期間 1999年 - 2015年
2020年 -
事務所 フリー
主な作品
仮面ライダーシリーズ
炎神戦隊ゴーオンジャー』(ゴーオンブルー役)
侍戦隊シンケンジャー』(シンケンブルー役)
獣電戦隊キョウリュウジャー』(キョウリュウレッド役)
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来歴 編集

高校卒業後、パン店に勤めていたが、体を動かす仕事を目指しており、職場の先輩の薦めによりJAC(現JAE)に入門した[2]

後楽園ゆうえんちスーパー戦隊シリーズショーを経て、2000年に『未来戦隊タイムレンジャー』の戦闘員役でデビュー[1][2][注釈 1]2001年の『仮面ライダーアギト』の仮面ライダーギルス役からヒーロー役で出演するようになる[1][2][4]

2005年の『仮面ライダー響鬼』では仮面ライダー威吹鬼役以外に、俳優としてショウキ役で顔出し出演もしている。また、銃を主な武器とするライダーを演じることが多かった[1]

2008年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』より、主な活躍の場をスーパー戦隊シリーズに移す[1]。2012年の『特命戦隊ゴーバスターズ』以降は以前までレッドを演じていた福沢博文がアクション監督に転向したことでレッド役を演じることになり、『烈車戦隊トッキュウジャー』までの3作品で主役戦士のスーツアクターを担当した。3作品のレッドについて押川は、それぞれキャラが異なっていたので助かったと述べている[5]

2010年2月には、JAE所属俳優による音楽ユニット「J-MEN」に参加。1stシングル「限界Revolution」で歌手デビューを果たしている[6]

2015年2月4日、ライブコミュニティサイトスティッカム内番組であるウィークエンドネットスクールで、2015年2月をもって現役引退を発表した。映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』(デネブ役・仮面ライダーギャレン役)の撮影を最後に引退した[5]

公開順ではオリジナルビデオ『行って帰ってきた烈車戦隊トッキュウジャー 夢の超トッキュウ7号』の方が後であるためこちらも引退作と称される[7]。同作品では押川はトッキュウ1号役のほかに教師役で顔出し出演し、押川に縁のある高岩成二岡元次郎渡辺淳らが戦闘員役で立ち回りに参加するなど、記念作品としての一面もある[8]

2020年4月より九州朝日放送にて放送される『ドゲンジャーズ』にてメインスーツアクターとして業界復帰[9][10]。同年7月に悪の秘密結社に入社した[3]。 2024年4月1日、悪の秘密結社を退社したことを自身のXにて発表した[11]

人物・エピソード 編集

空手初段の有段者[4]。趣味はサッカー[4]。好きな俳優は松田優作[4]。ダンスは苦手としている[5]

撮影現場では放浪する癖があり、出番間近に押川を探す関係者らを隠れて見ていることもあったという[5]

戦闘員として参加した『未来戦隊タイムレンジャー』では、アクション監督が信頼のある先輩アクターに先陣を切らせていたが、押川はこれを嫌い、自身が先頭に出るため新人とばれないようにテスト段階からマスクを装着して臨み、次第に「面白いやつ」として信頼を得るに至ったという[2]。その後、『仮面ライダーアギト』への参加が決まったことにより怪人役も任されるようになった[2]

劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』での高岩成二演じる仮面ライダー龍騎と岡元次郎演じる仮面ライダーリュウガとの対決を自身が見てきたアクションの中で最高のものと評しており、その影響から自身の演技でも前のカットと感情をつなげることを重視している[1]スーパー戦隊シリーズでは、仮面ライダーシリーズとは真逆でアクションが先行しているため前後のカットが決まっていないことも多く、押川のやり方が合わないこともあったが、押川は怒られても妥協したくないとの考えから強引に押し通したという[1]

仮面ライダー電王』において桜井侑斗を演じた中村優一は、雑誌のインタビューにて「最終回のシーンは自然と涙が出た。押川さんともう会えなくなっちゃうんだ、と思って…。押川さんが本当に暖かい人なんで…」と語っている[12]。その後、『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』で再共演した時は押川も再会を喜んだことを語っている[5]。復帰作である『ドゲンジャーズ』でも共演を果たした[10]

引退の理由は、自身の考えたアクションと実際の演技に違いが出るようになってアクションの仕事を楽しんで行うことが出来ず、自身の実力も見えたためとしている[5]。押川は『烈車戦隊トッキュウジャー』を最後のレギュラー作品と決めていたが、結果として想い入れが強すぎて空回りを感じたことを述懐している[5]

出演 編集

特記のない限り2010年以前のものは『JAE NAKED HERO』「LIST OF WORKS 押川善文」より[13]

