2022年イギリスグランプリ

2022年イギリスグランプリ: 2022 British Grand Prix)は、2022年のF1世界選手権の第10戦として、2022年7月3日シルバーストン・サーキットにて開催。

イギリスの旗 2022年イギリスグランプリ
レース詳細
日程 2022年シーズン第10戦
決勝開催日 7月3日
開催地 シルバーストン・サーキット
イギリスの旗 イギリス (イングランドの旗 イングランド) シルバーストン
コース長 5.891km
レース距離 52周 (306.198km)
決勝日天候 晴れ
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:40.983
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ルイス・ハミルトン
タイム 1:30.510(52周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

正式名称は「Formula 1 Lenovo British Grand Prix 2022 [1]

背景 編集

タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C1、ミディアム(黄):C2、ソフト(赤):C3のハード寄りの組み合わせ。提供されるセット数はハード2、ミディアム3、ソフト8[2]
ピレリタイヤの組み合わせ
ドライ用 ウェット用
C3 C4 C5 インターミディエイト フルウェット
 
(ハード)
 
(ミディアム)
 
(ソフト)
 
(小雨用)
 
(大雨用)
DRS:2箇所[3]※( )内は検知ポイント
  • DRS1:ターン5より50m先から(ターン3の手前25m)
  • DRS2:ターン14から(ターン11)

エントリーリスト 編集

前戦から変更なし。

フリー走行 編集

FP1[5]
2022年7月1日 13:00 BST(UTC+1)
トップはバルテリ・ボッタス。雨のセッションとなったが、週末を通して天候は回復する見通しだったため、タイム計測はわずか10台に留まった。
FP2[6]
2022年7月1日 16:00 BST(UTC+1)
トップはカルロス・サインツ。アップグレードを持ち込んだメルセデスのルイス・ハミルトン、母国グランプリのランド・ノリスが続いた。
FP3[7]
2022年7月2日 12:00 BST(UTC+1)
トップはマックス・フェルスタッペン。2位にセルジオ・ペレス、3位にシャルル・ルクレールが続いた。

予選 編集

2022年7月2日 15:00 BST(UTC+1)(文章の出典先[8]

ポールカルロス・サインツで自身初の獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン、3番手にシャルル・ルクレール

Q1は全車インターミディエイトでタイム計測を行い、ハース勢とアストンマーティン勢、アレクサンダー・アルボンの5名が脱落。Q2では雨が強くなり、ランド・ノリスアクアプレーニングを訴えるほどに路面は悪化した。Q3はサインツが終盤に最速タイムを更新、参戦151戦目で初のポールポジションを獲得した。

予選結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 55   カルロス・サインツ フェラーリ 1:40.190 1:41.602 1:40.983 1
2 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 1:39.129 1:40.655 1:41.055 2
3 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 1:39.846 1:41.247 1:41.298 3
4 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 1:40.521 1:42.513 1:41.616 4
5 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:40.428 1:41.062 1:41.995 5
6 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1:41.515 1:41.821 1:42.084 6
7 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 1:41.598 1:42.209 1:42.116 7
8 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 1:40.028 1:41.725 1:42.161 8
9 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 1:40.791 1:42.640 1:42.719 9
10 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1:41.998 1:43.273 2:03.095 10
11 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 1:41.680 1:43.702 11
12 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 1:41.396 1:44.232 12
13 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 1:41.893 1:44.311 13
14 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 1:41.933 1:44.355 14
15 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 1:41.730 1:45.190 15
16 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 1:42.078 16
17 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 1:42.159 17
18 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:42.666 18
19 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 1:42.708 19
20 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:43.430 20
ソース:[9][10]

決勝 編集

2022年7月3日 15:00 BST(UTC+1)(文章の出典先[11]

優勝はカルロス・サインツ。2位にセルジオ・ペレス、3位にルイス・ハミルトンが続いた。

スタート直後に多重クラッシュが発生し赤旗中断となった。周冠宇のマシンは横転しタイヤバリアを跳び越えるほどの激しいクラッシュだったが、怪我もなく、のちにパドックに姿を見せた。レースは50分後に再開、グリッドはスタート当初のものとなった[注 1]。スタート直後にセルジオ・ペレスシャルル・ルクレールが接触し、お互いにフロントウイングの翼端板を失うダメージを受けた。その後、ペレスはピットインを行い最後尾(17位)まで順位を落としたが、レース終盤には4位まで浮上した。10周目にはカルロス・サインツがコース外へ飛び出し、マックス・フェルスタッペンはトップに立つが13周目に失速、フェラーリ勢に交わされた。パンクを疑いタイヤ交換をするものの改善されず、最終的に7位でレースを終えた[注 2]。39周目にはエステバン・オコンがマシントラブルによりコース上に止まったため、セーフティカーが導入された。この時点での順位は、ルクレール・サインツ・ハミルトン・ペレスだったが、ルクレールだけピットに入れず、サインツ以下はピットインしソフトタイヤへ履き替えた。レースは残り10周で再開。サインツはルクレールを交わしトップに立つと、そのまま逃げ切り150戦目(参戦151戦目)にして初優勝を飾った[注 3]

