アミメヘイシソウ Sarracenia leucophyllaサラセニア属食虫植物の1種。捕虫葉の先端部分に紅白の網目模様が入り、美しい。かつては S. drumondii の学名も使われ、このカナ読みでも流通した。

アミメヘイシソウ
保全状況評価
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
: ツツジ目 Ericales
: サラセニア科 Sarraceniaceae
: サラセニア属 Sarracenia
: アミメヘイシソウ S. leucophylla
学名
Sarracenia leucophylla
和名
アミメヘイシソウ
英名
White-topped pitcher plant
図版
(画) メアリー・ヴォー・ウォルコット

特徴 編集

多年生の草本。根茎は地下にあり、葉を根出状に出す。根茎は太さ1-2.5cmでところどころで分枝する。葉は細長く直立し、長さ25-95cm、筒状で上向きに次第に広まり、先端の口周は直径6-14cmに達する。筒状部の外周は無毛、下部は黄緑色で、先端に向かって葉脈が赤から紫に染まり、葉脈間の部分が白くなり、白と緑~紫の網目模様を作る[1]。網目模様は蓋にも広がる[2]

口蓋は腎臓形から円形になり、長さ2.5-6.5cm、幅は3-7cm。縁は波打っていて外側に反り返り、先端は尖る[1]

花茎は長さ30-80cm、花弁は長さ4-5cm、幅は広いところで1.5-3.5cm。海老茶色で基部が白っぽい。花期は短く、3月下旬から4月上旬までとごく短い[3]

分布と生育環境 編集

北アメリカのジョージア州南部、フロリダ州西部からミシシッピ州東部まで、メキシコ湾沿いの海岸平野に分布する[1]。国道沿いのブナ林の開けたところにある湿地に多く見られるとも[4]

利用 編集

食虫植物として、観葉植物として栽培される。白と紫の網目模様がはっきりしており、それを含め、本属中でもっとも鑑賞価値が高いものとされる[5]。交配親としても重視されてきた[6]。広く販売されているものの一つであるが、本種そのものが出回ることは多くなく、普通に栽培されているのは交配品由来である。それもあって斑紋には変異が多く、鑑賞価値は高い[4]

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c 近藤・近藤(1006),p.98
  2. ^ 園芸大事典(1994),p.1080
  3. ^ 近藤・近藤(1972),p.197
  4. ^ a b 田辺(2010),p.109
  5. ^ 近藤・近藤(1972),p.198
  6. ^ 小宮(1978),p.1502

参考文献 編集

  • 近藤勝彦・近藤誠宏、『カラー版 食虫植物図鑑』、(2006)、家の光協会
  • 田辺直樹、『食虫植物の世界 魅力の全てと栽培完全ガイド』、(2010)、(株)エムピージェー
  • 小宮定志、「サラセニア」:『朝日百科 世界の植物』、(1978)、朝日新聞社:p.1501-1502.
  • 近藤誠宏・近藤勝彦、『食虫植物 入手から栽培まで』、(1972)、文研出版