カモリストとは、悪徳商法等で何度も騙された被害者の名簿を指す俗称。カモリストを提供する者は名簿屋(めいぼや)と呼ばれる[1]

概要 編集

過去に悪徳商法の被害に遭った名前や住所などが記されたもので、業者間で出回っているとされる[1][2]。SNSの普及に伴い、現金プレゼントと謳ってフォロワーを集め、そのアカウントをカモリストに登録する犯罪も増えている[3]。カモリストには延べ125万8,000人(2011年以降)の個人情報が掲載されるとする報道もある[4]。カモリストに一旦掲載されると、悪質業者や振り込め詐欺団などによる二次勧誘のターゲットになり、職場や自宅に毎日勧誘電話を入れられたり、景品または商品が当選した旨のハガキが届いたりするようになる[5][6]。カモリストからの削除料を要求する手口もある[7]

2016年4月、消費者安全法改正により、悪質な訪問販売や電話勧誘を行う業者が利用していたカモリストを、国が自治体に情報提供できるようになった[2]。この法改正に伴い、カモリストを基に見守り対象者を選定して、被害を事前に防ごうとする取り組みも行われている[2]。この取り組みの関係者には秘密保持義務があり、違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課される[2]

脚注 編集

  1. ^ a b 被害者続出…あまりに巧妙「オレオレ詐欺」はここまで進化した(週刊現代) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2021年11月17日閲覧。
  2. ^ a b c d 「カモリスト」を逆利用 悪徳商法被害防止に新たな手法:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年11月17日閲覧。
  3. ^ 日本放送協会. “追跡!ネット広告の闇 “アカウント売買”~気づかぬうちに個人情報が売りさばかれる~”. NHK クローズアップ現代+. 2021年11月21日閲覧。
  4. ^ 「カモリスト」...あなたの情報も詐欺グループの名簿に載っているかも?”. ハフポスト (2013年11月5日). 2021年11月17日閲覧。
  5. ^ 『毎日新聞』2004年5月27日 静岡地方版23面
  6. ^ 安愚楽の客に「債権買う」電話…振り込め詐欺か 読売新聞 2012年5月19日
  7. ^ No.452 カモリストから名前を削除できる!?(H26.6.3)|徳島県消費者情報センター”. 徳島県消費者情報センター. 2021年11月17日閲覧。

関連項目 編集