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6998号機「バートン・アグネス・ホール」

グレート・ウェスタン鉄道6959形蒸気機関車(6959 Class)はイギリスのグレート・ウェスタン鉄道(GWR)が製造した貨客両用テンダー式蒸気機関車の1形式である。各車の固有名と設計の経緯から、改ホール級(Modified Hall Class)とも呼ばれる。軸配置はテンホイラー(4-6-0あるいは2C)である。

目次

概要編集

本形式はグレート・ウェスタン鉄道最後の技師長(Chief Mechanic Engineer:CME)となった、フレデリック・ホークスワース(在任期間:1941年 - 1947年)の手によって、4900形(ホール級)を改修して1944年に設計された。

原型となったホール級は、先々代CMEであるジョージ・チャーチウォード(在任期間:1902年 - 1922年)設計の2900形(セイント級)の動輪径を縮小したモデルであった。

つまり、ホークスワースがCMEに就任した段階で、シリーズ最初の試作機誕生から既に約40年の歳月が経過しており、これらはその間の蒸気機関の技術革新からは取り残された形となっていた。

しかも、このシリーズの高性能を支えたウェールズ産の高カロリー炭は戦時体制への突入で入手が難しくなりつつあり、自社炭鉱を擁したGWRにおいても低質炭を使用して、これまでと同等の性能を確保する必要に迫られる状況となっていた。そのため、これらの各機種に搭載され、傑作と謳われたNo.1形ボイラーの良さを損なわない様に留意しつつ、その燃焼効率を改善することが急務となっていた。

こうした社会・技術双方の状況の変化に対応すべく、ホール級に改設計を施したのが本形式である。

改良点は煙室前部のブラストパイプ部分の形状変更による通風性能の強化と先台車の設計変更による強度向上、過熱管の設計変更による熱効率の改善など[1]で、No.1形ボイラーの基本構造には手を入れずに済ませられる範囲で可能な限りの改善が図られていることが見て取れる。

この他、戦後の増備車ではホークスワースの設計による背の高い全溶接構造の新型テンダー(炭水車)が採用されている。

通常であれば別の固有名に基づく名称が与えられるべきであったが、従来のホール級と変わらず「~ Hall」という固有名が与えられ続けたことと、ホール級の増備車としてそのまま量産が続けられたという事情から、Modified Hall Class、つまり「変更されたホール級」=「改ホール級」と呼ばれた。

製造編集

本形式は従来通りGWRのスウィンドン工場で6959 - 6970までの12両が第二次世界大戦中の1944年に、6971 - 6999・7900 - 7929の59両が1947年から1950年にかけて製造された。

なお、本形式はホール型の増備途上での改良型であるため、試作車は作られず、ホール級の生産ラインを転用する形でそのまま量産が開始されている。

運用編集

本形式はホール級の増備車として量産され、一種の万能機として戦中・戦後のGWR→イギリス国鉄の輸送サービスを支え続けた。

製造時期が大戦末期以降であったことから、本形式の廃車はホール級より後回しにされ、1963年から1966年にかけて実施されている。

諸元編集

  • 全長 mm
  • 全高 mm
  • 軸配置 2C(テンホイラー)
  • 動輪直径 1,828mm
  • 弁装置:内側スティーブンソン式弁装置
  • シリンダー(直径×行程) 469mm×760mm
  • ボイラー圧力 15.82kg/cm² (= 225lbs/in2 = 1.55MPa))
  • 火格子面積 2.52m²
  • 機関車重量 75.73t
  • 最大軸重 20t
  • 炭水車重量 46.64t

保存車編集

本形式は現在、下記の7両が保存されている。

  • 6960号機「レーヴニンガム・ホール」(Raveningham Hall)
  • 6984号機「オースデン・ホール」(Owsden Hall)
  • 6989号機「ワイトウィック・ホール」(Wightwick Hall)
  • 6990号機「ウィザーズラック・ホール」(Witherslack Hall)
  • 6998号機「バートン・アグネス・ホール」(Burton Agnes Hall)
  • 7903号機「フォアマーク・ホール」(Foremarke Hall)
  • 7927号機「ウィリントン・ホール」(Willington Hall)

脚注編集

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  1. ^ これらは製造時期により順次改善が加えられていったため、製造ロットにより仕様が微妙に異なっている。