ジョンソン宇宙センター
リンドン・B・ジョンソン宇宙センター(リンドン・B・ジョンソンうちゅうセンター、英: Lyndon B. Johnson Space Center, JSC)は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンにある、アメリカ航空宇宙局 (NASA) の宇宙センターである。
リンドン・B・ジョンソン宇宙センター | |
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Lyndon B. Johnson Space Center | |
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![]() 上空から見たジョンソン宇宙センター(1989年) | |
組織の概要 | |
設立年月日 | 1961年11月1日 |
継承前組織 | |
管轄 | アメリカ合衆国連邦政府 |
本部所在地 |
アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン 北緯29度33分47秒 西経95度5分28秒 / 北緯29.56306度 西経95.09111度 |
行政官 |
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上位組織 | NASA |
ウェブサイト | NASA JSC ホームページ |
旧称は有人宇宙船センター (Manned Spacecraft Center)。1973年2月19日に、テキサス州出身の元アメリカ合衆国大統領リンドン・B・ジョンソンに敬意を表して、現在の名称に改名された。有人宇宙飛行に関する訓練、研究および飛行管制が行われている。
目次
概要編集
ヒューストンのクリアレイク地区にある1,620エーカー (660 ha)の敷地に建設された100棟の建物から成る複合施設である。ヒューストンは1967年に「宇宙都市」(Space City) という公式な愛称が付けられた。ジョンソン宇宙センターはNASAの宇宙飛行士隊の本拠地であり、米国およびその国際的な協力宇宙機関出身の宇宙飛行士を訓練する役割を担っている。
ジェミニ計画、アポロ計画、スカイラブ、アポロ・ソユーズテスト計画、スペースシャトル計画の有人宇宙飛行を管制した、ミッションコントロールセンターがあることで、一般によく知られるようになった。
有人宇宙船センターは、ロバート・R・ギルルースに率いられたスペース・タスク・グループ (STG)が発展的に解消して、米国の有人宇宙飛行計画を管理・調整するためにNASAの創設直後に設立された。スペース・タスク・グループはバージニア州ハンプトンにあるラングレー研究センターに拠点を置いていたが、組織的にはゴダード宇宙飛行センターに直属していた。
発展しつつあった米国の有人宇宙飛行計画のニーズを満たすため、その組織のスタッフを増やす計画が1961年に始動し、その後スタッフは新しい施設に異動した。この新たな施設は1962年に建設され、1963年にライス大学を通してハンブル石油より広大な土地が寄付されて、1963年9月に公式に開設された。
ジョンソン宇宙センターは、全米に10施設あるNASAのフィールドセンターの一つである。
主要な施設編集
ジョンソン宇宙センターにはクリストファー・C・クラフト・ジュニア・ミッションコントロールセンター (MCC-H)が置かれており、NASAの管制センターとして、アメリカ合衆国の全ての有人宇宙飛行を統制、監視する。MCC-Hはスペースシャトルの全ミッションのほか、現在は国際宇宙ステーション上で実施されるアメリカの様々な活動の指揮を執っている。アポロ・ミッションコントロールセンターは、国定歴史建造物にも指定されており、30号棟に入居する。有人宇宙船が打ち上げ直後、発射台のタワーを通過した時点から、地球に帰還して着陸するまでの間は、ミッションコントロールセンター (MCC) が管制を行う。MCCには複数の航空管制室 (Flight Control Room) があり、そこから航空管制官が宇宙飛行を統制、監視する。管制室には多くのコンピュータがあり、宇宙船を監視して、指令を送り、通信するために使用される。ミッションが進行中の時、管制室は通常、三交代制による24時間体制でスタッフが配置される。
ジョンソン宇宙センターはアメリカの宇宙飛行士隊の訓練計画立案および実際の訓練の大部分を運営するために、ソニー・カーター訓練施設や無重量環境訓練施設のような、宇宙遊泳の訓練をするためにも重要な要素である訓練施設を有している。無重量環境訓練施設は、管理された中性浮力環境を約23,000m3の巨大なプールで再現することで提供し、宇宙飛行士はその疑似無重力条件を利用して船外活動の作業を実践訓練を行う[1][2]。当施設は、乗組員の活動や無重力条件下での身体動作に係る動力学を熟知するようになることで、飛行前の訓練を提供する[3]。
31-N号棟には月試料実験室施設が入り、アポロ計画で月から持ち帰られた月試料のほとんどがここで保管、分析、加工される。
ジョンソン宇宙センターはニューメキシコ州にあるホワイトサンズ試験施設でのオペレーションの指揮を執る役目も負っている。ホワイトサンズ試験施設は、スペースシャトルの代替着陸場として用意されていたほか、そのスペースシャトル計画に替わるものとして計画されたものの、2009年に中止されたコンステレーション計画のための施設にもなるはずであった。
見学者や訪問者を受け入れるためのビジターセンターは、1994年以来、西に隣接するスペースセンター・ヒューストンであり、ディズニーが運営している。ジョンソン宇宙センター内部を見学するツアーはここから出発する。以前のビジターセンターは、ジョンソン宇宙センターの2号棟にあった。
ジョンソン宇宙センターヘリポート (FAA LID: 72TX) は、キャンパス内に位置する[4]。
立てこもり事件編集
脚注・出典編集
- ^ Strauss S (July 2008). “Space medicine at the NASA-JSC, neutral buoyancy laboratory”. Aviat Space Environ Med 79 (7): 732–3. PMID 18619137.
- ^ Strauss S, Krog RL, Feiveson AH (May 2005). “Extravehicular mobility unit training and astronaut injuries”. Aviat Space Environ Med 76 (5): 469–74. PMID 15892545 2008年8月27日閲覧。.
- ^ NASA. “Astronaut Selection and Training”. 2008年8月27日閲覧。
- ^ AirNav: 72TX – Johnson Space Center Heliport
外部リンク編集
- ジョンソン宇宙センター (英語)