オウンドメディア
オウンドメディア(英: owned media)とは、自社発行の広報誌やパンフレット、カタログ、インターネットの自社ウェブサイト・ブログなど、企業や組織自らが所有し、消費者に向けて発信する媒体を指す。「ペイドメディア」 (Paid Media) や「アーンドメディア」 (Earned Media) と合わせ、企業マーケティングの核となる3つのメディアとして認識される媒体といえる。
概要編集
オウンドメディアは主に、ウェブサイトやブログ・または電子メールのように、宣伝主体自体がコントロール可能なコミュニケーションチャンネルを指す。また、オウンドメディアに対立するチャンネルとしてのペイドメディアは主に伝統的な広告を、アーンドメディアは購入や所有することができないコミュニケーションチャンネルを指す。
アーンドメディアはソーシャルメディアや口コミなどコンテンツが話題性を得た場合のみ、コミュニケーションを得ることができる[1]。オウンドメディアに対比する意味としては、アーンドメディアは主にPRによる影響が大きいコミュニケーションチャンネルで、メディアとしては新聞・テレビ・ラジオおよびインターネットのようなすべてのマスメディアを含み、ニュース記事またはイベント・コラムなど多様な形式のコンテンツを含む。
トリプルメディア・フレームワーク編集
一般にオウンドメディア、アーンドメディアの活用は、ペイドメディアに比べてもっとも費用対効果の高いマーケティング方法であると考えられている[1]。従来のデジタルメディアは、マスメディアに対立するものとしてとらえられることが多かった。トリプルメディア・フレームワークではその点を見直し、マス広告をペイドメディアの1つとして考え、3つのメディアの有機的な連携を、マーケティングコミュニケーションの基本としている。
欧米では「トリプルメディア広告」という言い方は用いられず、その相当語として「POEM広告」という言い方が一般的である。
タイプ | 定義 | 例 |
---|---|---|
オウンド Owned |
会社またはその代理店が管理するチャンネル | |
アーンド Earned |
会社やその代理店によって直接生成されたのではなく、顧客やジャーナリストなどの他のエンティティによって直接生成される、会社やブランドに関連するメディア |
|
ペイド Paid |
企業が費用を払って広告掲載する従来型のメディア |
歴史編集
2013年のNielsen調査によれば、世界中の調査したすべての国で最も信頼できる情報源としてアーンドメディア(the report as word-of-mouthにも記載)を評価。 またアーンドメディアは、消費者の行動を刺激する可能性の高いチャンネルであることがわかった。
「トリプルメディア」とは、日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会 (Web Advertising Bureau) が、2009年秋に現在のメディア環境およびメディア戦略をあらわすコンセプトとして提唱したとされる[3]。
脚注編集
- ^ a b Yu, Jim. “Earned Media Rising - The Earned Media Ripple Effect”. Column: Social Media Marketing Column. Marketing Land. 2014年4月3日閲覧。
- ^ Stephen, A.T.; Galak, J. (October 2012). “The Effects of Traditional and Social Earned Media on Sales: A Study of a Microlending Marketplace”. Journal of Marketing Research: 625.
- ^ 安藤元博. “マーケティングキーワード「トリプルメディア」”. Column: 博報堂 エンゲージメントビジネスユニット エンゲージメントプラニング局. 広告朝日. 2011年1月12日閲覧。