クリューセーイス
ギリシア神話に登場する女性
(クリュセイスから転送)
クリューセーイス(古希: Χρυσηΐς, Chrȳsēïs)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してクリュセイスとも表記される。クリューセー市のアポローンの神官クリューセースの娘で、アガメムノーンの子クリューセースの母。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fb/Chryses_Agamemnon_Louvre_K1.jpg/290px-Chryses_Agamemnon_Louvre_K1.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fa/Ulysse_remet_Chrys%C3%A9is_%C3%A0_son_p%C3%A8re_-_1644_-_Claude_Gell%C3%A9e_dit_le_Lorrain_-_Louvre_-_INV_4718_%3B_MR_1747.jpg/290px-Ulysse_remet_Chrys%C3%A9is_%C3%A0_son_p%C3%A8re_-_1644_-_Claude_Gell%C3%A9e_dit_le_Lorrain_-_Louvre_-_INV_4718_%3B_MR_1747.jpg)
神話
編集トロイア戦争においてギリシア軍がミューシアのテーベ市[注釈 1]を攻撃したとき、テーベを訪れていたクリューセーイスは捕らわれ、アガメムノーンの褒賞として与えられた。
クリューセーイスが捕虜となったことを知った父クリューセースはギリシア軍の陣地を訪れ、娘を返してくれるよう求めたが、アガメムノーンは彼女を妻のクリュタイムネーストラーより気に入っていたのでクリューセースを追い返した。クリューセースはアポローンに祈ってギリシア軍に災いをもたらすことを願い、アポローンは疫病を起こして多くのギリシア兵を殺したため、アガメムノーンはしぶしぶクリューセーイスの返還に応じ、オデュッセウスに彼女を父のもとに送り届けさせた。しかし彼女の代わりにアキレウスからブリーセーイスを奪ったため、怒ったアキレウスは戦場に出ることを拒んだ[1]。
クリューセーイスは無事に父のもとに送り届けられたが、彼女はアガメムノーンの子を宿しており、クリューセースを生んだ。しかしアガメムノーンの子ではなく、アポローンの子であるとして育てた。後にタウリスのトアース王のもとからオレステースとイーピゲネイアが逃げてきたとき、彼らがアガメムノーンの子であると知り、子のクリューセースに本当の父親がアガメムノーンであることを明かした。クリューセースはオレステースに協力してトアースを殺した[2]。
脚注
編集注釈
編集- ^ アンドロマケーの父エーエティオーンが支配する町。英語版記事「Cilician Thebe」を参照。