骨傘(ほねからかさ)は、鳥山石燕の『百器徒然袋』に描かれる日本妖怪である。

鳥山石燕百器徒然袋』より「骨傘」

和紙がはがれて骨ばかりとなった古い唐傘(からかさ)が、火をまとって宙を舞う姿で描かれており、石燕による解説文中には「北海に鴟吻(しふん)と言へる魚あり かしらは龍のごとく からだは魚に似て 雲をおこし雨をふらすと このからかさも雨のゑんによりてかかる形をあらはせしにやと 夢のうちにおもひぬ」とある。鴟吻(鴟尾)は日本における(しゃちほこ)の原型であり、雨を呼ぶ火災よけの飾りとして屋上に設置されるものである点から、石燕は雨から傘を連想しこの「骨傘」を描いたのではないかと考えられている[1][2]

平成以降の解説 編集

漫画家・水木しげるの著作では、風もないのに傘を勢いよくひらいて骨だけにしてしまう[3]あるいは、古びた傘が温度と湿り気によってこの妖怪となり、踊りだす[4]、と解説されている。

脚注 編集

  1. ^ 高田衛監修 稲田篤信・田中直日 編『鳥山石燕 画図百鬼夜行国書刊行会、1992年、275頁。ISBN 978-4-336-03386-4 
  2. ^ 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、308頁。ISBN 978-4-620-31428-0 
  3. ^ 水木しげる『決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』講談社講談社文庫〉、2014年、669頁。ISBN 978-4-06-277602-8 
  4. ^ 水木しげる『ゲゲゲの鬼太郎 誕生編』講談社〈KCデラックス〉、1996年。ISBN 978-4-06-319746-4。"口絵"。 

関連項目 編集