朝日放送テレビ制作日曜10時枠の連続ドラマ
朝日放送テレビ制作日曜10時枠の連続ドラマ(あさひほうそうテレビせいさく にちよう10じわくのれんぞくドラマ)は、朝日放送テレビ(ABCテレビ)の制作により、テレビ朝日系列(フルネット局のみ)で2023年4月30日から毎週日曜日の22:00 - 22:54に放送されているテレビドラマ枠[1]。通称「日10ドラマ」。
概要
編集テレビ朝日系列の日曜22時台はかつて『日曜洋画劇場』(21時から)を放送した時間枠で、その後はバラエティ番組枠になっていた。ドラマ枠は2018年から2020年まで放送された単発枠『日曜プライム』(上記番組同様)以来、連続ドラマは1967年1月1日 - 同年3月26日放送の海外作品『夜間捜査官ホーク』(22:00 - 22:56)以来56年ぶり、国産作品に至ってはその前の1966年11月27日 - 同年12月25日放送『海の心の通うとき』(同枠)以来56年3か月ぶりとなる(「日本教育テレビ」から「テレビ朝日」に社名変更後といわゆる腸捻転解消後はいずれも初。)。
こうした中で、動画配信サービスである『TVer』など、配信プラットフォームが拡充していることに伴い、テレビ朝日系列においては、2021年1月から『オシドラサタデー』を、2022年10月から火曜21時台に連続ドラマを新設している[2]。
2023年1月20日に行われた朝日放送テレビの新春社長会見で、同年4月から日曜22時台の全国ネットの連続ドラマ枠を新設すると発表した[3]。この会見で朝日放送テレビ社長の山本晋也は、今回のこのドラマ枠の新設の意図について「これからは、配信を含めた多様なプラットホームとの連携や海外市場を見据えたコンテンツを生み出すことが重要。ドラマはその中核にある。より多くの視聴者に、よりクオリティーの高いドラマを届けるためにプライム帯のドラマをスタートさせることにした」と述べた上で「しっかりと制作費を投入してクオリティーの高いものを作っていきたい。ABCはバラエティーを得意としているが、ドラマももっとしっかりと作って、海外展開も含めて、力を入れてやっていきたい」と意気込みを示した[3]。
さらに、朝日放送テレビの総合編成局長・幾野美穂は2023年3月23日に行われた春の改編発表会で、このドラマ枠について、「地上波だけでなく配信でもより多くの方に見られるコンテンツを作っていきたい」と述べた上で、「20~40代若年層を中心に届けたい。出演者、脚本家も力のある皆さんと一緒に1時間(の枠)でしっかり作り込んでいきたい」と意気込みを語った[4]。
ゴールデン・プライムタイムにおける朝日放送→朝日放送テレビ制作の連続ドラマ枠は、2011年3月まで放送されていた金曜9時枠の連続ドラマ(通称『金9』、テレビ朝日との共同制作)[注 1]以来12年ぶりとなる。またテレビ朝日系列の22時台に1時間ドラマが編成されるのは、1988年1月15日 - 同年3月18日に金曜 22:00[注 2]で放送された『ダウンタウン探偵組』(朝日放送制作)以来35年ぶりとなる。さらに、朝日放送テレビが単独でプライムタイムに連続ドラマを制作するのは1993年10月から1995年9月まで放送された『火曜ドラマリーグ→火曜ドラマ』以来、27年半ぶりとなり[3]、日曜22時台にミニ番組を除いて朝日放送テレビ制作のレギュラー番組が編成されるのは、腸捻転時代にあたる1972年4月から1975年3月まで放送されていた『蝶々・雄二の夫婦善哉→ミヤコ蝶々の夫婦善哉』(当時TBS系列、22:30 - 23:00)[注 3]以来48年ぶり、「腸捻転解消後」かつ「連続ドラマ枠」としては初であり、日曜22時台にミニ番組を除いて朝日放送テレビ制作のレギュラー番組が編成されるのも「腸捻転解消後」初となる[注 4]。
本枠は大物脚本家によるオリジナル作品を重点的に編成する方針であると清水一幸プロデューサーにより語られている[5]。
ドラマ枠新設前までは、朝日放送テレビの制作枠は火曜21時枠を担当していたが、2022年9月の『火曜プライム』終了以来、半年がかりでの枠移動となった。20時台の『ポツンと一軒家』の拡大スペシャルなど21時台に朝日放送テレビ制作番組が放送される場合は本枠と前座番組の『サンデーステーション』(テレビ朝日制作)の枠を交換する形で当該時間帯に「サンステ」を放送する処置をとっているほか、番組改編期に放送される特別番組はテレビ朝日が制作する場合がある。
