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宇宙世紀におけるガンダリウム合金編集

『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』などの舞台となる宇宙世紀におけるガンダリウム合金の英語表記はGundarium Alloyである。正式な和文表記を「超硬合金ルナチタニウム[注 1]」としている。

ルナチタニウム合金編集

ルナチタニウム合金(ルナチタニウムごうきん)という呼称は1979年に刊行された『機動戦士ガンダム記録全集』を初出とし、この際は「超鋼合金属ルナ・チタニウム」と記述されていた[1]。また、1989年に刊行された『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』においては、地球連邦軍のV作戦で開発されたモビルスーツ、RX-78ガンダム、RX-77ガンキャノン、RX-75ガンタンクに共通してガンダリウム合金を使用し、その主原料であるルナ・チタニウムが希少かつ加工が困難としている[2]。また、ガンダリウム合金は軽量かつ高い剛性と放射線を遮断する磁性を帯びた素材であるものの、金属として硬すぎる特性を持つ、量産化に不向きとした資料[3]、軽量かつ高い耐熱性・耐融性・放射能絶縁性を持つが、その製造には月面に存在する純度の高いチタニウムを必要とし、精製技術も特殊であるため量産化に不向きとした資料もみられる[4]。加えて、ルナ2で採掘されるものが良質とする資料もみられる[5]

ガンダムのほか、ホワイトベース級強襲揚陸艦の装甲材に採用。また、RX-78ガンダムは機体本体だけでなく携帯するシールドも「ガンダムと同じ超硬合金ルナチタニウムでできて」おり、かつその量産機RGM-79ジムのシールドも「同じ」ものである[6]。また、ルナ・チタニウム合金はその放射線を絶縁する特性から、(希少さの問題から、別の材質が用いられる結果になったものの)宇宙世紀0047年から始まったミノフスキー・イヨネスコ型核反応炉の構造材として注目されていたとする資料も存在する[7][注 2]

作中での描写
アニメ『機動戦士ガンダム』
本体装甲とシールド部にルナ・チタニウム合金を採用したと設定されているRX-78ガンダムが第1話においては至近距離からのザクマシンガンを防ぐ描写が見られた。一方で、第5話では赤熱化したヒートホークを受けてシールドに切れ込みが発生し、ザク・バズーカによってシールドが貫通している。第16話ではグフのヒートロッドを受けてつま先が切断している。第17話においてはグフの剣によってシールドを両断されたあと、コクピット部に損傷を受けている。また、第21話においてはザクIIのヒートホークによって脇腹部を損傷し、マゼラトップの主砲を受けてシールドが爆散している。続く第24話においてはドムのジャイアント・バズを受けてシールドが損壊。第32話においてはリックドムのヒートサーベルを受け、シールドが切断されている。第43話ではジオングのメガ粒子砲を受けて最終的に大破している。また、同話ではガンキャノンがザクのバズーカを受け右足部を損壊した。
アニメ『機動戦士ガンダム第08MS小隊』
第9話においてマゼラアタックの主砲を陸戦型ガンダムが被弾し、左脚部を損傷している。
備考
ジオン側での使用例もあり、ケンプファーのショットガンの弾体にルナチタニウムが使用されているという設定がある[9]。なお、グフ・カスタム及びグフ・フライトタイプをルナチタニウムであるという記述が1/144プラモデル説明書にあるが[10][11]、これは後にHGUC版で超硬スチール合金に修正されている[12]

ガンダリウムα編集

ガンダリウムα(ガンダリウムアルファ)に関する設定は資料によって一定ではなく、RX-78ガンダムに採用されていた初期のルナチタニウム合金をガンダリウムαだとする資料[4]、ルナ・チタニウムに白金等の希少金属を取り入れた、ガンダムらRXシリーズに採用されていた合金だとする資料[7][注 3]、アクシズが開発したガンダリウム系合金3種類のうちの一つの合金であるとする資料がみられる[14]。。

ガンダリウムβ編集

ガンダリウムβ(ガンダリウムベータ)は、アクシズが開発したガンダリウム系合金3種類のうちの一つの合金である[14]。ガンダリウムαとガンダリウムγの中間にあたるものだが、β自体の特徴に触れている資料は皆無で、詳細は知られていない。ただし、資料によってはネモやマラサイなどの量産機はコストダウンのために、ガンダリウムγではなくβが使われた旨の記載がある[15][注 4]

