ガート

主にアジアの池や川の水ぎわに階段状に築き、炊事や洗濯場、ヒンドゥー教徒の沐浴や葬礼の場として用いる施設。

ガート(英語:ghat, ベンガル語:ঘাট ghaţ, ヒンディー語: घाट ghāṭ)は、南アジアの多くの地域にみられる、池や川岸に設置された階段状の親水施設[1]。炊事や洗濯場のほか、水にまつわる場所を神聖視するヒンドゥー教徒沐浴葬礼の場として用いられる[1]

日の出のため、巡礼者で混んでいたワーラーナシーのダシャーシュヴァメーダ・ガート。1996年11月撮影。

ガートは水位に関わらず水へのアプローチを可能とする施設であり、その形態は単一の階段のみの小規模なものから、複数の階段がテラスや寺院・宮殿と複合した大規模なものまで多様である[1]。 ヒンディー語を話す地域では、特に聖地のワーラーナシーガンジス川(ガンガー)西岸に接するガート群を指し、マニカルニカー・ガートなど多くの宗教上意義深いガートがガンジス川とナルマダ川に接して位置している。

ガートとは階段状の地形の総称でもあり[1]、"Ghats"(ガーツ)のように頭文字が大文字で書かれた場合、"Ghats"はインドの険しい山脈である西ガーツ山脈東ガーツ山脈を表すのに多くの場合用いられる。それらはインドの東西の海岸沿いにそびえる山脈であり、密林によって覆われている。

脚注 編集

  1. ^ a b c d アジア都市建築研究会 布野修司(編)「ヴァーラーナシーのガート」『アジア都市建築史』昭和堂 2003 ISBN 4812203163 pp.154-155.