シカモア・ギャップの木

イングランドのノーサンバーランドに生育していた木

シカモア・ギャップの木英語: Sycamore Gap Tree)は、かつてイングランドノーサンバーランドにあるハドリアヌスの長城に生育していたセイヨウカジカエデ。2016年にはイギリスの今年の木英語版に選出された。映画『ロビン・フッド』に登場したことからロビン・フッドの木とも呼ばれる。樹齢は数百年で、2023年9月に伐採された。

シカモア・ギャップの木
Sycamore Gap Tree
シカモア・ギャップの木(2015年)
別名 ロビン・フッドの木
所在地 イングランドノーサンバーランド
座標 北緯55度00分13秒 西経2度22分26秒 / 北緯55.00356度 西経2.37387度 / 55.00356; -2.37387座標: 北緯55度00分13秒 西経2度22分26秒 / 北緯55.00356度 西経2.37387度 / 55.00356; -2.37387
樹種 セイヨウカジカエデ
伐採 2023年9月28日 (2023-9-28)
地図
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所在地 編集

シカモア・ギャップの木は、イングランド北部にあるノーサンバーランドにあるハドリアヌスの長城の敷地内に生育していた[1]。長城は2世紀にローマ皇帝のハドリアヌスの命令によって建造され[2]、木は長城跡に沿った2つの丘の間に立っていた[1]

歴史 編集

シカモア・ギャップの木はセイヨウカジカエデの木である[1]。正確な樹齢は分かっていないが、200年から300年であると推測されている[3]。この場所には多くの木が生えていたと推測されているが、景観の確保など様々な理由でシカモア・ギャップの木を除き伐採されたと推測されている[4]

シカモア・ギャップの木はノーサンバーランド国立公園英語版ナショナル・トラストによって共同で管理されていた[3]。この場所には長年にわたり名前が付いていなかったが、調査を行っていた際にナショナル・トラストの職員によってシカモア・ギャップと命名された[4]

シカモア・ギャップの木は1991年の映画『ロビン・フッド』に登場し、このことから「ロビン・フッドの木」とも呼ばれるようになった[3]。2003年にはテレビ番組の撮影をしていたヘリコプターが木の近くに墜落し、木は損傷を受けた[2]。シカモア・ギャップの木は2016年にイギリスの今年の木英語版に選出された[1]。賞金として1,000ポンドが贈られ、2017年のヨーロッパの「今年の木」のイギリス代表となった[5]

シカモア・ギャップの木は2023年9月28日に伐採された[1]。木はチェーンソーで伐採されたとみられ、根本から数十センチメートル上が切り倒されていた[1]。ノーサンブリア警察は「意図的な破壊行為」の疑いで捜査を進め、同日に16歳の少年を逮捕した[3]

人気 編集

シカモア・ギャップの木は『ロビン・フッド』に登場したことで広く知られるようになった[2]。木を管理していたノーサンバーランド国立公園は木を「英国で最も撮影されている木の一つ」としていた[1]。木は様々な映画やテレビドラマ、ミュージックビデオなどに登場していた[3]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g 藤原学思 (2023年9月29日). “写真映えする「英国で一番撮られる木」が切られる 16歳少年を逮捕”. 朝日新聞. 2023年9月29日閲覧。
  2. ^ a b c UK: Hadrian's Wall Sycamore Gap tree 'deliberately felled'”. DW (2023年9月29日). 2023年9月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e 遠藤宗生 (2023年9月29日). “樹齢200年の「ロビン・フッドの木」切り倒される 英警察、16歳少年を拘束”. Forbes Japan. 2023年9月29日閲覧。
  4. ^ a b Read about Sycamore Gap”. ナショナル・トラスト. 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月29日閲覧。
  5. ^ Sheffield Huntingdon Elm to get Tree of the Year cash”. BBC (2016年12月18日). 2023年9月29日閲覧。

外部リンク 編集