コゴメミズ
コゴメミズ (Pilea microphylla) は、イラクサ科の植物でごく小さな多肉質の草。日本では帰化植物で、沖縄ではごく普通に見られる。
コゴメミズ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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コゴメミズ(沖縄本島)
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Pilea microphylla (L.) Liebm. (1851) | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
コゴメミズ |
特徴 編集
小柄な1年性から越年性の草本[1]。多汁質の植物で、枝先は横に広がる[2]。茎は直立、または斜めに立ち、高さ5-10cm程度にしかならない。茎は無毛でやや多肉質、緑色か紫を帯び、よく枝分かれして、稜がある。葉は対生で茎に2列をなしてつく。葉は大きさに差がある。大きい葉はやや楕円形で、長さ5-6mm、葉身より短い葉柄がある。これに対生する葉は長楕円形からへら形でやや小さい。いずれにしても葉身は緑色で、縁は滑らか。葉の表では、中肋に垂直な長さ0.3mmほどの白いウジ虫状の隆起した結晶線があって、結晶線の間には鐘状体が点在する[2]。小さい葉は上記の葉の半分の大きさしかなく、節の部分に出る短枝に束になって生じる。ただし葉の大きさや葉の厚み、草質などには変異が多い。
雄花と雌花の区別があり、雌雄同株、あるいは異株。どちらの性の花もごく小さく、葉腋から出た短枝に数個ずつ生じる。花色は緑か紅色を帯びた緑で径1mm。花被片は4個で、長さは1mmに満たない[3]。雌花では花被片は卵形で先端が尖る。痩果は卵形で2稜があり、扁平で長さ0.5mm、花被片より長くて結晶線がある
分布と生育環境 編集
原産地は南アメリカであるが、現在では世界の熱帯域に広く帰化している。沖縄には第2次世界大戦の後に帰化した。初島(1975)では鹿児島市から報告があることを記している[4]。本州での記録は1991年に東京都で、また1998年には神奈川県でも報告が出た[2]。
1年草だが沖縄では通年に渡って見られる。湿った岩やコンクリートの隙間などによく出現する[5]。
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集団を成して生えている
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岩の隙間から伸び出している(ハワイ)
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道路脇の群落(同)
近縁種など 編集
日本にはミズ属の植物が本種以外に8種ほどあるが、大部分が葉の形がずっと大きくて普通に木の葉形で鋸歯がある。鋸歯のない小さな葉を持つものとしてはコケミズ P. peploides がある。ただしこの種は葉が卵円形で葉柄が葉身と同じくらいの長さで、茎は横に広がらないなど、外見的にはかなり異なる[6]。
利害 編集
雑草ではあるが、何しろ小型なので沖縄でも特に大きな迷惑にはなっていない。
出典 編集
参考文献 編集
- 初島住彦 『琉球植物誌』追加・訂正版、(1975)、 沖縄生物教育研究会
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他『日本の野生植物 草本II 離弁花類』,(1982),平凡社
- 清水矩宏他、『日本帰化植物写真図鑑』(改訂第5刷)、(2008)、全国農村教育協会