なお、本ドラマ枠の新設に伴い、この時間帯に放送されていた『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日制作)は、2023年4月以降は毎週水曜日の深夜に移動することとなった[6]。
また、本枠は22:30 - 22:54にわたって日本テレビ系列の『日曜ドラマ』と競合する[2]。『日曜ドラマ』枠では読売テレビ制作作品が放送される場合があり、その際には日曜の22時台において在阪広域民放テレビ4局が制作に携わる全国ネット番組が同時に放送される[注 5]。
プライムタイムで放送されるテレビドラマの多くは放送後に視聴率が報道されるが、本枠ではほとんど報道されない。
放送時間は、22:00 - 22:54が通常編成となっているが、ドラマの放送回によっては時間を拡大したり前座番組の都合により本枠が繰り下がる場合もある。
2024年10月改編にて本枠と放送時間が一部被る『有働タイムズ』(21:00 - 22:15)の放送が開始される[7]が、本枠の処遇は不明。
作品一覧
編集2023年
編集- 日曜の夜ぐらいは…(4月30日 - 7月2日、脚本:岡田惠和、主演:清野菜名)[8]
- 何曜日に生まれたの(8月6日 - 10月8日、脚本:野島伸司、主演:飯豊まりえ)[9]
- たとえあなたを忘れても(10月22日 - 12月17日、脚本:浅野妙子、主演:堀田真由)[10]
2024年
編集- アイのない恋人たち(1月21日 - 3月17日、脚本:遊川和彦、主演:福士蒼汰)[11]
- ミス・ターゲット(4月21日 - 6月16日、脚本:政池洋佑、主演:松本まりか)[12]
- 素晴らしき哉、先生!(8月18日 - 予定、脚本:宅間孝行、主演:生田絵梨花)[13]
ネット局と放送時間
編集テレビ朝日系列フルネット全24局同時ネットで放送されている。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送時間 | ネット状況 |
---|---|---|---|---|
近畿広域圏 | 朝日放送テレビ(ABC TV) | テレビ朝日系列 | 日曜 22:00 - 22:54 | 制作局 |
北海道 | 北海道テレビ(HTB) | 同時ネット | ||
青森県 | 青森朝日放送(ABA) | |||
岩手県 | 岩手朝日テレビ(IAT) | |||
宮城県 | 東日本放送(khb) | |||
秋田県 | 秋田朝日放送(AAB) | |||
山形県 | 山形テレビ(YTS) | |||
福島県 | 福島放送(KFB)[14] | |||
関東広域圏 | テレビ朝日(EX) | |||
新潟県 | 新潟テレビ21(UX) | |||
長野県 | 長野朝日放送(abn) | |||
静岡県 | 静岡朝日テレビ(SATV) | |||
石川県 | 北陸朝日放送(HAB) | |||
中京広域圏 | 名古屋テレビ(メ〜テレ/NBN) | |||
広島県 | 広島ホームテレビ(HOME) | |||
山口県 | 山口朝日放送(yab) | |||
香川県・岡山県 | 瀬戸内海放送(KSB) | |||
愛媛県 | 愛媛朝日テレビ(eat) | |||
福岡県 | 九州朝日放送(KBC) | |||
長崎県 | 長崎文化放送(ncc) | |||
熊本県 | 熊本朝日放送(KAB) | |||
大分県 | 大分朝日放送(OAB) | |||
鹿児島県 | 鹿児島放送(KKB) | |||
沖縄県 | 琉球朝日放送(QAB) |
ネット配信
編集脚注
編集注釈
編集- ^ その金9のドラマ枠は、2011年3月末で廃枠したため、2012年以降は「必殺シリーズ」のスペシャルドラマとして継続して放送されている。
- ^ テレビ朝日は1985年10月から平日22時台に報道番組『ニュースステーション』を開始したが、金曜日だけは22時台に人気時代劇シリーズ『必殺シリーズ』が編成されているため、23:00から開始していた。そして1987年9月25日に『必殺剣劇人』が終了してシリーズが中断すると、直前の金曜21時枠(当時・朝日放送単独制作枠。『ザ・ハングマン』シリーズなどを放送)が移動する形で、『六本木ダンディーおみやさん』→『ダウンタウン探偵組』を放送、そして終了と同時に金曜『Nステ』も22時台開始に変更した。
- ^ 番組自体は1975年9月27日に放送終了。
- ^ なお、同じ曜日で放送されている朝日放送テレビ制作の『ポツンと一軒家』に続いて2番組連続制作となる(当曜日が2番組連続制作になるのは2021年1月19日以来、2年3か月ぶり)。
