Xerox NoteTaker (ゼロックス ノート・テイカー) は、初期のポータブルコンピュータである。1978年にカリフォルニア州パロアルトゼロックスPARCで開発された。生産には至らず、試作機は約10台しか作られなかったが、後のOsborne 1コンパック・ポータブルコンピュータの設計に強い影響を与えた。

ゼロックスNoteTaker
開発元 ゼロックスPARC
種別 ポータブルコンピュータ
発売日 1978年 (1978)
標準価格 50000 US$ (現在価値 $233571.43)
出荷台数 10台のプロトタイプのみ[1]
OS Smalltalk
CPU Intel 8086 @ 5 MHz[2]
メモリ 256 kBRAM
ストレージ フロッピーディスクドライブ
ディスプレイ 7インチ (18cm) 組込型の接触感応式モノクローム ディスプレイ[3]
サウンド ステレオスピーカー[3]
入力機器 折りたたみ式 キーボード, マイクロフォン[3]
コントローラ入力 マウス
外部接続 イーサネット基板[3]
電源 充電式バッテリー[3]
サイズ 3.8cm x 54.6cm x 19.1 (2 1/2 x 21 1/2 x 7 1/2 インチ)[4]
重量 22 kg (48 ポンド)
前世代ハード Dynabook

コンピューター 編集

NoteTakerは、アデル・ゴールドバーグ、Douglas Fairbairn、ラリー・テスラーを含むチームによって開発された[5]Dynabookプロジェクトを開発したアラン・ケイの初期の研究に大きく影響を受けている。Dynabookが、現在の技術では実現不可能な持ち運び可能なコンピュータのコンセプトであったのに対し、NoteTakerは何ができるかを示すことを目的としていた。

このコンピュータには、内蔵のモノクロディスプレイモニタフロッピーディスクドライブマウスなど、当時としては非常に高度な技術が採用されていた。当時としては大容量の256kBRAMを搭載し、5MHz Intel 8086 CPU を使用していた[2]Smalltalkオペレーティングシステムを使用していて、これはもともとグラフィカル・ユーザー・インタフェースの先駆者であるゼロックスAltoコンピューターのために作成されたバージョンであった。

NoteTakerは、携帯用ミシンと似た形のケースに収まっており、キーボードは底面から折り畳まれて、モニターとフロッピードライブが見えるようになっていた。物理的な形状は、後にOsborne 1コンパック・ポータブルなどの非常に成功した「持ち運び可能な」コンピューターで使用された。ただし、これらの後のモデルは、重量が22kg (48ポンド) あるNoteTakerの約半分の重さであった。

脚注 編集

  1. ^ Personal Computers”. 2006年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月4日閲覧。 from the Computer History Museum
  2. ^ a b Alan C. Kay: The Early History of Smalltalk. In: Proceedings of HOPL II. "ACM SIGPLAN notices", Vol. 28, No. 3, March 1993, Association for Computing Machinery, New York, pp. 69
  3. ^ a b c d e Xerox NoteTaker, page 99, Computer, By Paul Atkinson
  4. ^ Xerox Notetaker - CHM Revolution
  5. ^ To no avail, for several months he tried to get bosses to turn the NoteTaker portable computer the team had been working on into a commercial release. When they ignored him, Tesler left., page 161, The Apple Revolution: Steve Jobs, the counterculture and how the crazy ones ..., By Luke Dormehl

関連項目 編集

外部リンク 編集