イヌタヌキモ(Utricularia australis)は、食虫植物であり、水生のタヌキモ属の中型の多年生植物である[1]。地理的な分布範囲は広く、ヨーロッパ、中国や日本を含むアジアの熱帯から温帯、中央、南アフリカ、オーストラリアニュージーランド北島等で見られる。種小名australisは、ラテン語で「南の」という意味であり、この種が1810年にオーストラリアで発見されたことを反映している[1]。主にミジンコやタニシの子供などを捕食する。茎に小さな袋が付いていて、その入り口に内側に開く扉がついている。その部分に虫が触れると、その虫をスポイトのように水圧を利用して吸い込み、捕食する。

イヌタヌキモ
イヌタヌキモの花
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
以下の分類はクロンキスト体系による
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: ゴマノハグサ目 Scrophulariales
: タヌキモ科 Lentibulariaceae
: タヌキモ属 Utricularia
: イヌタヌキモ U. australis
学名
Utricularia australis
(R.Br., 1810)
下種
  • U. a. f. fixa
    (Komiya) Komiya & Shibata (1980)
  • U. a. f. tenuicaulis
    (Miki) Komiya & Shibata (1980)
  • U. a. mod. platylobus
    (Glueck) D.Schmidt (1985)
  • U. a. mod. typicus
    (Glueck) D.Schmidt (1985)
  • U. a. var. tenuicaulis
    (Miki) S.Hatusima (1994)

吸い込み式で、同じ種類の日本に自生するものは、ミミカキグサがある。

出典 編集

  1. ^ a b Bruce Salmon (2001) "Carnivorous Plants of New Zealand" Ecosphere Publications

外部リンク 編集

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