- ^ 日本テレビ系列では22:30 - 23:25に『日曜ドラマ』(日本テレビと読売テレビが交代で制作、送出は日本テレビ)、TBS系列では『日曜日の初耳学』(毎日放送)、フジテレビ系列では『Mr.サンデー』(フジテレビと関西テレビの共同制作、送出はフジテレビ)を放送している。
出典
編集- ^ a b 『U-NEXTにて、清野菜名 主演『日曜の夜ぐらいは...』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が4月30日(日)より配信スタート!』(プレスリリース)U-NEXT、2023年4月23日 。2024年2月16日閲覧。
- ^ a b 「テレ朝ドラマ枠新設、来年4月期から日曜22時台 同枠で人気作誕生の日テレとのドラマ対決注目」『nikkansports.com』日刊スポーツNEWS、2022年12月27日。2022年12月31日閲覧。
- ^ a b c “ABCテレビ:4月から日曜夜10時に新ドラマ枠 配信や海外市場も見据え「クオリティーの高いドラマを届けたい」”. MANTANWEB(まんたんウェブ). MANTAN (2023年1月20日). 2023年1月24日閲覧。
- ^ 「ABC:4月改編 日曜夜10時のドラマ新枠、配信で海外も視野に 20~40代に向けて「しっかり作り込んだ作品を」」『まんたんウェブ』MANTAN、2023年3月23日。2023年3月25日閲覧。
- ^ “テレビ朝日系「何曜日に生まれたの」 大物脚本家のヒリヒリ感そのままにに”. Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社 (2023年9月5日). 2023年11月5日閲覧。
- ^ “テレ朝「くりぃむナンタラ」水曜午後11時45分に移動 「NEWニューヨーク」は3月末で終了”. nikkansports.com. 日刊スポーツNEWS (2023年1月19日). 2023年1月24日閲覧。
- ^ “有働由美子アナ テレ朝進出「私自身の歩みの集大成」 10月から日曜夜9時冠番組「有働タイムズ」”. デイリースポーツ (2024年7月11日). 2024年7月12日閲覧。
- ^ 「清野菜名出産後初の連ドラ「日曜の夜ぐらいは…」主演「大きな変化があっての作品」岡田惠和氏脚本」『nikkansports.com』日刊スポーツNEWS、2023年1月20日。2023年1月20日閲覧。
- ^ “飯豊まりえ、プライム帯連続ドラマ初主演 『何曜日に生まれたの』で野島伸司と再タッグ”. Real Sound|リアルサウンド映画部. blueprint (2023年6月14日). 2023年6月14日閲覧。
- ^ “堀田真由、浅野妙子脚本『たとえあなたを忘れても』で地上波連ドラ初主演 共演に萩原利久”. Real Sound|リアルサウンド映画部. blueprint (2023年9月6日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “福士蒼汰が“愛のない男”に、遊川和彦オリジナル脚本で紡ぐアラサー男女7人の物語”. 映画ナタリー. ナターシャ (2023年11月3日). 2023年11月3日閲覧。
- ^ “39歳・松本まりか、キャリア24年で「奇跡」地上波GP連ドラ初主演 “結婚詐欺師の婚活”に挑む【コメント全文】”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年2月16日). 2024年2月16日閲覧。
- ^ "生田絵梨花が地上波連ドラ初主演!"人間らしさ全開"の高校教師役「一緒にめげずに乗り越えていけたら」脚本・演出は宅間孝行『素晴らしき哉、先生!』". TV LIFE web. ワン・パブリッシング. 15 May 2024. 2024年5月15日閲覧。
- ^ “2023年10月編成・基本番組表” (PDF). 福島放送 (2023年9月28日). 2024年3月13日閲覧。
関連項目
編集朝日放送テレビをはじめとするテレビ朝日系列 日曜 22:00 - 22:54 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
朝日放送テレビ制作日曜10時枠の連続ドラマ
(2023年4月30日 - ) 【ここから朝日放送テレビ制作】 |
-
|