テレビドラマ 編集

特撮テレビドラマ 編集

テレビスペシャル 編集

バラエティ番組 編集

映画 編集

Vシネマ 編集

ネットムービー 編集

CM 編集

  • 救急戦隊ゴーゴーファイブ(1999年、東映)
  • NTT東日本「ガッチャマン」(2000年)
  • 大王製紙「エリス-エクストラスリム-」(2000年) - 鈴木一平吹き替え
  • 三共リゲイン(2003年) - 永瀬正敏吹き替え
  • JAL沖縄キャンペーン(2003年) - 坂口憲二吹き替え

舞台 編集

  • JAC第2回プロデュース公演「NOBUNAGA-戦国異聞」(1998年、東京芸術劇場
  • JAC第3回プロデュース公演「HIJIKATA」(1999年、東京グローブ座) - 新撰組隊士 役ほか
  • 救急戦隊ゴーゴーファイブショー(1999年、後楽園ゆうえんち野外劇場) - 使い魔インプス[2]
  • JAE Presents「白鎧亜 -HAKUGAIA-」(2010年、日替わり出演「天と地」及び、トーク)

イベント 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ クレジットのある役としては1999年『傷だらけの女スペシャル』の誘拐犯役で初出演[4]。スタントとしては『SMAP in ガッチャマン』を担当した[4]