出来事 編集

ウェリントンストレートにかかる橋の付近から活動家が乱入したが、スタート直後に発生したクラッシュにより赤旗が掲示されており、当時のレースリーダーだったフェルスタッペンがレーシングスピードで遭遇することはなかった。のちに7名の活動家は地元警察に逮捕された[12]

レース結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 55   カルロス・サインツ フェラーリ 52 2:17:50.311 1 25
2 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 52 +3.779 4 18
3 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 52 +6.225 5 16FL
4 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 52 +8.546 3 12
5 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 52 +9.571 7 10
6 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 52 +11.943 6 8
7 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 52 +18.777 2 6
8 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 52 +18.955 19 4
9 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 52 +22.356 18 2
10 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 52 +24.590 17 1
11 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 52 +26.147 20
12 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 52 +32.511 10
13 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 52 +32.817 14
14 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 52 +40.910 13
Ret 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 37 DNF 15
Ret 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 26 DNF 11
Ret 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 20 DNF 12
Ret 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 0 DNF 8
Ret 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 0 DNF 9
Ret 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 0 DNF 16
ソース:[10][13][14]
追記
  • ^FL - ファステストラップの1点を含む

達成された主な記録 編集

第10戦終了時点のランキング 編集

ワールド・チャンピオンシップ 編集

  • :いずれもトップ5まで掲載。

DHLファステストラップアワード 編集

順位 ドライバー 獲得数
  1   シャルル・ルクレール 3
  2   マックス・フェルスタッペン 2
  3   セルジオ・ペレス 2
  2 4   ルイス・ハミルトン 1
  1 5   カルロス・サインツ 1
ソース:[16]

  • :いずれもトップ5まで掲載。
  • :ファストテストラップアワードは同数の場合、カウントバック方式がとられている。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ セクター1通過前に赤旗中断となったため。
  2. ^ レース後にフェルスタッペンはデブリがフロアに挟まったことが原因だったと明かした。
  3. ^ 2020年ベルギーGPの決勝のみ欠場したため、グランプリの参戦数と決勝の参戦数が異なる。

出典 編集

  1. ^ British Grand Prix 2022 - F1 Race”. The Official F1 Website. 2022年6月30日閲覧。
  2. ^ ピレリF1、第8戦アゼルバイジャンから第10戦イギリスまでのタイヤ選択を発表”. Fomula1-Data (2022年5月27日). 2022年6月16日閲覧。
  3. ^ 2022 British Grand Prix - Event Notes - Circuit Map.pdf” (英語). FIA.com (2022年6月29日). 2022年6月30日閲覧。
  4. ^ 2022 British Grand Prix - Entry List.pdf” (英語). FIA.com (2022年7月1日). 2022年7月1日閲覧。
  5. ^ 雨でお手上げガレージ傍観…アプグレ投入組は評価できず難しい滑出しに / F1イギリスGP《FP1》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年7月1日). 2022年7月4日閲覧。
  6. ^ 乱れる並び…最速サインツに迫るハミルトン「一歩前進」とメルセデス、角田裕毅は苦戦 / F1イギリスGP《FP2》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年7月2日). 2022年7月4日閲覧。
  7. ^ フェルスタッペン、追随許さぬ速さでポール最有力…アルファタウリは苦境脱せず / F1イギリスGP《FP3》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年7月2日). 2022年7月4日閲覧。
  8. ^ サインツ「冗談だろ!」雨のシルバーストンで初ポール!苦戦の角田裕毅は健闘 / F1イギリスGP《予選》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年7月3日). 2022年7月4日閲覧。
  9. ^ FORMULA 1 LENOVO BRITISH GRAND PRIX 2022 - QUALIFYING”. Formula1.com (2022年7月2日). 2022年7月4日閲覧。
  10. ^ a b FORMULA 1 LENOVO BRITISH GRAND PRIX 2022 - STARTING GRID”. Formula1.com (2022年7月2日). 2022年7月4日閲覧。
  11. ^ 大事故、6台DNFの大混乱…サインツが念願の初優勝! 角田裕毅は同士討ちで罰則 / F1イギリスGP《決勝》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年7月4日). 2022年7月4日閲覧。
  12. ^ F1 CEO、イギリスGPで”コース乱入”の気候変動活動家に激怒「命を危険に晒す、完全に無責任な行動だ」”. jp.motorsport.com (2022年7月4日). 2022年7月4日閲覧。
  13. ^ FORMULA 1 LENOVO BRITISH GRAND PRIX 2022 - RACE RESULT”. Formula1.com (2022年7月3日). 2022年7月4日閲覧。
  14. ^ FORMULA 1 LENOVO BRITISH GRAND PRIX 2022 - FASTEST LAPS”. formula1.com (2022年7月3日). 2022年7月4日閲覧。
  15. ^ a b Formula One 2022 British Grand Prix Standings”. Motorsport Stats (2022年7月3日). 2022年10月12日閲覧。
  16. ^ 2022 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula1.com (2022年7月3日). 2022年7月4日閲覧。
前戦
2022年カナダグランプリ
FIA F1世界選手権
2022年シーズン
次戦
2022年オーストリアグランプリ
前回開催
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