ムック『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』の独自設定では、ティターンズの試作機ハーピュレイの装甲材を「ガンダリウム・ベータ級」だとしている[17][注 5]

ガンダリウムγ編集

宇宙世紀0087年のグリプス戦役では、ガンダリウムγ(ガンダリウムガンマ)が登場する。初期のガンダリウムが抱えていた生産性や加工性の問題を解決しており、従来の装甲に比べ数分の一の装甲厚で強度を維持できることから、その重量問題もクリアされ、プロペラントの積載を増加可能となっている[4]。また、ガンダリウムγとは希少金属をベースとしていた従来型のガンダリウムαとは異なり、マグネシウムやケイ素といった産出量の多い物質を使用しており、合金をナノメートル単位で操作する事でガンダリウムαの長所はそのままに、柔性と加工性を向上させたとする資料もみられる[7]

だが、その一方でネモには大量生産のためガンダリウムγではなくガンダリウムαを使用したとする資料も存在し[19]、ガンダリウムγの生産性は決してよいものではなかったため、ネモのような量産機にはガンダリウムαを使用したとする資料[16]、コストの問題からマラサイやネモのような本格量産機ではガンダリウムβを使用したとする資料もみられる[15]

元々は一年戦争終結後に小惑星アクシズに逃げ延びたジオン公国軍残党の研究者達が開発したもので、シャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)の手によってエゥーゴやアナハイム・エレクトロニクスに齎され、リック・ディアスを始めとするエゥーゴの新型モビルスーツで採用している[4][注 6]。耐久力に優れたこの新素材は装甲だけではなくフレームにも用いられ、機体のペイロードを向上させた。第2期モビルスーツ以降のモビルスーツの基本装備となっていく[7]

グリプス戦役開戦当初においてエゥーゴと対立している地球連邦軍(ティターンズ)側はこの技術を有していなかったものの、アナハイムからマラサイを譲渡した事で入手している[20][注 7]

ガンダリウムエプシロン編集

エプシィガンダムの装甲材として設定されている、ガンダリウムγの改良型。この時点のガンダリウム合金で最高の特性を持ち、これによりエプシィガンダムの核融合パルス推進器「ブラッサム(ブロッサム)」は脆弱な構造ながら十分な強度を維持しているという[21][注 8]

ガンダリウム・コンポジット編集

機動戦士ガンダムΖΖ』後半に登場するモビルスーツは装甲材が「ガンダリウム・コンポジット」と設定されているものがある[23]が、詳細は定かではない[注 9]

その一方で、またムック『ガンダム・センチネル』ではSガンダム、Ex-Sガンダム[25]ゼータプラスにおいて「ガンダリウムγコンポジット」[26]、その他の機体では「ガンダリウム・コンポジット」を使用している[27]。また、同書籍ではガンダリウムγコンポジットを初めて使用した機体として、リックディアスが挙げられている[28]

その他編集

第一次ネオ・ジオン抗争までのMSは量産機を含めてほとんどがガンダリウムを使用しているが、0090年代の主力機であるジェガンギラ・ドーガ(及びギラ・ズール)は『チタン合金セラミック複合材』を使用している。書籍『総解説ガンダム辞典』では、チタン合金セラミック複合材の装甲も、ガンダリウムγからの派生技術でβ級の強度を得たと解説している[29]

モビルスーツの小型化が進んだ宇宙世紀0123年(『機動戦士ガンダムF91』)以降のモビルスーツの装甲素材は「ガンダリウム合金セラミック複合材」と設定されているが[30]、詳細は不明。さらに時代が進んだ作品においては「ガンダリウム合金ハイセラミック複合材」[31]、「ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材」[32]といった設定もみられるが、いずれも詳細は不明である。

解説編集

アニメ本編ではモビルスーツの装甲素材の固有名「ルナ・チタニウム」は一切登場していない。ただし、第一作『機動戦士ガンダム』第1話においては、ジオン軍パイロット=ジーンがガンダムの装甲の耐弾防御能力が桁外れに高いことをセリフで視聴者に説明している。

