アメリカのマルクス主義

アメリカのマルクス主義(アメリカのマルクスしゅぎ、American Marxism)とは米国の保守系ラジオ司会者であるマーク・レビンによる 2021 年の本『アメリカンマルキシズム』(『American Marxism』)によって提唱された、アメリカ合衆国におけるマルクス主義の概念である。

解説 編集

これはアメリカの「進歩主義者」、「民主社会主義者」「社会活動家」「地域社会活動家」を隠れ蓑にしたマルクス主義者マルクス主義の中心的な教義をアメリカ合衆国内の社会や文化に応用・適用する試みであると説明されている。

歴史 編集

1950年代後半から1970年代前半にかけてアメリカの大学で新左翼運動が生まれた。

彼らはドイツ生まれのマルクス主義者ヘルベルト・マルクーゼから多大な影響を受けていた。

マルクーゼはその生涯の間にコロンビア大学やハーバード大学、ブランダイス大学など、アメリカのさまざまな大学で教鞭をとった。1964年に発表した「一元的人間 先進産業社会におけるイデオロギーの研究」は新左翼の愛読書となった。

ジョン・デューイらの業績をもとに、マルクーゼらが支持発展させたマルクス主義を採用し、それをアメリカの社会や文化に適応させた結果、アメリカの多くの大学にマルクス主義は広まった。

ニューヨークタイムズ紙の教育ライター、フェリシティ・バーリングは「アメリカの大学におけるマルクス主義の主流化」(1989年10月29日)と題する記事でこう述べている。

「アメリカの大学ではマルクスの知的継承者が非難にさらされやすい向こう見ずな外部者から、社会に同化した学会内部者へと事実上の転換を果たしている。」

こうして「アメリカ化」されたマルクス主義が生まれた。それは、マルクスの中心的な教義をアメリカの制度にあてはめ、その政府・経済・社会・文化制度を事実上打倒することを目指す[1]

2006年、ニール・グロスとソロン・シモンズがアメリカの927の教育機関に勤める教員を調査したところ、保守派が9%、左派が80%でその半数が極左だったという。また社会学科の教授の五分の一はマルクス主義者を自称していたという[2]

主要理論 編集

ヘルベルト・マルクーゼの批判理論から発展させた批判的人種理論

脚注 編集

  1. ^ 「アメリカを蝕む共産主義の正体」徳間書店 61頁
  2. ^ 「アメリカを蝕む共産主義の正体」徳間書店 105‐106頁

関連書籍、参考文献 編集

  • マーク・R・レヴィン『アメリカを蝕む共産主義の正体』徳間書店 2023‐8‐31
  • Mark Levin『American Marxism』2021 ISBN978-1637839720

関連項目 編集