エイジングagingageingエージング)は、一般には「経時」(時を経る)という意味である。特に、ヒトを含む動物の場合は老化、重工業製品(特に電気製品)の場合には新品が安定動作するまで動作させることを意味する。

人間編集

エイジングの原義は年齢を重ねていくこと、つまり「加齢」である。この意味ではヒトは受精の瞬間からエイジングを始める。しかし日本では、高齢社会の進展とともにエイジングへの関心は高まり、「老化」という意味でこの語を使う場合がある。また老化に抵抗、対抗するという意味で、アンチエイジングという言葉も使われる。加齢関連性の疾患を予防したり治療する医療は、抗老化医学と呼ばれる。

工業編集

電子部品編集

電子部品・モジュールは、実際に通電による負荷を与える事でエイジングされる。通電負荷によるジュール熱の発生や疲労も原子・分子骨格構造の変化に繋がるためである。結果、所定の性能を満たさない状態へ変化したものは、故障もしくは初期不良となる[1]

精密機械編集

定盤三次元測定機のような精密機械の製造時、鋳造・圧延時の内部応力に起因する歪を緩和するために加工した素材を一定期間、静置してから二次加工する例がある[2]。類似の事例は時計などの精密機械の製造でも見られる。

映画美術、テーマパーク編集

映画美術テーマパークにおける「エイジング」とは、新しい建築物やモニュメントやそれらのセットをわざと塗装や壁がはがれているようにしたり、錆びをつけたりするなど、古いものに見せる美術手法である。模型分野の「ウェザリング」と同じ用法と言える。

食品工業編集

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の中にはより良い品質に変質させることを目的として保存しておくものがある。これを「エイジング」や「熟成」と呼ぶ。代表的な例はウイスキーであり、の中で数年間、時には数十年の間エイジングを行った後に出荷する。

酒におけるエイジングは、酒の内部で発生する緩やかな化学的変化および物理的変化である[3]。ウイスキーなどの蒸留酒は樽の中にあるときだけで瓶詰めされた後のエイジングはまず行われないが、ワイン日本酒ビールなどの醸造酒は瓶詰め後もエイジングする場合がある[3]。特に酵素が含まれている醸造酒は、蒸留酒と比べて変化速度が早いので、長い時間エイジングすると風味が劣化することがある[3]火入れを行っていない日本酒や酵母の除去を行っていないビールなどがこれに該当する。

食肉編集

工芸品編集

時間が経ち、絵画や銅像などが時間を経て色褪せ、摩耗して、パティナ(古色)と言われる風合いとなる。昔の風合いを出すために、時間をかけずに科学的な古色仕上げ英語版と呼ばれる処理も行われる。

脚注編集

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  1. ^ 自動車用電子機器のエージングおよび電子部品のスクリーニング実施基準 (PDF)”. 日本自動車部品工業会. 2017年3月31日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ 匠の息吹を伝える~"絶対"なき技術の伝承~ (78)平面を制する ~精密大物きさげ加工~(8m21s〜) - YouTube
  3. ^ a b c 外池良三 編 『世界の酒日本の酒ものしり事典』東京堂出版、2005年8月5日、108、109ページ頁。ISBN 4-490-10671-8 

関連項目編集