ガンダリウム合金の名称は、最初の続編である『機動戦士Ζガンダム』において、リック・ディアスの装甲材として、初めて登場した。この時に、同時に「かつてのRX-78ガンダムの装甲材にガンダリウム合金が使用されていた」という設定も公式に発表されている。アニメックなどのアニメ雑誌による富野由悠季へのインタビューにおいて、「ルナ・チタニウム=ガンダリウム合金と考えて良いか?」という編集の質問に対し肯定がなされたことで、ルナ・チタニウム=ガンダリウム合金という図式が成立した[要文献特定詳細情報]

未来世紀におけるガンダリウム合金編集

機動武闘伝Gガンダム』の舞台となる「未来世紀」におけるガンダリウム合金は、宇宙世紀に登場する材質と同名だが、正式名称はガンマ・ユニフィケイショナル・ディマリウム合金(Gamma Unificational Dimalium Amalgam)とされている[33]

元々は慣性制御装置の開発の過程で産出されたディマリウム合金をベースとしており、モビルファイター等に用いられる装甲ではレアメタルハイブリッド多層材(積層材とも)という素材の中で複数の性質を持つ層が状況に応じて現れ、状況や環境の変化に応じて性能が変化するものが用いられている。この装甲に用いられるディマリウムは人間の精神に反応して分子の振る舞いを変化させる性質までも持ち、感情に反応する事でその形状や色までも変化し、時には発光現象さえ引き起こす正に生きた金属とも言える素材である[33]。ディマリウムの特性は精神感応制御技術に結び付き、バルカン砲やビット兵器の操作、モビルトレースシステムの為のアンテナにも活用されている。また、ディマリウムは重力を制御する特性も有している[34]

未来世紀のガンダムの意味の一つとして、このガンダリウム合金を用いたモビルスーツ(Gamma UNificational Dimalium Amalgam Mobile-suit)という定義がある[33]。また、この装甲材の万能な特性を研究して生まれたのがDG細胞(U細胞)である。DG細胞ではディマリウムの精神に反応する特性を利用し、機体の形状を変化させられるほか、その分子が生物の組織内に入り込み、形状を変化させる振る舞いさえ可能としている[33]

アフターウォーにおけるルナチタニウム合金編集

機動新世紀ガンダムX』の舞台となるアフターウォーに登場するルナチタニウム合金は、宇宙世紀に登場する材質と同名だが、設定上の関連性は無い。

ガンダムタイプに採用される特殊合金で、非常に堅牢であり主力MSレベルの火力ですら殆どダメージを与える事が出来ない耐久性を持つ[35]

設定上においては第7次宇宙戦争時代に開発された「ガンダム」タイプのモビルスーツ(ガンダムエックス、ガンダムレオパルド、ガンダムエアマスター)、およびそれらの発展型や改修機で採用が見られた[36]。また、それらの支援戦闘機であるGファルコンにも装甲材として採用されている[37]

SDガンダムにおけるギガンダリウム合金編集

SDガンダム作品群のうち、SDUC(SD宇宙世紀)を舞台とする『SDコマンド戦記』シリーズには、登場キャラクター(SDガンダム)の装甲は「ギガンダリウム合金」という合金からなるとされている。「ギガンダリウムα」や「ギガンダリウムΖ」、「ギガンダリウムΩ」といった派生型も存在するが、これらの合金に関する詳細な設定はなされていない。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 『ポケット百科シリーズ ロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』(講談社・1981)[要ページ番号]他、1979〜1981年発行の媒体で「ガンダム」の材質に言及したテキストは全てこの表記になっている。
  2. ^ ガンダリウムそのものが小型核融合炉のための新素材として開発されたとする資料も見られる[8]
  3. ^ RX-78ガンダムの装甲材をガンダリウム・アルファとした資料もみられる[13]
  4. ^ ただし理由は同様ながら、ネモはガンダリウムαを使用したとする資料もみられる[16]
  5. ^ ただし『MISSION ΖΖ』では、ハーピュレイはチタン・セラミック複合材に改められている[18]
  6. ^ アクシズから技術協力を打診され、入手したとする資料もみられる[20]
  7. ^ 一方で、ティターンズに引き渡されたマラサイにはガンダリウム・アルファ系合金を使用していたとする資料もみられる[19]
  8. ^ しかしながら、後続の書籍においてはエプシィガンダムの装甲はガンダリウム・ガンマに改められており、エプシロンも「ブロッサム」用に開発中の段階であるとしている[22]
  9. ^ 同時期に登場するリゲルグを「チタニウム・コンポジット」とした資料もみられる[24]

