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オマーン平安日本庭園(オマーンへいあんにほんていえん、アラビア語: الحديقة اليابانية في عُمان‎、英語: Heian Japanese Garden in Oman[2])は、オマーンマスカット近郊にある日本庭園池泉回遊式[1])。

オマーン平安日本庭園
分類 日本庭園池泉回遊式[1]
所在地
座標 北緯23度41分35.4秒 東経58度02分35.4秒 / 北緯23.693167度 東経58.043167度 / 23.693167; 58.043167座標: 北緯23度41分35.4秒 東経58度02分35.4秒 / 北緯23.693167度 東経58.043167度 / 23.693167; 58.043167
面積 7,500m2
開園 2001年5月31日
建築家・技術者 綜合庭園研究室
運営者 マスカット
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概要編集

首都マスカットから西に約60km、スィーブバルカ英語版の中間にあるナシーム公園英語版の一角に設けられている[3]。2001年にカーブース国王即位30周年記念事業の一環として設立された[3]アラビア半島初の本格的な日本庭園である[4]

歴史編集

 
カーブース国王

1960年代以降、文化交流などの役割を持って大使館や日本文化会館に造られる日本庭園が増加し、姉妹都市・友好都市関係に基づく日本庭園も数多く存在する[5]。在外公館に造られた例としては、在アメリカ大使館(1960年)、在オーストラリア大使館(1961年)、在インド大使館(1967年)、在タイ大使館(1967年)、在カンボジア大使館(1970年造園、2002年改修)、在韓国大使館(1971年)、在アメリカ日本大使公邸(1974年)、在シンガポール日本大使公邸(1990年)、在ベトナム大使館(1999年)、在レバノン大使館(2001年)、在イスラエル大使館(2002年)などがある[5]

1970年7月23日にはサラーラカーブース・ビン・サイード国王が即位し、カーブース国王の下でオマーンは近代国家に生まれかわった[6]。教育・医療・電気・水道・道路・通信などの分野が発展し、飛躍的な経済発展を遂げた。かつてはオマーン産原油の最大輸出国が日本だった[6]

オマーンは日本とは植生が大きく異なり、マスカット市内は夏場の気温が45℃から50℃にもなる。神長善次在オマーン日本国大使を中心にして、日・オマーンの友好の象徴となる、日本庭園の設立が計画された[3]。カーブース国王の即位30周年記念事業の一つである[3]。神永は中島寛久らの綜合庭園研究室に作庭を依頼し、オマーン日本庭園設立実行委員会が発足して1999年7月から計画が進められた[1]。平坦な公園を掘削して池を作り、その際に出た土砂で5つの小山を築造した[1]。遠景の男性的な山々や周囲の景観を庭園内に取り込む借景の技法も用いている[1]

2001年5月31日にはマスカット市長アブドゥッラー・ビン・アフマドの協力の下で平安日本庭園が開園し、翌6月1日に一般公開が開始された[3]。2008年以後にはオマーン人の幼児が庭園内の池で溺れて死亡する事故があり、水が抜かれていた時期もあった[3]

神永は標高2000m超のアフダル山地アラビア語版英語版にある農園にサクラを植樹する事業も行っている[7]。神永の後任の森元誠二在オマーン日本国大使は2010年、マスカット市内の日本国大使館敷地内に適応性の強い「陽光」という品種のサクラを植樹した[7]弘法大師ゆかりの中国の西安市バチカン市国のローマ法王庁杉原千畝ゆかりのリトアニアのカウナスなどにも植樹されている品種である[8]。2011年4月には大使館の庭に植えたサクラが初めて開花した[8]

特徴編集

平安日本庭園は7,500m2の広さを持つ[1]。庭園の中心には太鼓橋が架けられた池など3つの池があり、池の周囲には築山東屋、十三重の塔、石灯籠つくばいなどが配置されている[3]。庭園内には計350トンの岩が配置されており、18トンもの重さを持つ最大の岩はルスタークアラビア語版英語版ワジから運ばれた[1][3]。十三重の塔や石灯籠はわざわざ日本から運ばれ[3]、東屋は設計図を基にして現地の大工が製作した[1]。ナシーム公園は週末になると家族連れでにぎわい、5000~6000人もの人が訪れるという[9]。マスカット市が庭園の管理を行っている[9]

脚注編集

  1. ^ a b c d e f g h オマーン平安日本庭園 Japanese Garden in Sultanate of Oman 海外の日本庭園(東京農業大大学)
  2. ^ A Japanese Garden in Oman | Embassy of Japan in the Sultanate of Oman - 2015年2月25日
  3. ^ a b c d e f g h i 森元(2012)、p. 100
  4. ^ 森元(2012)、p. 101
  5. ^ a b 鈴木(2006)、p. 7
  6. ^ a b 森元(2012)、pp. 84-85
  7. ^ a b 森元(2012)、p. 102
  8. ^ a b 森元(2012)、p. 103
  9. ^ a b 「平安日本庭園」のご紹介 在オマーン日本国大使館、2015年2月25日

参考文献編集

  • 綜合庭園研究室「オマーン平安日本庭園」『ランドスケープデザイン』マルモ出版、2002年、pp. 90-93
  • 森元誠二『知られざる国 オマーン 激動する中央のオアシス』ラーリ・グリーンバーグ、2012年 ISBN 9784904486313
  • 鈴木誠「海外につくられた日本庭園の系譜」2006年

関連項目編集

外部リンク編集