オートアメリカン

ブロンディのアルバム

オートアメリカン』(Autoamerican)は、ブロンディ1980年に発表した5枚目のスタジオ・アルバム。先行シングルの「夢みるNo.1」と、シングルカットされた「ラプチュアー」はともにビルボード・Hot 100で1位を記録した。

オートアメリカン
ブロンディスタジオ・アルバム
リリース
録音 ロサンゼルス、ユナイテッド・ウェスタン・レコーダーズ
ジャンル ロック
時間
レーベル クリサリス・レコード
プロデュース マイク・チャップマン
チャート最高順位
  • 7位(Billboard 200
  • 4位(カナダ)
  • 3位(イギリス)
  • 8位(オーストラリア)
ゴールドディスク
プラチナディスク
ブロンディ アルバム 年表
恋のハートビート
(1979年9月)
オートアメリカン
(1980年11月)
ザ・ハンター
(1982年5月)
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概要 編集

アルバム『恋のハートビート(Eat to the Beat)』(1979年)までブロンディはすべてニューヨークで録音していたが、プロデューサーのマイク・チャップマンの意向により、5枚目のアルバムはロサンゼルスで制作することとなった[1]。メンバーは全員ロサンゼルスに長期滞在し、ユナイテッド・ウェスタン・レコーダーズでレコーディングを行った。クリス・シュタインは「朝起きるととにかく太陽がまぶしくってね。よろめきながら、古いSF映画に出てくるような巨大な月のモビールのそばを通るんだ」と回顧し[1]、ドラムスのクレム・バークは「『オートアメリカン』は楽しかったよ。なにしろ2か月もカリフォルニアにいなくちゃいけなかったから、それに乗っかってずっといい気分で仕事ができた」と語っている[2]

しかしグループは、アルバムのカバーは地元のニューヨークで撮ったものでないとだめだと主張した。ブロードウェイと8丁目 / セント・マークス・プレイス(より正確にいうとマーシーストリート300)の近くの建物の屋上で撮ったメンバーの写真をもとに、マーティン・ホフマンが描いた絵がアルバム・カバーに使われた[3]

レコーディングに参加した主な外部ミュージシャンは以下のとおり。ワー・ワー・ワトソンが「リヴ・イット・アップ」に参加。レイ・ブラウンは「愛の面影」でベースを弾いた。ハワード・カイランとマーク・ボルマンは「憧れのサンダーバード」でボーカルで参加。トム・スコットは「ラプチュアー」と「愛の面影」でサキソフォンを吹き、「ドゥ・ザ・ダーク」でリリコンを吹いた。ジミー・ハスケルが「夢みるNo.1」など計4曲で弦楽器と管楽器の編曲を担当した[4]

1980年10月31日、「夢みるNo.1」が先行シングルとして発売[5]。同作品は翌年1月に全米1位を獲得する。

同年11月26日に『オートアメリカン』は発売され、ビルボードのアルバム・チャートの7位を記録した。イギリスでは3位、カナダでは4位、オーストラリアでは8位を記録した。カセット・バージョンには、「夢みるNo.1」のB面の「スージー&ジェフリー」が収録された。

2001年の再発盤にはボーナストラックとして、シングル「Call Me」のオリジナル・ロング・バージョン、「スージー&ジェフリー」、「ラプチュアー」のスペシャル・ディスコ・ミックス・バージョンの3曲が収録された。

収録曲 編集

Side 1
  1. 遙かなるヨーロッパ - Europa (Chris Stein) - 3:32
  2. リヴ・イット・アップ - Live It Up (Stein) - 4:10
  3. 貴方の瞳に恋してる - Here's Looking at You (Debbie Harry, Stein) - 2:58
  4. 夢みるNo.1 - The Tide Is High (John Holt) - 4:42
  5. バルコニーのエンジェル - Angels on the Balcony (Laura Davis, Jimmy Destri) - 3:36
  6. 恋はハイウェイ・ドライヴ - Go Through It (Harry, Stein) - 2:40
Side 2
  1. ドゥ・ザ・ダーク - Do the Dark (Destri) - 3:53
  2. ラプチュアー - Rapture (Stein, Harry) - 6:33
  3. 愛の面影 - Faces (Harry) - 3:51
  4. 憧れのサンダーバード - T-Birds (Nigel Harrison, Harry) - 3:58
  5. ウォーク・ライク・ミー - Walk Like Me (Destri) - 3:46
  6. 渚のデート・ウォーク - Follow Me (Alan Jay Lerner, Frederick Loewe) - 3:00

脚注 編集

  1. ^ a b Heller, Bill (2010年4月11日). “NYC's greatest hits”. New York Post. https://nypost.com/2010/04/11/nycs-greatest-hits/ 2015年3月10日閲覧。 
  2. ^ Porter, Dick; Needs, Kris (2012). Blondie: Parallel Lives. Omnibus Press. ISBN 978-1780381299  unpaginated.
  3. ^ Palm, Matthew J. (2013年3月12日). “Martin Hoffman, painter with Central Florida connections, dies”. Orlando Sentinel. 2014年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月22日閲覧。
  4. ^ Autoamerican (liner notes). Blondie. Chrysalis Records. 1980. CHE 1290。
  5. ^ Blondie The Tide Is High - Award - bpi