アドレノステロン

アドレノステロン(Adrenosterone)は、弱いアンドロゲン活性を持つステロイドホルモンである。1936年にバーゼル大学タデウシュ・ライヒスタインによって、副腎皮質から初めて単離された。当初、アドレノステロンは、「ライヒスタインの物質G」と呼ばれていた。ヒトやその他の哺乳類の体内で、アドレノステロンは痕跡量生じるが、魚類では大量に生成して、11-ケトテストステロンの前駆体となる[1]

アドレノステロン
識別情報
CAS登録番号 382-45-6 ×
PubChem 223997
ChemSpider 194597 チェック
UNII AE4E9102GY チェック
MeSH Adrenosterone
ChEMBL CHEMBL485683 チェック
特性
化学式 C19H24O3
モル質量 300.39 g/mol
融点

222 °C

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アドレノステロンは、イカダモによって、11-ケトテストステロンに変換されることが示されている。同様の代謝経路はヒトにもあると考えられており、それがアドレノステロンのアンドロゲン活性に寄与している[2]

アドレノステロンは、脂肪減少及び筋肉増強のサプリメントとして2007年から販売されている。これは、コルチゾールコルチゾンに活性化する11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの選択的競合阻害剤として働くと考えられている[3]

鶴岡連携拠点がんメタボロミクス研究所所属の中山浄二研究員が、筋肉増強と脂肪減少で利用されている既存薬のアドレノステロンにがん転移を抑制する効果をゼブラフィッシュを利用して確認した、と2019年11月21日に発表した[4][5]。同内容はMolecular Cancer Researchにも同日掲載された[6]

関連項目編集

出典編集

  1. ^ “A quantitative HPLC-MS method for the simultaneous determination of testosterone, 11-ketotestosterone and 11-beta hydroxyandrostenedione in fish serum”. J. Chromatogr. B Analyt. Technol. Biomed. Life Sci. 877 (14-15): 1509–15. (May 2009). doi:10.1016/j.jchromb.2009.03.028. PMID 19369122. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1570-0232(09)00210-4. 
  2. ^ Greca, M.D.; Fiorentino, A.; Guerriero, I.; Pinto, G.; Pollio, A.; Previtera, L. (1997). Biotechnology Letters 19 (11): 1123–1124. doi:10.1023/A:1018448828758. ISSN 01415492. 
  3. ^ Development of criteria for the detection of adrenosterone administration by gas chromatography-mass spectrometry and gas chromatography-combustion-isotope ratio mass spectrometry for doping control
  4. ^ 【プレスリリース】ゼブラフィッシュモデルを用いた 癌細胞転移抑制効果を有する薬の探索 国立がん研究センター・鶴岡連携研究拠点 2019年11月21日
  5. ^ 筋肉サプリ、がん転移抑制に効果 庄内産振センターと国立がん研が確認 山形新聞社 2019年11月22日
  6. ^ A novel zebrafish model of metastasis identifies the HSD11β1 inhibitor Adrenosterone as a suppressor of epithelial-mesenchymal transition and metastatic dissemination Molecular Cancer Research