出典編集

  1. ^ 『機動戦士ガンダム記録全集』日本サンライズ、1979年12月、134頁。
  2. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』バンダイ、1989年2月、46頁。(ISBN 978-4891890063)
  3. ^ 『機動戦士ガンダムZZ&Z 保存版設定資料集』バンダイ、1986年6月、33頁。ISBN 4-89189-373-7
  4. ^ a b c d 『データコレクション 機動戦士Ζガンダム 下巻』角川書店、1997年6月、50-52頁。(ISBN 978-4073065326)
  5. ^ 『講談社ポケット百科シリーズ 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション (3) 連邦軍編』講談社、1984年、2006年7月(復刻版)、74頁。(ISBN 978-4063721775)
  6. ^ 『講談社ポケット百科シリーズ ロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』(講談社・1981)[要ページ番号]
  7. ^ a b c d 『機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099』エンターブレイン、2004年1月、54-57頁。ISBN 4-7577-1663-X
  8. ^ 『B-CLUB SPECIAL 機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション』バンダイ、1991年5月、59頁。ISBN 4-89189-155-6
  9. ^ 『1/144 ケンプファー』バンダイ、1989年7月、組立説明書。
  10. ^ 『HG 1/144 グフカスタム』バンダイ、1998年6月、組立説明書。
  11. ^ 『HG 1/144 グフ・フライトタイプ』バンダイ、1998年7月、組立説明書。
  12. ^ 『HGUC 1/144 グフカスタム』バンダイ、2010年11月、組立説明書。
  13. ^ 『1/144 フルカラーモデル ガンダム』バンダイ、1988年9月、組立説明書。
  14. ^ a b 『HGUC 1/144 リック・ディアス』バンダイ、2002年6月、組立説明書。
  15. ^ a b 『ガンダムMSヒストリカvol.4』講談社、2010年8月、30頁。(ISBN 978-4063700824)
  16. ^ a b 『ガンダムMSヒストリカ Vol.3』講談社、2010年7月24日、32頁。ISBN 978-4-06-370080-0
  17. ^ 『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』大日本絵画、1988年、95頁。ISBN 978-4-499-20525-2
  18. ^ 『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月25日、20頁。ISBN 4-499-20526-3
  19. ^ a b 『1/144 ネモ』バンダイ、1985年8月、組立説明書。
  20. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、38頁。(ISBN 978-4891890186)
  21. ^ 『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』大日本絵画、1986年3月、1988年12月(新装版)、29頁。(ISBN 978-4499205252)
  22. ^ 『ガンダムウォーズII ミッションダブルゼータ/パーフェクトモデリングマニュアル』大日本絵画、1987年2月、18-20頁。(ISBN 978-4499205269)
  23. ^ プラモデル『1/144 AMX-014 ドーベン・ウルフ』付属説明書、バンダイ、1986年11月。
  24. ^ 『データコレクション 機動戦士ガンダムΖΖダブルゼータ』角川書店、1997年12月、46頁。(ISBN 978-4073075721)
  25. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、81-83頁。ISBN 4-499-20530-1
  26. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、93頁。ISBN 4-499-20530-1
  27. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、122頁。ISBN 4-499-20530-1
  28. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、73頁。ISBN 4-499-20530-1
  29. ^ 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、87頁、ISBN 978-4063757958
  30. ^ 『1/100 ガンダムF91』 バンダイ、1991年3月、組立説明書。
  31. ^ 『HGUC 1/144 クロスポーンガンダムX1』バンダイ、2014年11月、組立説明書。
  32. ^ 『HG 1/100 ヴィクトリーガンダム』バンダイ、1993年4月、組立説明書。
  33. ^ a b c d 『機動武闘伝Gガンダム大図鑑』メディアワークス、1995年7月、38-43頁、および62-63頁。ISBN 978-4073031666
  34. ^ 『MS SAGA No.8』メディアワークス、1995年4月、62-63頁。ISBN 4-07-302787-5
  35. ^ 『機動新世紀ガンダムX〜UNDER THE MOONLIGHT〜』1巻 172頁。アフター・ウォー用語辞典。
  36. ^ 『機動戦士ガンダム MS大全集2015』メディアワークス、2015年6月発売、447-450頁。(ISBN 978-4048650960)
  37. ^ 『HG 1/100 ジーファルコンユニットガンダムダブルエックス』バンダイ、1996年11月、組立説明書。

関連項目編集