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 「SUITS ACTOR INTERVIEW_02 押川善文」『海賊戦隊ゴーカイジャー公式読本 豪快演義』グライドメディア〈グライドメディアムック73〉、2012年6月1日、110-111頁。ISBN 978-4-8130-8173-9 
  2. ^ a b c d e f g h i j 仮面俳優列伝 2014, pp. 101–111, 「第2章 昭和から平成へ仮面の下のイノベーション 09 押川善文」(東映ヒーローMAX vol.38掲載)
  3. ^ a b 改めまして…押川善文さんが悪の秘密結社に入社してくださいました!! ヤバイ仮面Twitter” (2020年7月25日). 2020年7月28日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 宇宙船』Vol.118(2005年5月号)、朝日ソノラマ、2005年5月1日、15頁、雑誌コード:01843-05。 
  5. ^ a b c d e f g h トッキュウジャー公式完全読本 2015, pp. 44–45, 「Suits Actor's TALK_01 押川善文」
  6. ^ アクション・スタントならJAE 株式会社ジャパンアクションエンタープライズ” (2013年4月14日). 2022年6月27日閲覧。
  7. ^ トッキュウジャー公式完全読本 2015, pp. 45、77.
  8. ^ トッキュウジャー公式完全読本 2015, pp. 45、62、77.
  9. ^ a b 福岡を舞台にした特撮作品「DOGENGERS(ドゲンジャーズ) 」放映決定!”. PRTIMES (2020年2月1日). 2020年3月4日閲覧。
  10. ^ a b 「ドゲンジャーズ」『宇宙船』vol.168(SPRING 2020.春)、ホビージャパン、2020年4月1日、90-91頁、ISBN 978-4-7986-2182-1 
  11. ^ 押川善文 [@1899FBC] (2024年4月1日). "お世話になった悪の秘密結社を退社する事になりました。". X(旧Twitter)より2024年4月24日閲覧
  12. ^ 『仮面ライダー電王キャラクターブック02 クライマックスは続くよどこまでも』朝日新聞出版、2008年3月30日。ISBN 978-4-02-213820-0 
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 「LIST OF WORKS 押川善文」『JAE NAKED HERO』太田出版、2010年3月8日、123頁頁。ISBN 978-4-7783-1210-7 
  14. ^ YabeZoのツイート- X(旧Twitter)
  15. ^ 海賊戦隊ゴーカイジャー 第4話 何のための仲間|東映[テレビ]”. 2011年7月16日閲覧。
  16. ^ 豪快演義 2012, p. 95, 「LEGEND COMMENT_05 和田圭市」.
  17. ^ 特命戦隊ゴーバスターズ|東映[テレビ]”. 2012年2月5日閲覧。
  18. ^ 獣電戦隊キョウリュウジャー 「ブレイブ2 ガブリンチョ!カミツキがったい」|東映[テレビ]”. 2013年2月17日閲覧。
  19. ^ 『東映ヒーローMAX VOL.48』辰巳出版、2014年2月1日。ISBN 978-4777812776 
  20. ^ 超全集 最終巻 2003, p. 52.
  21. ^ FC 2003, pp. 72–77, 「仮面の告白」.
  22. ^ JAE出演者情報2002年3月のサイト(2004年8月4日時点のアーカイブ)
  23. ^ 超解析 2016, p. 34-43, 「SPECIAL INTERVIEW 高岩成二「Mr.平成仮面ライダー、激闘の変遷を語る!」」.
  24. ^ JAE出演者情報2002年10月のサイト(2006年12月01日時点のアーカイブ)
  25. ^ JAE出演者情報2002年11月のサイト(2006年12月01日時点のアーカイブ)
  26. ^ JAE出演者情報2003年1月のサイト(2006年12月1日時点のアーカイブ)
  27. ^ JAE出演者情報2003年6月のサイト(2004年10月13日時点のアーカイブ)
  28. ^ JAE出演者情報2003年8月のサイト(2006年12月01日時点のアーカイブ)
  29. ^ a b 押川《ドレイク》善文さんの悲哀?”. 仮面ライダーカブト(東映公式) (2006年4月30日). 2011年7月16日閲覧。
  30. ^ 魂 2006, p. 68, 関東十一鬼.
  31. ^ キャラクターブック02 2007, pp. 62–63, 「キャストインタビュー2 山口祥行」.
  32. ^ テレビマガジン特別編集 2009, p. 14.
  33. ^ テレビマガジン特別編集 2009, p. 20.
  34. ^ ディケイド公式読本 2009, p. 184.
  35. ^ a b 真剣勝負 2010, p. 111, 「Shinken Suit-Actor's Talk 01 福沢博文×押川善文×竹内康博」.
  36. ^ 「スーツアクター対談&座談会」『仮面ライダーオーズ/OOOキャラクターブック VOL.2 Happy Birthday......』東京ニュース通信社、2011年9月9日、57頁、58頁頁。ISBN 978-4863361669 
  37. ^ STORY HIGHSCHOOL - 【ドゲンジャーズ】公式サイト
  38. ^ 宇宙船YB2024 2024, p. 32, 「ドゲンジャーズ メトロポリス」.
  39. ^ 『ニュータイプ10月号増刊 Newtype THE LIVE Extra 仮面ライダー龍騎 THE SPECIAL』、角川書店、2002年10月1日、109頁、共通雑誌コード:T1107010100580。 
  40. ^ a b c d 「スーツアクター大放談」『NEWTYPE THE LIVE EXTRA 劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE 完全攻略ガイド』、角川書店、2004年。 
  41. ^ 『EPISODE RED』映画パンフレットより。
  42. ^ a b 公式プロフィールより
  43. ^ 『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕 公式ガイドブック 一筆、天装!』角川書店、2011年、32-35頁。ISBN 978-4048545884 
  44. ^ kzkevzyde6zaljlのツイート(1373975164673650689)
  45. ^ しいはし「緊張で死にそう」御茶男とゴーカイジャーが共演”. ナタリー. 2011年7月16日閲覧。
  46. ^ a b 劇場パンフレットより記載[要文献特定詳細情報]
  47. ^ キョウリュウジャー公式完全読本 2014, p. 85, 「suits actor CROSS TALK01 押川善文×竹内康博×高田将司×浅井宏輔×野川瑞穂×大藤直樹
  48. ^ a b c d e 映画パンフレットより[要文献特定詳細情報]
  49. ^ トッキュウジャー公式完全読本 2015, pp. 46–49, 取材・構成 豊田朋久「TOQGER Suit Actor's TALK_02 高田将司×五味涼子×竹内康博×野川瑞穂×浅井宏輔」.
  50. ^ 21st 14 2017, pp. 8–9, 「ライト/トッキュウ1号」.
  51. ^ エンタミクス 2015 4月号 No.78
  52. ^ 仮面ライダーぴあ 2015, pp. 14–105, 「白倉伸一郎as「仮面ライダー」シリーズ・チーフプロデューサー」
  53. ^ 東映HM51 2015, p. 29, 「Cast Interview 中村優一」.
  54. ^ ガオVSスーパー戦隊”. もとちゃんnote. 2022年9月15日閲覧。
  55. ^ 「宇宙船vol.136特別付録 宇宙船 YEARBOOK 2012」『宇宙船』vol.136(2012.春号)、ホビージャパン、2012年3月31日、別冊p.23、ISBN 978-4798603681 
  56. ^ キョウリュウジャー公式完全読本 2014, pp. 66–69, 「director INTERVIEW02 竹本昇
  57. ^ “「テン・ゴーカイジャー」にナビィ役・田村ゆかり出演、スーツアクターも再集結”. 映画ナタリー. (2021年10月6日). https://natalie.mu/eiga/news/448118 2021年10月6日閲覧。 

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集

先代
福沢博文
(2011年、『ゴーカイジャー』)
スーパー戦隊シリーズ
歴代主役戦士・歴代レッド役スーツアクター
押川善文
2012年、『ゴーバスターズ』 - 2014年、『トッキュウジャー』)
次代
藤井祐伍
2015年、『ニンニンジャー』)